スタチンの心毒性

長期のスタチンの使用は心不全を起こすことがあります。つまり副作用、医原性です。スタチンはコエンザイムQ10(CoQ10)の低下を起こし、ミトコンドリアのエネルギー産生を障害するからです。

今回の研究では、特定の原因がない状態で心不全が発症した長期スタチン療法を受けている142人の患者を対象としています。心不全症状に加えて、患者は倦怠感(93%)、記憶の障害(73%)、筋力低下(54%)、筋肉痛(60%)、および末梢神経障害(37%)を示しました。そこで、スタチンの中止とCoQ10のサプリメントを使用しました。平均追跡期間は2.8年で、77%の患者が1年以上追跡されました。

そうしたところどうなったでしょうか?(表は原文より改変)

人数カテゴリーベースライン終わり
駆出率、%(95%CI)13158(57–59)59(58–59)
駆出率が低下した心不全患者の駆出率、%(95%CI)935(29–41)47(39–55)
拡張機能 人数(%)122グレード00(0)42(34)
グレード133(27)46(38)
グレード286(70)34(28)
グレード33(2)0(0)
NYHA分類 人数(%)1371度11(8)108(79)
2度96(70)23(17)
3度29(21)5(4)
4度1(1)1(1)
倦怠感 人数(%)1370 =なし9(7)92(67)
1 =軽度2(1)16(12)
2 =中等度60(44)22(16)
3 =重度66(48)7(5)
筋力低下 人数(%)1370 =なし62(45)113(82)
1 =軽度4(3)14(10)
2 =中等度39(28)8(6)
3 =重度32(23)2(1)
筋肉痛 人数(%)1370 =なし54(39)126(92)
1 =軽度7(5)7(5)
2 =中等度44(32)2(1)
3 =重度32(23)2(1)
記憶の障害 人数(%)1370 =なし37(27)99(72)
1 =軽度11(8)17(12)
2 =中等度65(47)16(12)
3 =重度24(18)5(4)
末梢神経障害 人数(%)1370 =なし86(63)116(85)
1 =軽度11(8)9(7)
2 =中等度29(21)8(6)
3 =重度11(8)4(3)

まずは驚くことに、先ほども書いたように多くの人が心不全症状だけでなく様々な症状苦しんでいたことです。倦怠感は中等度以上が92%です。筋力低下の中等度以上が51%で重度が23%です。筋肉痛の中等度以上が55%で重度が23%です。記憶の障害の中等度以上が65%で重度が18%です。末梢神経障害の中等度以上が29%で重度が8%です。ひどい副作用です。

スタチンをやめてCoQ10のサプリメントで、研究の期間中に4人の患者が死亡しました。2人は原因不明、1人は心臓の突然死、1人が肺がんです。研究期間中に2件の脳卒中が起こりましたが、心臓の発作は観察されませんでした。

多くの人で様々な症状が改善し、心臓では、心臓の拡張機能はベースラインでは異常のない人が0%だったのが、34%で拡張機能が正常化したのです。心不全の重症度分類であるNYHA分類では最も軽い1度は8%から79%にもなりました。

倦怠感なし7%→67%、筋力低下なし45%→82%、筋肉痛なし39%→92%、記憶障害なし27%→72%、末梢神経障害なし63%→85%、と大きく改善しているのです。

非常に多くの人がただコレステロール値が高いというだけで、予防的にスタチンが投与されています。スタチンは体の重要な機能を低下させ、様々な副作用が認められています。(「スタチンはあなたの体の重要な機能を低下させる」など参照)

スタチンはすでに心臓疾患がある人であっても5年間の投与でNNT=83で、つまり5年間のスタチンを続けて命が助かるのは83人に1人です。心疾患がない場合5年間の心臓の発作が起きるのを予防するNNT=104であり、命を助けられた人はいません。その代わりに50人に1人が糖尿病を発症し、10人に1人が筋肉に障害が起こります。

心血管疾患のリスクの低い人であれば、スタチンは命を助けるのに有益ではありませんし、致命的でない心臓の発作を回避するNNT=217です。

新型コロナウイルス感染と同様に、不安や恐怖を植え付ければスタチンの使用を躊躇する人は少なくなるでしょう。心血管疾患を起こしているのが本当は何なのかを見極めなければなりません。

心血管疾患は糖質過剰症候群です。

「Statin-Associated Cardiomyopathy Responds to Statin Withdrawal and Administration of Coenzyme Q10」

「スタチン関連心筋症はスタチン離脱とコエンザイムQ10の投与に反応する」(原文はここ

コメント

  1. 鈴木 武彦 より:

    高齢者の服薬、投薬状況はいわゆる多剤併用状態がスタンダード。

    誰の為なのか分からなくなります。