マウスウォッシュは止めよう その3 がん

その1」「その2」ではマウスウォッシュと高血圧、糖尿病との関連について書きました。今回はがんとの関連です。

ある研究では、マウスウォッシュの使用に関する比較可能な情報を持つ12件の症例対照研究から、頭頸部がんの症例8,981件と対照10,090件を解析しました。(この論文参照)

定期的なマウスウォッシュの使用による頭頸部がんの可能性は1.02と関連は認められませんでした。しかし、使用期間が36年以上と長いと1.15倍、使用頻度が1日1回以上だと未使用と比較して1.31倍でした。

他の研究では、口腔、中咽頭、下咽頭、喉頭、または食道(上部気道消化管)のがんを発症した患者1963人と対照群1993人を分析しました。(ここ参照)

マウスウォッシュの頻繁な使用(1日3回以上)の上部気道消化管のがんの可能性はは3.23倍で、部位別では口腔がん3.53倍、咽頭がん3.50倍でした。

別の研究で、ラテンアメリカのデータでは、1日2回以上のマウスウォッシュは口腔がんの可能性が5.86倍、咽頭がんが2.92倍でした。(ここ参照)

マウスウォッシュの使用と頭頚部のがんとの関連性は、マウスウォッシュに含まれるアルコールで説明できるかもしれません。(ここ参照)アルコール濃度が20%以上の場合、顕著な細胞毒性が認められているようです。20時間後でも口腔粘膜細胞に顕著な細胞毒性を引き起こすようです。アルコールの代謝産物であるアセトアルデヒドは発がん性物質です。毎日頻繁に晒されてしまえば、がんのリスクが高くなる可能性はあるでしょう。

アルコール以外でも、クロルヘキシジンやイソジンなどの消毒作用がある物質を含むものは、歯肉線維芽細胞の増殖阻害を引き起こすような、細胞毒性があることが実験的にわかっています。(ここ参照)かなり低濃度でも細胞毒性があります。口の中の有害な細菌だけに選択的に有効なマウスウォッシュは存在しません。有益な細菌も殺してしまいますし、人間の細胞にも悪影響を及ぼす可能性も高いでしょう。

殺菌成分配合などの文字は、当然消毒薬が含まれているということです。歯磨きも同様でしょう。必要のない消毒は有害です。企業の宣伝文句に騙されないようにしましょう。

2 thoughts on “マウスウォッシュは止めよう その3 がん

  1. 食品にしても、石鹸や歯磨きなどの
    日用品にしても、
    消費者の健康よりなにより
    売り上げが最優先なのでしょうか?

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