歩くスピードが遅い人は新型コロナウイルス感染での死亡リスクが高い

歩くスピードは認知症や様々な死亡率の増加と関係しています。高齢者でスタスタ歩く方は若々しく見えるだけでなく、実際に元気であることが多いです。一方歩行が遅い人はやはり不健康であったり、筋力の低下が著しい方が多いと思います。

新型コロナウイルス感染でもやはり歩くスピードが重症化、死亡率と関連しているようです。

今回の研究ではイギリスの412,596人が対象で、年齢の中央値は67歳です。新型コロナウイルス感染で、重症化が1001人、336人が死亡しました。(図は原文より)

上の図は左が重症化、右が死亡、上から速い歩き(時速4マイル(6.4km))以上、平均の歩き(時速3~4マイル)、遅い歩き(時速3マイル(4.8km)未満)の人で、それぞれ正常体重、過体重、肥満となっています。

正常体重の人と比較して、過体重および肥満の人における重症化の可能性は、それぞれ1.26倍および1.49倍でした。死亡の可能性はそれぞれ1.19倍と1.82倍でした。

歩行ペースが速い人と比較して、平均的な歩行と遅い歩行の人の重症化の可能性は1.13倍および1.88倍でした。死亡の可能性は1.44倍および1.83倍でした。肥満の状態に関係なく、遅い歩行の人が最もリスクが高くなりました。

正常体重の歩くペースの速い人と比較して、正常体重の遅い歩行の人の重症化の可能性は2.42倍であり、死亡の可能性は3.75倍にもなりました。

老化は足から来るのかもしれません。日ごろからの運動を怠ることは、人間としての機能を衰弱させます。使わない機能はどんどん低下します。低下してから取り戻すことは非常に難しくなります。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、家にばかり籠っていては、どんどん筋肉が落ちていきます。感染はしないけれども寿命は縮まっているかもしれません。感染した時に戦うこともできないかもしれません。

正しい食事と適度な運動が非常に重要です。どちらも自分でコントロールできることです。それをするかしないかは自分自身の課題です。

糖質過剰症候群

「Obesity, walking pace and risk of severe COVID-19 and mortality: analysis of UK Biobank」

「肥満、歩行ペース、重度のCOVID-19と死亡のリスク:UKバイオバンクの分析」(原文はここ

4 thoughts on “歩くスピードが遅い人は新型コロナウイルス感染での死亡リスクが高い

  1. 握力が強い人は「長生きする」という調査があります。
    筋肉量と長寿が関係があると思われます。
    歩くスピードは筋肉量とも関係があります。
    だから 歩くスピードは結果であって 大元は筋肉量ではないでしょうか?

    1. 竹田 通教さん、コメントありがとうございます。

      握力も同様ですね。歩くスピードは筋肉量や筋力、神経系などの指標にすぎません。
      速く歩けないのは、その分全身が老化している一つの目安だと思います。

  2. イチロー選手や松井秀樹選手、中田英寿選手、田中将大選手、大谷翔平選手、、、
    結果を残すスーパーアスリートが準備に余念無いように、未来の自分の為の準備は
    常に行いたいものです。

    1. 鈴木 武彦さん、コメントありがとうございます。

      私はアスリートは決して健康ではないと思っています。準備という意味では仰る通りですね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です