ウルトラマラソンと血液検査2024

人間の体って本当に不思議ですよね。今回のサロマ湖のウルトラマラソンの前、練習を結構積んだのですが、最初に右のハムストリングスが少し痛くなり、その後もずっと軽い痛みが走るたびに出る感じでした。また、左足のかかとは結構痛みがあり、毎回ランニング後シップを貼って誤魔化していました。それ以外にも腰痛、右の鵞足にも時々痛みがありました。基本的には走って悪化しなければそのまま走っています。

これらの痛みが本当であれば、100kmを走れば相当なダメージで、レース中に痛みが悪化したり、レース後にかなりつらい痛みになるはずです。しかし、レースが終わると筋肉痛のみで、レース前に痛かった部位の痛みは全くありません。脳が痛みを出して、練習量をセーブしていたのかもしれません。

私はぎっくり腰を何度も起こしています。フルマラソンの前日にも2回ぎっくり腰を起こし、レース会場まで移動が大変でした。しかし、レース完走後ぎっくり腰は治っていました。

富士山の登頂の数日前にもぎっくり腰を起こし、重い荷物が大変でしたが、登頂して下山すると、ぎっくり腰は治っていました。本当に不思議です。

多くの痛みにはメンタルが大きく関係しているのでしょう。プロのアスリートではないので、故障しても自分が困るだけで、失うものはありません。レース中もどこかが痛くなると、気のせいだと思うようにしています。

さて、毎回ウルトラマラソンの前後では血液検査を行っています。レース前後の検査データの傾向はいつもと変わっていません。しかし、筋肉が壊れたときに上昇するCPKだけは最高値をたたき出してしまいました。(古いデータは「ウルトラマラソンと血液検査2018」をご覧ください)

 レース前レース直後レース翌日レース前レース後レース前レース後
検査項目19.6.2819.6.3019.7.123.06.2323.06.2624.06.2724.07.01
白血球数434012690↑↑7050↑4250523045908930↑
赤血球数465472401↓462410430413
ヘモグロビン14.214.412.2↓14.312.6↓13.612.9↓
血小板数18.821.615.2↓20.916.217.917.3
総蛋白7.38.1↑7.0↓7.66.7↓7.47.3
アルブミン4.75.1↑4.4↓4.84.44.84.7
総ビリルビン1.11.21.5↑0.91.6↑1.01.9↑
直接ビリルビン0.20.30.30.20.30.20.4
AST(GOT)1335↑47↑↑204018124↑
ALT(GPT)132331↑38272537
LDH134319↑232↑144190↑152303↑
CPK82690↑↑780↑↑83990↑↑893881↑↑
BUN18.129.5↑26.0↑24.926.824.223.2
クレアチニン0.80.830.64↓0.720.710.750.76
ナトリウム141144140138137140137
カリウム4.15.5↑3.0↓4.23.84.53.1↓
クロール10310210310210410498
カルシウム9.210.08.4↓9.28.79.09.3
655088↑85100↑86120↑
フェリチン60.464.386.0↑22.859.4↑43.877.1↑
CRP0.05以下0.18↑3.88↑↑0.172.28↑↑0.05以下2.73↑↑
中性脂肪32342534234141
総コレステロール355396301↓357303↓389357↓
HDLコレステロール10611910410696110105
LDLコレステロール212233169↓221178↓254219↓
血糖948697918690

 

現在レース前は当然糖質制限ですが、レース中には糖質入りのエネルギージェルを摂ります。しかし、昨年同様、今回も暑いからこそ、それほど積極的に前半から糖質をレース中に摂ることはしませんでした。しかし、中盤前に異常というほどではないにせよ強い空腹感がありました。脳の罠か、脳の命令か?よくわかりませんでしたが、そこから糖質を摂り始めました。

暑いからこそ前半は心拍数を上げず、体力を温存するようにもしたかったのですが、やはり朝から気温が高めになってきて、どうしても思ったより心拍数が上がってしまいました。暑さ、そして関門の制限時間を気にして、ちょっとした無理が積もり積もった結果の検査値です。

昨年は白血球増加がほとんど起きていなかったのですが、それの方がイレギュラーで、今年はやはり白血球は増加しました。炎症の所見のCRPの上がりもそこそこです。昨年の考察では、練習不足で臨んだレースよりも、調整が上手くいき、それなりの練習ができた年の方がCPKや炎症所見があまり上がらないのではないか?と書きましたが間違いでした。今年は過去で一番練習が積めたのに、過去最高のCPKをたたき出してしまいました。なんとCPK3881!これまでの最高記録は2017年の2004だったので大幅更新です。今年の体のダメージの大きさを物語っているのかな?辛かったもんな…CPKの爆上がりは暑さのせいか、補給したサプリの影響か、よくわかりませんが、ダメージと比例しているのかどうかもよくわかりません。毎回レース後は酷い筋肉痛ですから。

溶血はいつも通り起きていて、ヘモグロビンは低下しています。ビリルビンも上がり、鉄も上がっていますね。たくさんの血球を踏みつぶしてしまいました。

総蛋白およびアルブミンはいつもよりあまり低下していません。ダメージは大きく、その修復にはタンパク質が必要なのに変ですね。レース前、中、後に十分にタンパク質が摂取できていたのかもしれません。

カリウムの低下は今回はガッツリ下がりました。昨年も汗をたんまり掻いたのにカリウムの低下は軽度。今年はなぜか昨年とは違って大きく低下。何が影響しているのか不明です。

毎回カルシウムが低下するのに今年は増加気味。アルブミン低下今年はほとんど無かったことに影響されているのでしょうか?この表には書いていませんが、マグネシウムがレース前の2.3からレース後2.5に上昇していました。汗で相当失ったはずなのに、血中濃度は逆に上がりました。なぜでしょうか?

今回、五苓散を3包使っているので、何らかの影響があってもおかしくはありませんが、それがどんなところに影響しているのかは不明です。

フェリチンも炎症でレース後増加していますが、増加しても大した値ではありませんね。肝臓のダメージは少ないからなのかもしれません。

脂質系の総コレステロール、LDLコレステロールはレース後に低下しています。体中の細胞がコレステロールを欲しているのでしょうかね。

肝機能系のAST、ALTは今回はASTが3桁の124まで上がりました。CPKが3800以上もあったので、肝機能障害というよりも、筋肉が壊れた影響でASTが上昇したのでしょう。

しかし、毎回書きますが、人間の体はこれほどの過酷な運動を行っても、この程度の変化に抑えているのです。数日筋肉痛が辛いですが、すぐに元に戻ります。素晴らしい機能を備えています。

逆に、激しい運動もしないのにデータが非常に崩れている人は、どれほど人間の本来のメカニズムに反したことをしているか?代謝が異常な状態か?または、どれほど炎症や酸化ストレスなどのよるダメージのある状態なのか?ということを考えた方が良いのかもしれません。

4 thoughts on “ウルトラマラソンと血液検査2024

  1. 自称トレーナーや、管理栄養士、医療専門職などの一般論よりも、
    一時例に過ぎないかもしれませんが、こういう実際の体験談の方が
    腑に落ちます。

    1. 鈴木武彦さん、コメントありがとうございます。

      私がウルトラを始めたときには、ほとんどこのような血液検査データは調べても見つかりませんでした。
      興味がある方、どなたかの多少の参考にでもなれば幸いです。

  2. お疲れさまでした。大変興味深いレポートありがとうございます。毎年の恒例行事になりつつありますね。私は、ウルトラは、したことありませんが、興味を持っています。マラソンは年に数本出るのですが、通常は糖質制限。マラソン中も、糖質制限です。スポーツドリンクすらレース中取りません。ミネラルが足りなくなるのか、レース後、味噌汁とかふるまわれると、しみるようにうまいです。

    1. 三世敏彦さん、コメントありがとうございます。

      私もスポーツドリンクはフルマラソンでもウルトラマラソンでも全く飲みません。
      糖質はフルではどうしても後半で心拍数がかなり上がり、糖質が足りなくなってくるようなので、
      途中から摂るようにしています。
      ウルトラマラソンでは、ほとんど摂らない時もありますし、たくさん摂るときもあります。
      脳と相談しながら決めています。
      今回のウルトラでは塩分が足りない感じには全くならなかったのですが、五苓散のお陰かもしれませんし、
      全く別の要因かもしれません。まあ、塩分が足りないかどうかなんて走っているときにはわかりませんが。

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