日本人でも脂肪肝、アルコールを飲まない人の非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)は増加していると思います。患者さんに「脂肪肝ですね」というと、多くの人は恥ずかしいのか、深刻に思っていないのか苦笑いします。

ある脂肪肝の患者さんに脂肪肝であることを伝えると、「内科の先生にも言われました」と言ったので、「その先生にどのようにするように言われましたか?」と尋ねました。そうしたら「痩せなさいと言われました」との答え。しかし、具体的にどうやって痩せるかは教えてもらえなかったようです。食事に関するアドバイスさえなかったようです。

通常の内科医を含めた医師は、恐らく食べる量を減らして、運動すれば痩せると思っています。自分で試してみれば効果がないことはわかるのに、その経験さえもないことを、テレビレベルの話を平気で患者さんに伝えるでしょう。

アメリカ心臓協会(AHA)は4月に非アルコール性脂肪肝疾患についての科学的声明を出しました。その中で、「食事の変更」の部分を見てみましょう。

Dietary Modification

Beyond the benefit attributable to significant weight loss in ameliorating NASH (ie, ≥10% body weight reduction), some specific dietary recommendations may exert independent effects in reducing NASH beyond weight loss. Hypocaloric diets, whether low carbohydrate or low fat, reduce intrahepatocellular lipid content, although the former results in faster (eg, within 2 days) and more pronounced effects even in an isocaloric context. Restriction of high-fructose corn syrup intake to <20 g/d has been shown to improve NASH even in the absence of weight loss. Sucrose-sweetened beverages are a significant source of fructose intake for many individuals. Consumption of a Mediterranean-like diet with a pattern of dietary consumption limited to 8 to 12 hours during the day and restriction of food before bedtime may be most advantageous in formulating dietary recommendations for NASH. Mediterranean-style dietary habits have been shown to reduce hepatic fat and to improve insulin sensitivity independently of exercise and weight loss.This is a particularly important consideration given the difficulty that many patients have achieving sustainable weight loss. Currently, the Mediterranean diet is the only specific dietary pattern recommended by the European Association for the Study of the Liver/European Association for the Study of Diabetes/European Association for the Study of Obesity clinical practice guidelines for the treatment of NAFLD and NASH. Fructose intake should be minimized because it aggravates weight gain, stimulates intrahepatic triglyceride accumulation, and has been associated with worsening fibrosis and progression to NASH among patients with NAFLD. Restriction of dietary fat intake may lower plasma triglyceride levels, particularly when the triglyceride concentration is severely elevated >800 to 1000 mg/dL, but increased carbohydrate intake may increase triglyceride levels in some individuals with triglycerides in the range of 500 to 1000 mg/dL. Consultation with a dietitian can be invaluable to educate patients and to facilitate optimization of dietary habits.

最近のアメリカの学会は、頭の固い日本と違い、完全に糖質制限を容認し、推奨する方向になっています。(「アメリカ心臓協会はさらに糖質制限を推奨する方向へ」「アメリカ心臓病学会は中性脂肪を減らすためのライフスタイル介入として糖質制限を提唱」など参照)今回の食事の変更にもそれが表れています。冒頭で、

非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の改善における大幅な体重減少(10%以上の体重減少)の利点を超えて、いくつかの特定の食事療法の推奨事項は、NASHを減少させるのに独立した効果を発揮する可能性があります。

と書かれ、さらに、

低カロリー食は、低炭水化物食であろうと低脂肪食であろうと、肝細胞内脂質含有量を減少させますが、前者(低炭水化物食)は等カロリーでもより早く(例えば、2日以内に)そしてより顕著な効果をもたらします。

低カロリー食は効果があるけど、低炭水化物食はカロリーを低下させなくても顕著な効果がある、と書かれています。

高果糖コーンシロップの摂取量を20g/d未満に制限すると、減量がなくてもNASHが改善されることが示されています。ショ糖で甘くした飲料は、多くの人にとって重要な果糖摂取源です。

果糖が悪いことがしっかりと書かれています。

日中の食事のパターンが8〜12時間に制限されている地中海のような食事の消費と、就寝前の食事の制限は、NASHの食事の推奨事項を策定する上で最も有利である可能性があります。地中海スタイルの食生活は、運動や体重減少とは無関係に、肝臓の脂肪を減らし、インスリン感受性を改善することが示されています。これは、多くの患者が持続可能な体重減少を達成するのが難しいことを考えると、特に重要な考慮事項です。

地中海食推しは相変わらずですが、インターミッテントファスティングの考えも取り入れられています。1日3食を否定的に書いているようにも思えます。1日3回食事は必要ありませんからね。また、食生活の変更は、運動や体重減少とは関係なく、脂肪肝を減らしインスリン感受性を改善することも書いてあります。脂肪肝には薬が必要ないことは明白ですね。

糖質制限では持続可能な体重減少が難しいとは思えませんが、それはエネルギー制限を行っている場合と思います。また、自ら行うのではなく、医師や栄養士に「やらされている」食事変更は持続可能ではないのかもしれません。

果糖の摂取は、体重増加を悪化させ、肝内中性脂肪の蓄積を刺激し、NAFLD患者の線維症の悪化とNASHへの進行に関連しているため、最小限に抑える必要があります。

果糖の摂取は最小限!ほとんどの日本の医師が言わない言葉ですね。

食事の脂質摂取の制限は、特に中性脂肪値が800〜1000mg/dLを超えて大幅に上昇している場合、中性脂肪値を低下させる可能性がありますが、炭水化物摂取量の増加は、500〜1000mg/dLの範囲の中性脂肪値を持つ一部の人の中性脂肪値を増加させる可能性があります。

中性脂肪が800〜1000mg/dLを超えるような人では脂質制限が必要であるが、500〜1000mg/dLの程度の範囲であれば、糖質制限が必要であるような記述にも思えますね。

栄養士との相談は、患者を教育し、食生活の最適化を促進するために非常に貴重な場合があります。

最後の文章は、日本では無理でしょう。まずは栄養士を教育することが必要です。

いずれにしても、糖質過剰症候群は糖質制限でしか改善しません。その当たり前のことがようやく欧米の学会が認めざるを得ない状況になってきたのでしょう。新型コロナウイルスに対しての対応も日本では非常に遅れて、まだまだ様々な規制が撤廃されませんが、糖質制限についても同じなのでしょう。おいしい思いをしている専門家が、なかなか既得権益を手放さないのでしょう。不利益を被るのは日本の国民です。

製薬会社にとっては日本人、日本の専門家はちょろいのでしょうね。お金を渡せば、どんどん宣伝してくれるし、どんどんワクチンも接種するように勧めてくれるし、高い薬もバンバン使ってくれるし。税金がいくらあっても足りはしませんし、今の若い世代や子供たちの借金をどんどん増やして平気な顔をしている人もいるのでしょう。

医療に頼らないように、まずは食事を変更しましょう。糖質制限をしましょう。

 

「Nonalcoholic Fatty Liver Disease and Cardiovascular Risk: A Scientific Statement From the American Heart Association」

「非アルコール性脂肪肝疾患と心臓血管リスク:アメリカ心臓協会からの科学的声明」(原文はここ

2 thoughts on “アメリカ心臓協会が出した非アルコール性脂肪肝疾患についての声明で糖質制限を推奨”
  1. 「医療に頼らないように、まずは食事を変更しましょう。糖質制限をしましょう。」

    長年糖質制限継続していると、糖質過剰摂取・1日3食バランス良く食べている
    (大多数の)人が、自らハンデを背負って生活しているように感じられてきます。

    糖質過剰摂取生活には怖くて戻れません。

    1. 鈴木 武彦さん、コメントありがとうございます。

      医師や栄養士が1日3食バランスの良い食事を推奨しているので、
      多くの人はハンディを背負っていると思っていません。
      病気になるのは運、加齢としか思っていないかもしれません。

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