2型糖尿病の体重減少に対する時間制限食の影響

1日3食しっかり食べることが健康的だと考える人がいます。マスコミの言うことを鵜呑みなのでしょう。一方で時間制限食というものが健康に好影響を与えることが様々な研究で示されています。

時間制限食は1日の中で8時間とか、6時間など短い時間だけ食事をするので、通常朝食なしのことが多いです。朝食を抜くことが有害なのであれば、時間制限食も有害だということになります。

今回の研究では6か月間、2型糖尿病の人にカロリー計算のない8時間(12時から夜8時までの食事)時間制限食とカロリー制限食でどうなるかを調べています。対象は平均年齢55歳で、平均BMIが39(平均体重は100kgを超えています)、HbA1cは8.1の2型糖尿病75人です。(図は原文より)

まずはベースラインと6か月後のエネルギー摂取量、栄養素の割合を示していますが、ベースラインのエネルギー摂取があまりにも低いですね。時間制限食群でも1978kcal、カロリー制限群では1707kcal、コントロールも1834kcalです。100kgを超える人達がこんな少ないエネルギー摂取量とは思えません。過少申告ですね。食事のデータは質が低いです。まあこのまま見ていきましょう。

エネルギー摂取量の平均減少は、時間制限食群で -313kcal/日、カロリー制限群で -197kcal/日、対照で -16kcal/日でした。この数値もデータの質が低いので本当にこれだけ減ったのかはよくわかりません。しかし結果を見てみましょう。

上の図は6か月間の結果です。体重は時間制限食ベースラインよりも4%以上減少しています。カロリー制限は2%ちょいの減少です。対照と比較すると、時間制限食では-3.56%の減少です。しかしカロリー制限食では-1.78%の減少ですが有意な差ではありませんでした。

対照と比較して、平均HbA1cは時間制限食群-0.91%減、カロリー制限食群-0.94% 減でした。平均血糖値も対照と比較して時間制限食群で-42.53mg/dLカロリー制限群で-48.55mg/dL低下しました。

その他の項目も見てみましょう。コントロールと比較して、脂肪量は時間制限食で-2.49kg有意に減少しましたが、カロリー制限では-1.65kg減で有意ではありませんでした。

BMIもコントロールと比較して、時間制限食では-1.41有意に減少し、カロリー制限では-0.52で有意ではありませんでした。

対照との比較ではありませんが、HDLコレステロールは時間制限食で3.2mg/dL増加し、中性脂肪は-15.43mg/dL減少傾向を示しています。わずかにインスリン抵抗性が低下した感じですね。

時間制限食はカロリー計算を行っておらず、時間内であれば自由に食事ができます。たったこれだけで体重やHbA1cなどが程度は少ないですが改善します。

食事の回数を少なくすること、食べている時間を短くして空腹時間を長くすることが如何に重要かがわかります。つまり、朝食なんて必要ないばかりか、健康の悪化因子とさえいえると思います。

時間制限食に糖質制限まですれば、糖尿病は急速に改善するでしょう。

食品産業は朝食を抜かれてしまったら困ります。あの手この手を使って朝食を止めないように洗脳します。

健康のためにまずは食事回数を減らしてみましょう。

 

「Effect of Time-Restricted Eating on Weight Loss in Adults With Type 2 Diabetes: A Randomized Clinical Trial」

「2型糖尿病成人の体重減少に対する時間制限食の影響:ランダム化臨床試験」(原文はここ

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