インスリン抵抗性と女性特有のがんとの関連

がんは糖質過剰症候群です。糖質過剰摂取により、高インスリン血症やインスリン抵抗性が起こります。

肥満が個性だ、という最近の主張は非常に心配です。

今回の研究では、非糖尿病の人での、インスリン抵抗性と女性特有のがんとの関係を分析しています。121,230人の40歳以上の非糖尿病の女性を対象としています。(図は原文より、表は原文より改変)

上の図は閉経状態とインスリン感受性による乳がん、卵巣がん、子宮内膜がん、子宮頸がんの有病率です。閉経前および閉経後の乳がん、閉経後の卵巣がん、閉経前の子宮内膜がんのの有病率は、インスリン感受性の人よりもインスリン抵抗性の人で有意に高くなっていました。インスリン感受性の状態による子宮頸がんの有病率に有意差はありませんでした。

乳がん卵巣がん子宮内膜がん子宮頸がん
インスリン感受性インスリン抵抗性インスリン感受性インスリン抵抗性インスリン感受性インスリン抵抗性インスリン感受性インスリン抵抗性
全体オッズ比(95%CI)11.39(1.12-1.72)11.86(1.07-3.23)11.47(1.02-2.12)11.31(0.80-2.12)
閉経前オッズ比(95%CI)11.98(1.19-3.32)10.45(0.05-3.90)11.51(0.86-2.65)12.30(0.53-10.08)
閉経後オッズ比(95%CI)11.29(1.01-1.63)12.17(1.22-3.89)11.46(0.87-2.44)11.23(0.73-2.05)

上の表は閉経の状態によるインスリン抵抗性と女性のがんの可能性との関連です。乳がんでは閉経前と閉経後の両方でインスリン抵抗性ががんの可能性を高くしました。特に閉経前では2倍に近い状態です。卵巣がんでは閉経後に2倍以上、子宮内膜がんでは全体で1.47倍、がんになる可能性が高くなりました。

インスリン抵抗性と乳がんとの関連は、60歳未満の若い年齢で1.42倍、太りすぎまたは肥満で1.4倍、血糖値調節障害で1.5倍、がんの可能性が高くなりました。

肥満、特にお腹周りに脂肪の多い中心性肥満はほぼ確実にインスリン抵抗性が増加しています。がんになってからでは遅すぎます。もちろん、痩せている人でもインスリン抵抗性がある人はいます。

ほとんどの人が毎日のように糖質過剰摂取をしているでしょう。カロリーだけに目が行っている人は、スイーツなどを食べた分、通常の食事を減らしてしまう人もいるでしょう。スイーツに栄養はほとんどありません。痩せようと肉などを避けている人もいるでしょう。しかし、糖質がインスリン分泌を大きく増加させることを考えれば、糖質を制限するしか痩せる方法はありません。

若い女性などをターゲットに様々な糖質を含んだスイーツなどがマスコミで紹介され、様々な場所で販売されています。糖質がこれほどがんと関連していることはマスコミなどで知らされることはないでしょう。国もその事実に目を背けています。

自分で判断するしかありません。まずは糖質制限を。

 

「Association of insulin resistance with breast, ovarian, endometrial and cervical cancers in non-diabetic women」

「非糖尿病女性におけるインスリン抵抗性と乳がん、卵巣がん、子宮内膜がん、子宮頸がんとの関連」(原文はここ

2 thoughts on “インスリン抵抗性と女性特有のがんとの関連

  1. 健康意識が高いと思われる人でもカロリーと糖質の区別が曖昧だったり、
    思考停止的にコレステロールは動脈硬化の原因扱いだったり、
    あるいは少し太めの方が長生きという説を信望したりしています。

    自分の健康は自分で守るしかありませんね。

    1. 鈴木 武彦さん、コメントありがとうございます。

      一度刷り込まれた知識はなかなかアップデートが難しいですね。

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