最近、ロカボマークの商品が本当に増えましたね。一定の糖質制限にはなっているので、ロカボを完全に否定するつもりはありません。しかし、そのマークに書かれている言葉がおかしいと思います。「おいしく楽しく適正糖質」と書かれています。誰がいつの間に「適正」な糖質量を決めたのでしょうか?食・楽・健康協会が「1食で摂取する糖質量を20~40g」と勝手に提唱しているだけであり、一般の人はこのマークを見て、その商品の糖質量が適正な量なんだと勘違いしてしまいます。本当に健康な人であればこれでも良いかもしれません。しかし、多くの何らかの疾患を持った人や中年以降の人は、恐らくこの量の糖質を摂取したら大きな血糖値スパイクを招くでしょう。

ロカボは1食40gまでOKなので、実際の商品でも30gを超える糖質が入っている商品もあります。「適正」という言葉を使っていることで「安心」して、実際の糖質量も見ずに購入する人もいるでしょう。「適正」という言葉は「訂正」してほしいですね。

さて、以前の記事「またまた出てきた低炭水化物食でがんリスク増加という研究」で取り上げた研究に対する普通の医師の感想はどのようなものでしょうか?メディカルトリビューンというサイトにはこの研究を取り上げた記事が紹介され、それに対して何人もの様々な科の医師がコメントを書き込んでいます。

医師のコメントを読むとまだまだ糖質制限は浸透していないだけでなく、脂質などに対する洗脳にどっぷり浸かっているように見えます。

また、多くの医師が結果だけしか読んでおらず、論文の中身までちゃんと読んでいない状態で感想を述べていると思われます。このような医師はそのまま、今後も中身は読まず、結果だけが頭に残ってしまい、患者を誤誘導してしまうのでしょう。このようにして、先入観やイメージや間違った知識がどんどん上塗りされてしまいます。

いくつかコメントをご紹介しましょう。

(コメントはここを参照、コメントは一部改変)

因果関係は分からないですよね。でも、バランスよく食べるとか、動物性食品を食べ過ぎないとかを意識するきっかけになってよいと思う。」→バランス重視説、動物性食品不健康説が健在です。

低GIダイエットをする人に一読してもらったらどう?」→この研究は低GIダイエットとは全く関係していません。低GIダイエットというものがどういうものかも知らないようです。

何を食べたらいいのか分からなくなる。」→普通の医師は栄養の知識がありませんので、このような感想になります。一般の人となんら変わりありません。

万人の健康に良い食事法などないでしょう。特段悪いところがなければバランス良く、悪いところがあればそれに合わせた食事法を取るしかないでしょう。」→万人の健康に良い食事はないことは確かかもしれませんが、やはり「バランス」が大事だと思っているようです。しかしバランスってなんでしょうか?

炭水化物に比べて脂肪や食肉には様々な添加物があるため、その影響について検討すべきであろう。イメージとしては脂っこい肉ばっかり食べる人は健康的な生活を送っているとは考えにくく、がんや心血管系疾患が多くなることは容易に想像できる。」→炭水化物よりも脂肪や食肉の方が添加物が本当に多いのでしょうか?「脂っこいもの、肉=不健康」という考えを疑ってもおらず、安易に自分の持っているイメージだけで想像してしまっています。

がんと高血糖に関しては沢山データが出ております。…この論文どこまできちっと炭水化物を減らしているのか?又炭水化物を減らすと当然肉食が増えますがそれに伴ってLDLコレステロール値が増えてくることが影響しているのではないでしょうか?」→前半はがんと高血糖の関係を述べていますが、その後は「肉食=LDLコレステロール増加」となっています。LDLコレステロール悪玉説から抜け出ていません。また、この論文はどこまで炭水化物を減らしているか読めばわかりますが、読まずにコメントを述べています。

炭水化物=糖質+食物線維なので、低糖質ダイエット中の人には食物繊維を多く含む炭水化物を与えると良いと考えるべきなのでしょう。」→わかっているのか、わかっていないのか、わからないコメントです。

低糖と言いながら合成甘味料が使われている場合も多い。摂りすぎず、バランスよく、いろいろなものを、というのが一番正しいような気がする。」→またバランス。

昨今流行っていた糖質制限ダイエットがあった中、逆風となりそうな研究結果。」→流行っていた、と過去形ですが、糖質制限はずっと拡大し続けています。この論文が逆風になるのは、中身を読まずに間違った結果だけを読んで、その間違いを広める医師や栄養士やマスコミなどのせいでしょう。

原著は読んでおりませんが…」→中身を読まずにコメント。

炭水化物以外の、脂質やたんぱく質の摂取量を同じにしないのであれば、適切な比較対象実験ではないと思う。これだから栄養学関連の臨床試験は信用できない。」→これは正しいコメントです。ただ、食事で長期に介入して比較対象試験は絶対に無理です。

直感的には低炭水化物が悪いというより相対的に動物性脂肪やタンパク質が過多傾向になるのが悪いんじゃないかと思う。」→動物性脂肪、タンパク質悪玉説を根拠もなく信じているのでしょう。

どんなものでも適量摂取することが大切なように思います。」→適量ってどれくらい?それを示すためにこのような研究がいくつもあるのです。わかったようなことを言っていますが、これが一番わかっていないコメントではないかとも思います。

どうでしょうか?以前の記事「食事と健康の関係について普通の医師に聞いても無駄である」などで書いたように、普通の医師は栄養については無知なのがよくわかると思います。さらに驚くことに、この記事に対して、「いいね!」と同じ「参考になった」を押した医師は100人以上になっています。通常このサイトのほとんどの記事では「参考になった」を押すのは数人です。100人を超えるなんて非常に珍しいのです。つまり、安易にこのような記事の内容を信じてしまっている医師が非常に多いのです。彼らにとっては「低炭水化物食=糖質制限」であり、「低炭水化物食および糖質制限=がんのリスク増加」となってしまい、そのまま患者に伝えてしまうでしょう。

根拠も持たず、論文の中身も読まず、これまで得てきた知識に疑問も持たず、医師は患者に偉そうなことを言っています。一般の人となんら知識の程度は変わらないのに、医師というプライドだけで高圧的に栄養についてものを言う医師もいるでしょう。糖質制限をしている人の中には、普通の医師と栄養について話すことさえ躊躇したり、うんざりしたりしている人も多いでしょう。

しかし、このような普通の医師の言葉や、マスコミが連日伝えている内容で、多くの人はそれが正しいと思い込んでしまっています。患者に私が「糖質摂取量が多すぎる」ことを伝えても、多くの人はそれほど深刻に受け止めません。症状もデータの異常も表れているにも関わらず、食事を変えようとはしません。

自分の体は自分で守らなくてはなりません。ネットの記事を検索しても良いですが、某大手の検索サイトはキーワードによっては非常に偏った検索結果を出してきます。検索のトップページにあらわれる内容が正しい記事とは限りません。

新型コロナウイルスについてもそうですが、何が正しいのかわかりにくい時代になってしまいました。自分で考え、自分で選ぶしかありません。

がんは糖質過剰症候群です。私はそう考えています。

9 thoughts on “低炭水化物食でがんのリスク増加という研究の記事に対する医師のコメントは?”
  1. ダイエットやトレーニングに関する情報で目立つのが
    「最低限(?)糖質は摂らないと脳が働かなくなる」
    「糖質を摂らないと筋肉が削られる」などどいう理論です。

    自分で検証してから情報提供して欲しいものです、
    日ハム→巨人の中田選手のように、肥満と筋量アップがごちゃ混ぜになっている
    場合が多いです。

    1. 鈴木 武彦さん、コメントありがとうございます。

      中田選手、今年の活躍がある意味楽しみです。

  2. 私が昨年、健康診断を受けた時に問診してくれた若い女性の医師は、私が「この2年間かなりしっかり糖質制限しています」と言っても否定的なコメントは全くせず(褒めてもくれませんでしたけど)、LDLコレステロールが170超えでも何も言わず(中性脂肪、HDLコレステロールは完全に正常範囲です)、私の血圧を直接測って(その時は115/85)、「良い感じですね」と言ってくれましたが、この人は糖質制限推奨派の医師でしょうか?(笑)

    毎年3月に健康診断を受けていますので、今年ももうすぐです。体重は昨年の同時期より約4kg減っています。

    1. 大阪高橋さん、コメントありがとうございます。

      なかなか少数派の医師だと思います。通常はLDL170だと煽ってきますから。
      今年の健診も良い結果だと良いですね。

  3. 「適正」は人それぞれの基準があると思います。
    そのためにも、日々の健康管理が大切です。
    毎日、血糖値、血圧、心拍数、体温、体重を計測し、自分の体の状態を把握すること。
    私は血糖値については、他の指標(血圧や中性脂肪、体脂肪率など)との合せ技だと考えています。
    一律にHeA1cが何%以上なら危ないとか、空腹血糖値が何%なら危ないというものではないということです。
    とある医師が仰ってますが、他の指標に問題がなければ、HeA1cが7%未満であれば、まず合併症を起こすことはないそうです。
    もちろん、その逆もあるでしょう。
    そのためにも、日々の健康管理が大切です。

    1. マッスルTさん、コメントありがとうございます。

      私は血圧や心拍数などめったに測定しません。体温も何もない場合測定しません。
      体温はコロナのために測定せざるをえない状況もありますが、コロナ前では
      その前にいつ測定したか覚えていないくらいですね。
      血糖値はもちろん一つの指標です。いくつ以上になれば様々なリスクが上がってきますので、危ない値も存在すると思います。
      HbA1cは鋭敏な検査ではないので、それだけではわからないのは確かです。
      また、質の良いHbA1cと質の悪いHbA1cがあるので、7未満でも質が悪い場合は問題があると思っています。
      HbA1c7%というのは、糖質過剰摂取を勧める医師の都合の良い指標にすぎません。
      そもそも体に問題がなければ空腹時血糖もHbA1cも高くなりません。

      1. >そもそも体に問題がなければ空腹時血糖もHbA1cも高くなりません。

        この高いという基準になる値が人によって異なると私は考えています。
        空腹血糖値110、A1c7%でも問題ない人もいれば、空腹時90、A1c5%でも問題のある人もいる。
        健康は他の指標との合せ技で決まると思います。
        空腹血糖値やA1cが絶対的な指標にはなりえません。
        もっと言えば、唯一無二の指標はありません。

  4. 清水先生、いつもありがとうございます。

    現在は2ヶ月に1度、循環器科を受診していますが、糖尿病薬無しでも、血液検査で何一つ問題はありません。

    糖尿病の先生と食事の話しはややこしくなりますので受診は止めています。
    もっとも、循環器の先生(糖質制限には懐疑的です)は「めんどくさい患者だなぁ」と思ってらっしゃると思います。
    LDLは80以下を指示なさていますから、100以上あったら大変です。
    私の意見と云うよりは気持ちをお話して、薬は拒否しています。
    清水先生の「何を信じるかです。私の課題ではありません。」のお言葉を馴れ馴れしいですが、凄く気に入っていて、健康は自己責任だと思っています。

    現在、糖質制限(糖質20~30g/日)して日々快適な生活ですので、あの時(心筋梗塞)死ななくてよかったなぁとしみじみ思っています。
    「痛い、苦しい」と言っても他人は分かりませんが、糖質制限しての快適さも他人には分からないと思います。

    糖質制限しても、美味しい料理はたくさん食べられますし、糖尿病だからではなく、病気予防(特に認知症)と考え続けています。

    1. 太田さん、コメントありがとうございます。

      どうしてもLDLは悪玉のままでいてもらわないと仕事にならない医師はいますから。
      残念ながら医学は色々な力で歪められてしまっていますから、本当に自分で判断しなければなりません。

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