本当に心血管疾患がLDLコレステロールが原因であり、冠動脈のプラークがLDLコレステロールが高いほどできるのでしょうか?
今回の研究では、2007年7月から2017年12月までの間にサウジアラビアの心臓センターに受診し、冠動脈CT血管造影を受けた既知の冠動脈疾患のない2421人の患者(男性1498人、女性923人)が対象です。冠動脈のプラークの有病率は36.6% で、女性よりも男性の方が高く41.3%対28.9%でした。全プラークの約78.9%が石灰化していました。石灰化プラークの有病率は28.9%で、女性よりも男性の方が高く33.0%対22.1%、石灰化していないソフトプラークの有病率は7.7%で、これも女性よりも男性の方が高く8.3%対6.8%でした。(表は原文より改変)
プラークなし | ソフトプラーク | 石灰化プラーク | 合計 | |
---|---|---|---|---|
男性 | ||||
総コレステロール | 4.81±1.06 | 4.76±1.27 | 4.58±1.23 | 4.73±1.14 |
LDLコレステロール | 3.01±0.89 | 2.86±1.04 | 2.77±1.04 | 2.92±0.96 |
HDLコレステロール | 1.15±0.31 | 1.01±0.28 | 1.10±0.30 | 1.12±0.30 |
中性脂肪 | 1.65±1.03 | 2.12±1.86 | 1.73±1.11 | 1.72±1.16 |
女性 | ||||
総コレステロール | 4.81±1.13 | 4.75±1.28 | 4.75±1.08 | 4.79±1.13 |
LDLコレステロール | 2.90±0.96 | 2.83±0.97 | 2.76±0.90 | 2.86±0.95 |
HDLコレステロール | 1.33±0.40 | 1.23±0.41 | 1.33±0.40 | 1.32±0.40 |
中性脂肪 | 1.46±0.87 | 1.73±1.57 | 1.65±1.01 | 1.52±0.97 |
合計 | ||||
総コレステロール | 4.81±1.09 | 4.76±1.27 | 4.63±1.19 | 4.75±1.14 |
LDLコレステロール | 2.96±0.92 | 2.85±1.01 | 2.76±1.00 | 2.90±0.96 |
HDLコレステロール | 1.22±0.36 | 1.09±0.34 | 1.17±0.35 | 1.20±0.36 |
中性脂肪 | 1.57±0.97 | 1.99±1.77 | 1.70±1.08 | 1.64±1.09 |
上の図はプラークなし、ソフトプラークあり、石灰化プラークありのそれぞれの血中の脂質の状態です。単位はmmol/Lなので、コレステロール値には38.7、中性脂肪には88.57をかけると日本の単位になります。全体ではLDLコレステロールは2.90mmol/L(112mg/dL)ですから、決して高い数値ではありませんね。男性のLDLコレステロールを見てみると、プラークなしの群で3.01mmol/L(116mg/dL)で、ソフトプラーク群で111mg/dL、石灰化プラーク群で107mg/dLでした。いやいや、プラークなしの方がLDLコレステロールが高いではないですか。HDLコレステロールと中性脂肪を見ると、予想通りプラークなしの群が最もHDLが高く、中性脂肪が低くなっています。
女性でもLDLはプラークなし群が最も高い傾向でしたし、中性脂肪は最も低くなっていました。
もちろんLDLコレステロールにどの群も大きな差はありませんが、石灰化プラークは、総コレステロールおよび LDLコレステロールの低下と有意に関連していました。ソフトプラークおよび石灰化プラークは、より高い中性脂肪およびより低いHDLコレステロールと有意に関連していました。
これではLDLの立場がありません。心血管疾患、冠動脈疾患のプラークはLDLコレステロールの独壇場だったはずです。しかし、結果は逆です。そして高中性脂肪と低HDLと言えば糖質過剰摂取によるインスリン抵抗性です。アテローム性動脈硬化症は糖質過剰症候群です。
またLDLコレステロールを下げる理由がなくなりました。
「Association of blood lipids with coronary artery plaque among Saudi patients referred to computed tomography」
「コンピューター断層撮影法で確認されたサウジアラビアの患者における血中脂質と冠動脈プラークの関連性」(原文はここ)
「冠動脈のプラークは低LDLコレステロールと関連している」
スタチン信奉のDr.などからしたら、
きっと意味不明、「トンデモ」な
題名でしょうか。
心疾患を25年ほど患っており、ステント8回、バイパス1回の患者です。
スタチンなど10種以上の高脂血症剤、降圧剤、血液サラサラ剤を服用しつづけ、LDLも100を切っているのに、冠動脈プラークが減らず数年おきにステント術の繰り返し。
疑問をいだき、「スタチンをEPA製剤にかえたい」と主治医に相談したとたん、激怒されました。
内科医、外科医、クリニックと3人の主治医がいますが、3人ともに激怒。
「そのように医師の判断を否定するような患者は、生きる意思がないのだと判断します。こちらもそのように対応するしかないでしょう」
こんなにと。つまり死んでも当然、のように言われました。
相談しただけでなぜそんなに激怒するのでしょうか?
「なぜやめたいの?」などと聞くことは一切なく、いきなり激怒されました。
suzukaさん、コメントありがとうございます。
スタチンは冠動脈の石灰化を促進してしまいますしね。
糖質制限をしていてもそのようになったのでしょうか?
だいたいスタチンを信じている医師は、やめると聞けば怒りますよね。
なぜでしょう?健康に関する決定をする権利は本人にあるはずですが。
Dr.シミズさま
ありがとうございます。
スタチンは冠動脈の石灰化を促進するのですね、そんな薬を飲んでいたと思うと恐ろしいです。
糖質制限はあまりできてなかったと反省しております。玄米食などにし炭水化物の摂取を控えるようにしていましたが、その反動で菓子パンなどのスイーツがやめられずにいました。
今年4月のステント術のあとは、改心し、おやつをやめました。
これにより、HbA1cの値も6.3程度になりました。
これを頑張って続けていきたいと思っております。
suzukaさん、コメントありがとうございます。
玄米を食べているのであれば糖質制限ではないですね。
おやつだけでなく、糖質を止めないと次の症状が出てきてしまうかもしれません。
スタチンも恐ろしいですが、糖質の方がもっと恐ろしいですよ。
スタチンと石灰化のことはいつか記事にしたいと思います。
ご警告ありがとうございます。
玄米も炭水化物にほかならないですものね。了解いたしました。
炭水化物を控えるようにし(全体の20%ほど)、おやつをやめてから半年ほどで体重が5キロ強落ちまして、体力も落ちたように感じています。
これ以上、炭水化物を減らしてもよいものか、判断しかねておりますが・・・。
今日は。私も循環器内科にかかったことが有りましたが、糖質制限をしていると言ったら良くないと言われました。食事を替えるよう言われ断ったら、摂食障害と……専門医ほど反応は強烈かもしれませんね。
ミンミンさん、コメントありがとうございます。
顧客を失う恐怖の方が勝るんでしょうね
ミンミンさん、はじめまして。
そのエピソードも酷いですね。本当に病院で寿命を縮めているのかもしれませんね。