急性冠症候群とインスリン抵抗性

心血管疾患はLDLコレステロールが犯人のように扱われていますが、実際には糖質過剰症候群だと思います。

今回の研究では、急性冠症候群を起こした人697人をインスリン抵抗性によってグループ分けしました。

糖尿病と診断されていない人は、インスリン抵抗性を表すHOMA-IR値に基づいて、インスリン感受性(HOMA-IR 2以下)、インスリン抵抗性の可能性が高い(HOMA-IR 2~5)、糖尿病性インスリン抵抗性(HOMA-IR 5以上)のグループに分けられました。 糖尿病と診断されている人は別のグループと見なされました。(図は原文より、表は原文より改変)

インスリン感受性インスリン抵抗性の可能性糖尿病性インスリン抵抗性糖尿病
全体
 主要な心臓有害イベント15.5(33)17.6(18)29.9(19)27.7(24)
 心臓死2.4(5)0(0)3.2(2)1.2(1)
 心筋梗塞0.9(2)1.0(1)5.0(3)7.2(6)
 心臓死、心停止、または心筋梗塞2.9(6)1.0(1)8.1(5)8.3(7)
 不安定または狭心症の増加による再入院14.1(30)16.6(17)25.3(16)22.9(20)
 血行再建術(PCIまたはCABG)10.9(23)14.7(15)27.1(17)23.5(20)
 ステント血栓症2.0(4)0(0)4.7(3)4.6(4)
原因病変
 主要な心臓有害イベント8.0(17)13.8(14)20.4(13)17.3(15)
 心臓死0(0)0(0)1.6(1)0(0)
 心筋梗塞0.5(1)0(0)1.6(1)4.6(4)
 心臓死、心停止、または心筋梗塞0.5(1)0(0)3.1(2)4.6(4)
 不安定または狭心症の増加による再入院8.0(17)13.8(14)19.1(12)13.8(12)
 血行再建術(PCIまたはCABG)6.2(​​13)10.8(11)17.5(11)15.2(13)
ステント血栓症0.0(0)0.0(0)4.7(3)3.4(3)
 非原因病変
 主要な心臓有害イベント9.2(19)8.9(9)19.2(12)16.5(14)
 心臓死0(0)0(0)0(0)0(0)
 心筋梗塞0.0(0)1.0(1)3.4(2)1.4(1)
 不安定または狭心症の増加による再入院9.2(19)7.9(8)17.5(11)15.1(13)
 血行再建術(PCIまたはCABG)7.8(16)7.9(8)19.2(12)14.1(12)
不確定なイベント
 主要な心臓有害イベント2.9(6)1.0(1)1.7(1)4.7(4)
 心臓死2.4(5)0(0)1.7(1)1.2(1)
 心筋梗塞0.5(1)0(0)0(0)1.1(1)
 不安定または狭心症の増加による再入院0.5(1)1.0(1)0(0)2.4(2)
 血行再建術(PCIまたはCABG)0(0)0(0)0(0)0(0)

上の表は主要な心臓有害イベントなどの発生率です。糖尿病性インスリン抵抗性と糖尿病グループでは発生率が高くなりました。これは主に血行再建術および心筋梗塞のより高い発生率によるものと考えられます。ステント内血栓症は糖尿病と糖尿病性インスリン抵抗性のグループのみに発生しました。

上の図は横軸が月数、縦軸はaが全体、bは原因病変、cは非原因病変における主要な心臓有害イベントなどの発生率を示しています。黒い線が糖尿病、赤が糖尿病性インスリン抵抗性、緑がインスリン抵抗性の可能性が高い、青がインスリン感受性です。

上の図はインスリン感受性のグループと比較した3年間での主要な心臓有害イベントのリスク比です。aが全体、bは原因病変、cは非原因病変での主要な心臓有害イベントのリスクです。やはり糖尿病と糖尿病性インスリン抵抗性でリスクが高く、最も高いのはHOMA-IRが5以上となる糖尿病性インスリン抵抗性グループでリスクは3倍前後でした。

糖尿病、高インスリン血症はアテローム性動脈硬化症や心血管疾患の発症、進行と大きく関連していると考えられます。LDLコレステロールよりも糖質過剰摂取によって起こると考えられます。高血糖、高インスリン血症は血栓を起こしやすくなります。

心血管疾患予防のためには糖質制限ですね。

「Relationship between insulin resistance, coronary plaque, and clinical outcomes in patients with acute coronary syndromes: an analysis from the PROSPECT study」

「急性冠症候群患者におけるインスリン抵抗性、冠動脈プラーク、および臨床転帰の関係:PROSPECT研究からの分析」(原文はここ