PPI(プロトンポンプ阻害薬)は自己免疫疾患のリスクを上げる

PPI(プロトンポンプ阻害薬)は様々な病気のリスクを増加させることは、これまでいくつも記事にしました。(「PPI(プロトンポンプ阻害薬)とすい臓がん」「PPI(プロトンポンプ阻害薬)の長期使用と胃がんのリスク」「PPI(プロトンポンプ阻害薬)は心筋梗塞のリスクを増加させるかもしれない」など参照)

今回の研究ではPPIと自己免疫疾患との関連です。

対象は2002年から2015年までの期間で、台湾のPPIグループの297,099人とコントロールグループの3,125,594人を分析しています。自己免疫疾患を発症した63.49%はPPI使用者でした。

上の図はPPI使用者のタイプ別自己免疫疾患の発症リスクです。PPI非使用者と比較して、全体の自己免疫疾患のリスクは3.64倍で、全身性の自己免疫疾患のリスクは4.335倍でした。臓器特異的な自己免疫疾患のリスクは2.75倍でした。

ちなみに全身性の自己免疫疾患とは、強直性脊椎炎、関節リウマチ、シェーグレン症候群、SLE、全身性血管炎、乾癬、全身性硬化症(強皮症)、炎症性筋疾患(皮膚筋炎および多発性筋炎)などであり、臓器特異的自己免疫疾患はアジソン病、1型糖尿病、バセドウ病、橋本病、自己免疫性溶血性貧血、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、自己免疫性肝炎(ルポイド肝炎)、重症筋無力症、炎症性腸疾患(限局性腸炎、潰瘍性大腸炎、ベーチェット病)などです。

上の図はPPI使用者およびPPI非使用者における自己免疫疾患の累積発生率です。Aは全体的なADの累積発生率、Bはの全身性自己免疫疾患、Cは臓器特異的な自己免疫疾患の発生率です。どれもPPI使用者の方が発生率が高くなっています。

上の図はそれぞれの疾患ごとのリスクです。PPI使用者は非使用者と比較して、

強直性脊椎炎 3.67倍、関節リウマチ 3.96倍、シェーグレン症候群 7.81倍、SLE 7.03倍、全身性血管炎 5.10倍、乾癬 2.57倍、全身性硬化症(強皮症) 15.85倍、炎症性筋疾患(皮膚筋炎および多発性筋炎) 37.40倍、バセドウ病 3.28倍、橋本病 3.61倍、自己免疫性溶血性貧血 8.88倍、特発性血小板減少性紫斑病 5.05倍、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病 4.83倍、重症筋無力症 8.73倍、

とものすごいリスク増加を示しています。15倍や37倍という自己免疫疾患もあるのです。

PPIはどのようにして自己免疫に影響を与えるのかはわかりませんが、腸内細菌叢も変化させると考えられますの、それが影響しているのかもしれません。

いずれにしても、PPIを使うとしても必要最小限で、現在使用している人は本当に必要なのか検討してみなければならないでしょう。

胃食道逆流症(逆流性食道炎)であれば、糖質制限で多くは改善します。

「Proton Pump Inhibitors Increase the Risk of Autoimmune Diseases: A Nationwide Cohort Study」

「プロトンポンプ阻害剤は自己免疫疾患のリスクを高める:全国的なコホート研究」(原文はここ

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする