以前の記事「中性脂肪値と血糖値だけで様々な疾患のリスクを評価できる」で書いたように、TyGインデックスはインスリン抵抗性のマーカーで、この数値が高いと様々な疾患のリスクが高くなることが示されています。(測定はここから)
今回の研究ではTyGインデックスと乳がんの関連について分析しています。対象は19歳以上の乳がんと診断された212人で、対照と比較しています。(図は原文より)
TyGインデックスは乳がん患者で高かく中央値8.65、対照群は8.30 でした。Q1のTyGインデックスを4つのグループに分けると、最もインデックスの低いグループと比較すると、最もインデックスの高いQ4は乳がんの可能性が2.42倍、次に高いQ3は1.53倍、その次に高いQ2は1.39倍でした。
上の図は単変量解析と多変量解析です。単変量では喫煙2.15 [1.44、3.22]、p <0.001)、避妊(薬)の使用1.73、TyGインデックス> 8.87が3.08と乳がんのリスクと関連していました。多変量解析でも喫煙1.93、避妊の使用1.59 、TyGインデックス> 8.87で2.93でした。
TyGインデックスはインスリン抵抗性を表しています。中性脂肪値と血糖値で簡単にわかります。TyGインデックス=8.87というのは、中性脂肪値150、血糖値95のときの値です。私は中性脂肪値が100を超えた時点で、患者さんには注意喚起をして糖質制限を推奨しています。
私はTyGインデックス8未満をお勧めしています。インスリン抵抗性は糖質過剰症候群です。
「The Association Between Triglyceride-Glucose Index as a Marker of Insulin Resistance and the Risk of Breast Cancer」
「インスリン抵抗性のマーカーとしての中性脂肪-グルコース指数と乳がんのリスクとの関連」(原文はここ)
食べたい物も我慢するストレスは一番健康を害するという「正論」。
しかし気ままな食生活で患えば、それこそストレスフルでしょう。
「糖質制限」も初期は不自由さがありますが、次第に快適さ、しかも反動のない、
快適さが持続します。
鈴木 武彦さん、コメントありがとうございます。
変化を嫌う人は多いでしょう。しかも、ものごころついたときからの習慣を変えるとなると、
かなりの決意が必要かもしれません。
しかし、変わってしまえば何てことはなく、もう元には戻れませんね。