乳がんの女性におけるBMIと二次がんのリスク

以前の記事「がんサバイバーは二次がんリスクが高い」では、一次がんの後5年生存した人であっても通常よりも別のがんである二次がんのリスクが高いことを書きました。そしてそれは喫煙や肥満との関連も高いことがわかっています。

今回の研究では乳がんの後の二次がんについて分析しています。

研究における対象の6,481人の女性の特徴は次のとおりです。最初の乳がん診断時の平均年齢は61.2歳でした。62%が最初の診断でI期の乳がん、32.6%がステージII、5.4%がステージIIIの乳がんを患っていました。80%は最初の診断でエストロゲン受容体陽性の乳がんでした。
全員が乳がんの手術を受け、70.8%が放射線治療を受け、38.2%が化学療法、68.4%がホルモン療法を受けました。33.4%は最初の診断で太りすぎ、33.8%は肥満でした。
約7年間(12ヶ月~322ヶ月)追跡されました。(表は原文より改変)

結果がんの人数RR(95%CI)
すべての癌8221.07(1.01から1.14)
肥満関連がん5081.13(1.05から1.21)
乳がん3331.11(1.02から1.21)
ER陽性乳がん2311.15(1.04〜1.27)

フォローアップ中に、822人(12.7%)が二次原発がんと診断されました。二次がんのうち、
333(5.1%)は乳がんであり、そのうち231(69.4%)はエストロゲン受容体陽性でした。
508(7.8%)は肥満関連がんで、283人は閉経後の乳がん、70人は結腸直腸癌、68人は子宮内膜がん、21人は卵巣癌、23人はすい臓癌、14人は腎臓がんでした。

上の表はBMIが5増加したときのリスク増加を示しています。BMIが5増加すると、すべての二次がんのリスクが7%、肥満関連がんのリスクが13%、二次原発性乳がんのリスクが11%、
エストロゲン受容体陽性乳がんのリスクが15%、それぞれ高くなりました。

現在、肥満と関連しているがんは次の13種類です。

髄膜腫(脳腫瘍の一種)
多発性骨髄腫
食道の腺がん
甲状腺がん
閉経後の乳がん
胆嚢がん
胃がん
肝臓がん
すい臓がん
腎臓がん
卵巣がん
子宮がん
結腸直腸がん

もちろん、体重減少ですべてのがんのリスクを減らすことはできません。しかし、体重は自分でコントロールできるものです。肥満は糖質過剰症候群です。糖質過剰摂取をやめれば体重は低下します。糖質はがんのエサです。一度がんになったら、それが完治しても、それで終わりではありません。がんのリスク因子は共通しているので、そのまま食事を改善しなければ他のがんになるリスクは高いままです。

糖質制限をすればがんを予防できるというエビデンスは現在のところ存在するわけではありません。しかし、がんのメカニズムを考えれば糖質過剰摂取は十分に悪いものだとわかるはずです。

「Body Mass Index and Risk of Second Cancer Among Women With Breast Cancer」

「乳がんの女性におけるBMIと二次がんのリスク」(原文はここ

コメント

  1. 鈴木 武彦 より:

    「自分への御褒美」「何でも食べられる物で体力付けないと」
    とアイスやスウィーツなどが自身や御病気の人に提供されがちな世の中ですね。

    悪気がないのが更に厄介です。