5つの修正可能な危険因⼦は、⼼⾎管疾患と全ての原因による死亡に関連しているそうです。その5つの危険因子とはBMI、収縮期血圧、非HDLコレステロール、現在の喫煙、糖尿病だそうです。非HDLコレステロールって修正可能でしょうか?スタチンで、という意味でしょうか?
今回の研究では、34か国と8つの地域で実施された112件のコホート研究からのデータにより、その5つの危険因子と10年間の心血管疾患の発症率および全死因死亡率について分析しました。
年齢中央値54.4歳で対象は1,518,028人(うち54.1%が女性)です。追跡期間中央値7.3年(最大47.3年)中に80596人に心血管疾患が発生し、追跡期間中央値8.7年(最大47.6年)中に177,369人の参加者が死亡しました。(図は原文より)
上の図はBMI、収縮期血圧、非HDLコレステロールと心血管疾患発症率、全原因死亡率との関連です。心血管疾患発生率ではどの因子も増加するほどリスクは増加しています。女性(赤)の方が少しリスクが少ないでしょうかね。全原因死亡はBMIではBMI25前後が最もリスクが低いですね。逆にBMIが低過ぎの方がリスクが高くなっています。糖質過剰摂取なのにBMIが非常に低いのはビーガンなど栄養が足りていない可能性もありますからね。収縮期血圧は120mmHg程度よりも高くなると、死亡リスクは高くなるようです。ん-…
非HDLコレステロールは100mg/dLちょい以上でリスクが低下しています。つまり、高い方が低いよりも死亡リスクは低下するようです。これはLDLコレステロールが高い方が死亡リスクが低くなるというこれまでの他の研究との結果と一致しています。
上の図は横軸が年齢で、左からBMIが5上昇につき、収縮期血圧が20上昇につき、非HDLコレステロールが38.67増加につき、現在の喫煙、糖尿病のそれぞれの心血管疾患発症と全原因死亡のリスクです。BMIはあまりリスク増加と関連していません。高血圧は年齢と共にリスクが低下しています。つまり、若い頃の高血圧は良くないけど、高齢者は血圧の下げ過ぎの方が問題かもしれません。非HDLコレステロール上昇は全原因死亡のリスク増加とは全く関連していません。心血管疾患発症にも年齢と共にリスクが低下しています。高齢者でスタチンを飲む意味はほとんどないでしょう。
喫煙はリスク増加と大きく関連しています。しかし、最もリスク増加と関連しているのは糖尿病です。心血管疾患発症と全原因死亡どちらも糖尿病のリスク増加は圧倒的ですね。
上の図Aは5つの危険因子すべてを合わせたときの心血管疾患発症や全原因死亡にどれだけ寄与するかの割合です。5つの危険因子は女性57.2%と男性52.6%の心血管疾患発症と、女性22.2%と男性19.1%の全原因死亡に関連していると考えられます。Bは地域別の違いですが、アジアは全原因死亡に関連している割合が非常に高く、女性で34.3%、男性で43.2%です。
喫煙と非HDLコレステロール以外は糖質過剰摂取で起こります。非HDLコレステロールはほとんど関連がないばかりか、逆に高い方が死亡率が低下するので、あまり考えなくて良いですね。つまり、気にしなければならないのは喫煙しないことと糖質をできる限り摂らないことですね。
心血管疾患も糖質過剰症候群です。まずは糖質制限をしましょう。
「Global Effect of Modifiable Risk Factors on Cardiovascular Disease and Mortality」
「心血管疾患と死亡率に対する修正可能な危険因子の全体的な影響」(原文はここ)