うつ病とメタボ

以前の記事「インスリン抵抗性とうつ病との関連」で書いたように、うつ病はインスリン抵抗性と大きく関連し、精神疾患というよりも代謝疾患でしょう。食事の間違いにより、代謝に問題が起こり、脳の炎症を来たして起きていると考えられます。(「うつ病の大きな原因のひとつは炎症である」参照)セロトニン仮説はウソでしょう。(「うつ病のセロトニン仮説は根拠なし」参照)

今回の研究ではうつ病とメタボリックシンドロームとの関連を分析しています。平均年齢が49.15歳の11,956人が対象です。このうち、1,003人(8.4%)がうつ病を患っており、男性は369人(6.3%)、女性は634人(10.5%)でした。

Patient Health Questionnaire-9 (PHQ-9) スコアを利用してうつ病の症状を評価しました。合計スコア10 以上がうつ病です。

メタボは次の状態のうち少なくとも 3 つを有するものと定義されました。 (1) 腹部肥満。腹囲が男性102cm以上、女性88cm以上。(2) 高血圧。収縮期血圧130mmHg以上または拡張期血圧85mmHg以上、または薬物療法。(3) 高中性脂肪血症。中性脂肪150mg/dL以上であるか、フィブラート系薬剤が使用されて。(4) 低HDLコレステロール。男性40mg/dL未満、女性50mg/dL未満、または最近脂質低下薬を使用したことがある。(5) 高血糖。空腹時血糖値100mg/dL以上、または現在インスリンまたは経口血糖降下薬を使用している。(図は原文より)

上の図のように、うつ病の発生の可能性はメタボでは1.40倍でした。さらに、メタボ因子の数が多いほどうつ病のリスクがより高くなり、5つ全部がそろうと2.11倍でした。

上の図はPHQ-9スコアとメタボ因子の数との関連です。メタボ因子が増加するほど、PHQ-9の平均スコアの有意に直線的上昇を認めました。

様々な精神疾患、神経疾患が代謝異常と関連しています。食事を改善せずに健康を取り戻すことは難しいでしょう。

まずは糖質制限です。

「Association of metabolic syndrome with depression in US adults: A nationwide cross-sectional study using propensity score-based analysis」

「アメリカ成人におけるメタボリックシンドロームとうつ病の関連性:傾向スコアに基づく分析を使用した全国横断研究」(原文はここ

One thought on “うつ病とメタボ

  1. 鬱病も最近ではカジュアルな
    印象です。

    誤った治療でこじらせている
    場合も多そうですね。
    (医療にとっては都合が良い病気
    なのかもしれませんが)

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