以前の記事「糖質(炭水化物)の種類と乳がん」では、様々な糖質と乳がん死亡のリスクを書きました。今回は果物や野菜と乳がん診断後の死亡率との関連についてです。

なお、糖質と乳がんの記事と同様にデータがいつものように食事アンケートなので、データの質は低いかもしれません。(図は原文より、表は原文より改変)(摂取量の単位は一食分、サービングです。)

摂取量
五分位1五分位2五分位3五分位4五分位5
果物と野菜の合計
摂取量の中央値、1日あたりの摂取量2.23.44.35.57.4
乳がん特有の死亡率
 モデル210.79(0.65–0.96)0.91(0.75–1.11)0.90(0.74–1.10)0.88(0.71〜1.09)
すべての原因による死亡率
 モデル210.91(0.81〜1.02)0.89(0.79–1.02)0.83(0.73–0.95)0.82(0.71〜0.94)

総果物
摂取量の中央値、1日あたりの摂取量0.51.01.41.92.8
乳がん特有の死亡率
 モデル211.06(0.87–1.29)1.10(0.90–1.34)1.09(0.88–1.33)1.03(0.83–1.26)
すべての原因による死亡率
 モデル211.05(0.92–1.19)0.98(0.86–1.11)0.98(0.85–1.11)0.93(0.81〜1.07)

総野菜
摂取量の中央値、1日あたりの摂取量1.42.22.93.65.1
乳がん特有の死亡率
 モデル210.92(0.76–1.11)0.94(0.77–1.15)0.92(0.75–1.12)0.87(0.70〜1.08)
すべての原因による死亡率
 モデル211.00(0.89–1.12)0.96(0.85–1.09)0.82(0.72–0.94)0.84(0.72–0.97)

野菜と果物の合計、野菜の摂取量の増加は全原因死亡は少し減らすようですが、乳がんによる死亡は関連していないようです。

摂取量
五分位1五分位2五分位3五分位4五分位5
フルーツジュース
摂取量の中央値、1日あたりの摂取量00.30.81.52.1
乳がん特有の死亡率
 モデル210.97(0.79–1.19)1.18(0.97–1.44)1.11(0.91–1.36)1.33(1.09–1.63
すべての原因による死亡率
 モデル210.98(0.86–1.13)1.06(0.93–1.20)1.05(0.93–1.20)1.19(1.04–1.36)

オレンジジュース
摂取量の中央値、1日あたりの摂取量00.10.41.11.5
乳がん特有の死亡率
 モデル211.11(0.90–1.37)1.07(0.88–1.29)1.25(1.01–1.54)1.09(0.89–1.33)
すべての原因による死亡率
 モデル210.99(0.87–1.14)0.96(0.85–1.10)1.04(0.91–1.19)0.98(0.86–1.11)

リンゴジュース
摂取量の中央値、1日あたりの摂取量00.040.10.3
乳がん特有の死亡率
 モデル210.86(0.68–1.09)1.14(0.95–1.36)1.32(1.11–1.57)
すべての原因による死亡率
 モデル210.98(0.86–1.11)1.03(0.90–1.17)1.24(1.11–1.40)

その他のジュース
摂取量の中央値、1日あたりの摂取量00.10.20.7
乳がん特有の死亡率
 モデル210.98(0.82–1.16)1.18(0.99–1.41)1.31(1.11〜1.55)
すべての原因による死亡率
 モデル211.05(0.94–1.17)1.15(1.02–1.29)1.25(1.12–1.39)

一般的にフルーツジュースは健康的な飲み物ですが、乳がんではどうでしょうか?上の表は様々なフルーツジュースとの関連です。

フルーツジュース全体ではその摂取量がもっとも多い群で乳がんおよび全原因死亡のリスクが高くなりました。オレンジジュースとリンゴジュースで分けてみてみると、リンゴジュースでは最も多い群でどちらの死亡率も高くなりました。その他のジュースも同様です。

上の図は個々の野菜や果物によるリスク比です。左が乳がんによるもの、右が全原因死亡です。果物ではイチゴとブルーベリーが良さそうです。野菜ではレタス、ブロッコリーが良さそうです。緑の葉物野菜やアブラナ科の野菜は全原因死亡低下と関連しているようです。

元のデータの質を考えると、それほど何を食べたら良いのか、悪いのかがわかるわけではありません。果物や野菜の摂取は悪いものではないでしょうが、絶対に必要なものでもないかもしれません。食物繊維は腸内細菌のエサなので重要だとは思いますので、野菜の摂取は必要だとは思いますが、果物は糖質たっぷりなものが多いので注意が必要です。少量の方が良いでしょう。ただ、フルーツジュースの摂取量が多いと予後が悪くなる可能性があることが示されています。フルーツジュースは決してヘルシーなドリンクではないでしょう。特にリンゴジュースは避けるべきかもしれません。なぜ、リンゴジュースのリスクが高いのか?そのことについては糖質過剰症候群Ⅱで触れています。

まずは糖質制限でしょう。

「Postdiagnostic Fruit and Vegetable Consumption and Breast Cancer Survival: Prospective Analyses in the Nurses’ Health Studies」

「診断後の果物と野菜の消費と乳がんの生存:the Nurses’ Health Studiesにおける前向き分析」(原文はここ

3 thoughts on “果物および野菜の摂取と乳がん”
  1. スーパーな糖質制限、長年継続しています。
    健康的だと信じていた市販の100%フルーツジュースは飲まなくなりましたが、
    たまにリンゴを皮ごと食べれば有る程度OKかも、とジューサーミキサーにかけ飲みます。

    でも果糖を大量摂取には変りないですもんね。よくよく考えてみます。

    1. 鈴木 武彦さん、コメントありがとうございます。

      私としてはリンゴはあまりお勧めしません。

  2. 糖質制限を知らない頃は果物を毎朝食べていました。当然ヘルシーだと思っていましたし、野菜ジュースを安い時にまとめ買いしていました。
    フルーツジュース(とは名ばかりの果糖ぶどう糖液糖水)もよく買って飲んでいました。今考えると恐ろしいです。
    今でもほとんどの方はヘルシーだと思っているでしょう。
    知ってしまったらもうフルーツジュースやスポーツドリンクは飲めません。
    今はもっぱらお茶、コーヒー、炭酸水(無糖)等を飲んでいます。

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