食料政策に大きな影響を与える闇の組織

NewYorkTimes」の記事によると、闇の企業グループが世界の食料政策を形作っているようです。食品および飲料会社が資金を提供している組織は、砂糖入りの食品や加工食品の規制と密かに戦っています。(原文の記事はここ

インドでは急増する肥満と戦うための不健康な食品に赤い警告ラベルを貼ることを延期したのですが、そのラベリングシステムを検討する専門家パネルを作ったのです。しかし、その3人の専門家による委員会の委員長に選ばれたのが、ベテランの栄養士であり、元ネスレの顧問だったセシケランという人なのです。

このセシケラン氏は、実は「the International Life Sciences Institute」(ILSI)という機関の役員なのです。ILSIはアメリカの非営利団体で、世界中の政府の健康と栄養の機関に静かに浸透しています。このILSIは40年前にコカ・コーラのトップの役員によって設立され、現在では17か国に支社があるようです。そして、アグリビジネス、食品、製薬業界の巨大企業にほぼ完全に資金提供をされているのです。

ILSIは1980年代と1990年代にヨーロッパとアメリカでタバコの利益を擁護し、最近では食品会社の利益のシェアを拡大​​しているアジアやラテンアメリカでの活動を拡大し、中国やインド、ブラジルで特に活発に活動しています。

先ほどのインドの例と同様に、中国ではILSIは、国の肥満関連疾患の蔓延と戦う責任機関とスタッフとオフィスを共有しています。

ブラジルではILSIの代表者は、以前は大学の研究者用に用意されていた多くの食品と栄養パネルの座を占めています。

ILSIは、創設以来40年にわたり、世界中でスポンサーとなっている会議を通じて、また食品の安全性、農薬、プロバイオティクスサプリメントの推進などの問題に取り組む委員会に有力な科学者を採用することで、学術および政府の味方を体系的に育成してきました。通常はマクドナルドまたはケロッグが直接スポンサーするのを避けるかもしれないイベントの科学者や職員を養成しているのです。

会議は5つ星レストランで行われ、そこで昼食が振舞われます。

セシケラン氏は、インド国立栄養研究所の所長を退職してから7年間、ネスレ、日本の食品大手の味の素、イタリアのチョコレートメーカーフェレロなどの企業に助言を行ってきました。彼はILSIイベントで頻繁に講演を行っており、人工甘味料と遺伝子組み換え作物の利点について講演しています。

過去1年間、ILSIの中国の関連会社が、企業の利益を保護するために設計されたとコカコーラが長らく支持してきた戦略である、食事の変化よりも身体活動に重点を置いた反肥満教育キャンペーンの形成にどのように貢献してきたか、ということが示されています。

ILSIのトップは、中国の疾病管理予防センターの高官を兼ねています。

さらに、情報公開で、アメリカでの最近の研究の著者は、 ILSIの役員、その企業メンバー、および学界のグループの同盟者の間で、WHOのますます厳しくなる砂糖に対するスタンスとの戦いを強化するよう促すメールを入手しました。

また、ILSIは健康と環境の問題に焦点を当てた研究財団と研究所を運営しており、主に化学産業が資金を提供しています。また、学術雑誌「Nutrition Reviews」を発行し、世界中で多数の科学会議を開催しています。近年のILSIの仕事の多くは、発展途上国での関係の促進に焦点を合わせてきました。

過去10年間、ILSIは化学会社、中でも除草剤ラウンドアップで有名な、あの「モンサント」から200万ドル以上を受け取りました。(「日本という国は本当に国民の健康を守る気があるのであろうか?」参照)2016年、ILSIは、国連委員会がモンサントの除草剤ラウンドアップの重要な成分であるグリホサートが「おそらく発がん性ではない」という判断を下した後、WHOのがん機関による以前の報告と矛盾して批判を浴びました。その委員会は、2人のILSIの役人が率いており、そのうちの1人は化学分野のコンサルティング業務を行ったILSIヨーロッパの副社長だったのです。

このように利益優先の企業が暗躍し、世界中の食料政策に大きな影響を及ぼし、世界中で健康に害を及ぼし、様々な病気を増やしています。全てではないとしても、病気になることは運命ではなく、食事の選択の誤りに起因しています。国の推奨する食事は企業によって操作されている可能性が高いのです。

医学的なガイドラインも企業に影響を非常に多く受けています。

多くの病気は糖質過剰摂取によるものだと、私は考えています。自分で判断し、自分で正しいと思う食事をしてください。

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コメント

  1. 鈴木 武彦 より:

    いつも新鮮で説得力あるブログ、とても興味深く拝読しております。

    原子力発電もそうですが、既得権者はその巨大な既得権益を守るためには、消費者の健康などは考慮の範疇ではないのでしようか。

    また、先生のご意見を伺いたいのですが
    この記事にもありました、人口甘味料、
    糖質制限をしている者にはとても有り難いのですが、摂取は控えた方が良い物なのでしようか?

    • Dr.Shimizu より:

      鈴木 武彦さん、コメントありがとうございます。

      企業は消費者の健康を考えていると「見せかける」ことで利益を上げることが目的ですね。

      通常、例えば糖質ゼロのビール1本に入っている程度の人工甘味料を摂取するのは問題ないと思っていますが、
      甘いものが食べたくて、人工甘味料をたくさん摂るのはやはり控えた方が良いと思っています。
      人工甘味料は工業製品ですし、脳が甘いものに執着し続けることになるのではと思います。
      健康に対する有害性も恐らくはあるでしょう。私はできる限り避けています。

  2. 鈴木 武彦 より:

    ご返信、大変ありがとうございます。

    甘い物への執着、中々脱しきれないです。

    何にでも「執着」は気をつけます。