あけましておめでとうございます 血栓症と高血糖および糖尿病 その1

新年あけましておめでとうございます。2023年は果たして世の中が正常に戻るのでしょうか?

昨日の箱根駅伝、応援していた駒澤大学の優勝素晴らしかったですね。

シューズもナイキ一強時代から、少しずつ他のメーカーが戻してきていますね。(ここ参照)21年にはナイキの占有率は95.7%でしたが、今回は61.9%まで下がっています。アディダスが19.0%、アシックスが14.2%。区間賞を獲得した12選手の内訳はナイキ8、アディダス2、アシックス2だったそうです。ほぼ占有率通りですね。ということは各メーカーの性能の差はほとんど無いと考えて良さそうです。私は今年は何を履こうかな?

さて、お正月といえばお雑煮やおせちですが、どちらもかなり糖質が多そうですね。日本の文化とはいえ、やはり健康には良くないですね。

さて、血糖値が高くなることは様々な有害な作用があります。その最も有害な状態の一つとして考えられるのは、血栓症でしょう。血管が詰まってしまうのですから単純に考えても恐ろしいと思います。餅を食べると餅がのどに詰まらなくても、血管が詰まってしまうかもしれません。

糖尿病として捕まえられていないような、一過性の高血糖でも十分に危険です。一過性の高血糖は通常、一過性の高インスリン血症を伴います。以前の記事「高血糖は凝固を促進し、高インスリン血症は線溶を阻害する」にも書いたように、急性高血糖はインスリンレベルとは無関係に凝固を活性化するのに対し、高インスリン血症は血糖値レベルに関係なく線溶を阻害します。(図は原文より)

上の図は186人の非糖尿病患者の空腹時血清AGE(終末糖化産物)レベルのデータと血栓形成に大きくかかわるPAI-1とフィブリノゲンの関係を示しています。PAI-1やフィブリノゲンが高いほどAGEsは高くなっているのがわかります。つまり、糖質過剰摂取で起きる高血糖により産生されるAGEsは血栓形成と関係しているのがわかります。もちろんAGEsそのものが血栓を促進しているかどうかはわかりませんが、高血糖だけでなくAGEsは血管の内皮機能障害を起こす可能性があります。例えばグリコカリックスの減少を引き起こします。グリコカリックスは血管壁を覆い、血管壁を保護しているので、その減少は血管内皮の脆弱性に直接影響を与えるでしょう。これにより、血小板の内皮細胞の接着およびグリコカリックス内に含まれる凝固因子の放出が促進されると考えられます。(「糖尿病とグリコカリックス」「糖質過剰摂取とグリコカリックス」など参照)

さらに、高血糖による糖化の増加は凝固および線溶に関与するタンパク質にも起こる可能性があります。そうするとこれらの機能は障害されてしまいます。複数の複雑な経路が高血糖による凝固亢進に関与している可能性が高く、その影響は高インスリン血症と組み合わせるとより深刻になると考えられています。そこに鉄が加わるともっと大変なことになるかもしれません。(「赤血球の形状の変化と病気 その3」など参照)

明らかな糖尿病患者だけでなく、高インスリン血症を起こす食事をしている非糖尿病の人においても、高血糖およびインスリン抵抗性の増加(インスリン感受性の低下)は非常にリスクの高い状態です。

血栓は様々な病気や症状と関連しています。以前の新型コロナウイルスの致命的な症状でも血栓が強くかかわっていました。

血流は非常に重要です。大災害などで道路やライフライン、情報網が全て寸断されたら、命の危険があります。現実の世界では空から物資を届けたり、また空路で避難が可能ですが、人間の体の中ではそれはできません。血流が途絶えれば、その先の組織、細胞は死に絶えてしまいます。血栓が詰まって、完全に血流が途絶しないまでも、血流が悪くなれば、様々な有害なことが起きても不思議ではありません。

今年ももちろん糖質制限ですね。今年もできる限り有益な情報を記事にしたいと思います。

今年もよろしくお願いいたします。

 

「Positive association of serum levels of advanced glycation end products with thrombogenic markers in humans」

「ヒトにおける終末糖化産物の血清レベルと血栓形成マーカーとの正の関連性」(原文はここ

4 thoughts on “あけましておめでとうございます 血栓症と高血糖および糖尿病 その1

  1. 明けましておめでとうございます。
    今年も楽しみに、ブログ拝読致します。
    私は気持ちだけでも速くなりたいので、
    最近はNIKEでrunningしてます。

    一過性でも、高血糖は怖いのですね。
    油断なく(油断しても自然に
    糖質制限となる程までに)
    自分のために「精進」します。

    1. 鈴木武彦さん、今年もよろしくお願いいたします。

      私は自分の体、脚にどのシューズが良いのかまだわかっていません。
      それに毎年新しくなってしまいますから、迷います。

  2. 清水先生、新年明けましておめでとうございます。

    糖質制限を知るまでは、おせち料理を含め、和食は健康に良いと思っていました。
    しかし、今となっては、おせち料理は糖質まみれで、とても健康によいとは思えないです。

    私もジョギングをしています。でも、シューズには無頓着でした。ちょっと考えてみようと思います。

    今年も先生のブログで勉強させていただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

    1. じょんさん、今年もよろしくお願いいたします。

      日本の食文化は糖質だらけです。まあ正月くらい良いかとは思いますが、
      ほどほどにしたいですね。

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