メタボリックシンドロームは冠動脈疾患のリスクを増加させると考えられています。当然です。メタボは糖質過剰症候群ですから。ご存じのようにメタボの診断基準は次のようです。

メタボリックシンドロームの診断基準
1. 腹囲 男性85cm以上、女性90以上
2. 中性脂肪値 150mg ⁄dl以上
HDLコレステロール値 40mg ⁄ dl未満
(いずれか、または両方)
3. 血圧 収縮期血圧(最高血圧) 130mmHg以上
拡張期血圧(最低血圧)  85mmHg以上
(いずれか、または両方)
4. 血糖値 空腹時血糖値 110mg ⁄ dl以上

ポイントはほとんど糖質過剰症候群であること、基準にLDLコレステロールが入っていないことですね。それだけ本当はLDLコレステロールは関係していないのです。

今回の研究は中国人の成人で、腹囲と中性脂肪値で冠動脈疾患のリスクを分析しました。

腹囲は内臓脂肪の蓄積を反映していると考えられています。男性85cm以上、女性90以上で、内臓脂肪面積は男女ともに100cm2以上に相当すると考えられています。

対象は女性の冠動脈疾患196人とコントロール392人、男性冠動脈疾患159人とコントロール305人です。(表は原文より改変)

オッズ比
女性
グループ1:WC<85cm / TG<133mg/dL1.0
グループ2:WC≥85cm / TG<133mg/dL1.99(0.71 – 5.55)
グループ3:WC<85cm/TG≥133mg/dL1.77(0.90 – 3.48)
グループ4:WC≥85cm/TG≥133mg/dL3.71(1.60 – 8.59)
男性
グループ1:WC<90cm /TG<177mg/dL1.0(参考)
グループ2:WC≥90cm /TG<177mg/dL2.43(0.89 – 6.64)
グループ3:WC<90cm/TG≥177mg/dL2.21(0.96 – 5.08)
グループ4:WC≥90cm/TG≥177mg/dL4.48(1.60 – 12.6)

上の表は腹囲(WC)と中性脂肪値(TG)による冠動脈疾患の可能性です。なぜか男性と女性の腹囲の基準がひっくり返っていますが、仕方がありません。女性でWC85cm以上かつ中性脂肪133mg/dL以上だと冠動脈疾患の可能性は3.71倍であり、男性ではWC90cm以上かつ中性脂肪177mg/dL以上だと冠動脈疾患の可能性は4.48倍でした。

冠動脈疾患の男女の平均BMIは男性で24.8、女性で25.6でした。肥満の範疇に入っていませんが、やはり内臓脂肪、中性脂肪はかなりリスクが高いと考えられます。

内臓脂肪は糖質、特に果糖で増加します。中性脂肪も当然糖質で増加します。

冠動脈疾患の予防にもはやり糖質制限ですね。

 

「Visceral adiposity and risk of coronary heart disease in relatively lean Chinese adults」

「比較的痩せた中国人成人における内臓脂肪症と冠状動脈性心臓病のリスク」(原文はここ

4 thoughts on “内臓脂肪と中性脂肪と冠動脈疾患のリスク”
  1. LDLコレステロール、悪玉レッテル貼られて、かわいそうですね。
    (勿論悪玉的な物もあるということですが、メタボ基準で無視されてもいるのですね)

    1. 鈴木 武彦さん、コメントありがとうございます。

      メタボの基準にも入っていないLDLにどうしてここまで執着するのか?言わずもがなですね。

  2. LDLコレステロールがメタボ基準に入っていないことを今知りました!

    今年度の健康診断で前年度LDLが441→323に下がっていました。
    中性脂肪は74→51に下がりました!
    HDLが64→62で下がってしまったのが残念でした…
    運動ですね…はい…
    ついでに尿酸値は6.2→5.4に下がりました。
    勝手に報告させていただきました 笑

    1. ミホさん、コメントありがとうございます。

      かなり大きな変化ですね。人体って面白いですね。
      HDLは誤差範囲ですね。

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