私が高校生の頃、一部でブレイクダンスが流行っていました。風見しんごさんが欽ちゃんのテレビでブレイクダンスを踊っていて、カッコイイと思い、マネをしていました。もちろんウィンドミルやヘッドスピンなどの回転系は私のような運動音痴にはできるはずもありませんでしたが、クルクル回るダンサーに、凄いな!と少し憧れを持っていました。
そんなブレイクダンスは今ではブレイキンと呼ばれ、なぜか、本当になぜかわかりませんがオリンピック種目になっていました。
ブレイキンの技でやはり目を引くのが、先ほどの回転系の技でしょう。しかし、頭を使ってクルクル回るヘッドスピンを過剰にやると、思わぬ(?)ことが起きるようです。思わぬ、というよりも当然ですが。(図は原文より、ここも参照)
下の図はその頭のMRIです。
頭の突起は、「コーンヘッドサイン」と呼ばれているそうです。毎日のように同じ部分を強く刺激し続けると、皮膚が肥厚してしまうのは当然でしょう。皮膚だけでなく、皮下組織、頭蓋骨が肥厚していることがMRIでわかります。
突起ができるだけでなく、脱毛も認められることもあります。これも当然でしょう。別の症例報告では、先ほどと同様なMRI所見と脱毛が認められました。(図は原文より)
上の図のように、頭頂部に脱毛と触知可能な腫瘤とそれに伴う慢性の感覚の喪失を訴えていたようです。これは「ヘッドスピン ホール」と言われているようです。
他にも第12胸椎の後方の軟部組織腫瘤を呈した18歳男性の症例報告もあるようです。(ここ参照)これはウィンドミルやバックスピンなどの背中で回転する技によるものでしょう。
いずれにしても、ブレイキンをやり続けることも大変ですね。当然、やっているダンサーはこのようなリスクがあることは覚悟しているのだと思います。インターネット調査を実施し、106人のブレイクダンサーにインタビューした研究では、ブレイクダンサーの60.4% がヘッドスピンによる頭皮の酷使に悩まされ、31.1% に脱毛が見られ、23.6% に頭部の痛みのない腫れが見られ、頭皮の炎症は36.8 %で報告されたそうです。(ここ参照)
それ以外にも頚椎なども傷めそうですね。頭は体を支えて、回すためには作られていませんから。
まあ、どのような競技、スポーツでもリスクはあります。
私は高校生の頃に回転系ができなくて良かったです。友人は結構回ってました。今はもう回っていないと思いますが…ご自身の子供がブレイキンを始めたら、この写真を見せてあげるのも良いかもしれません。
「‘Headspin hole’: an overuse injury among breakdancers」
「「ヘッドスピンホール」:ブレイクダンサーの使いすぎによる怪我」(原文はここ)
「The “Cone-Head” sign: Magnetic resonance image findings of the “Headspin Hole”, an overuse injury found in breakdancers」
「「コーンヘッド」サイン:ブレイクダンサーに見られる過度の使用による傷害「ヘッドスピンホール」の磁気共鳴画像所見」(原文はここ)
オリンピックの、マラソンや
柔道を熱心にTV観戦した身としては
最近次々と新設の、ブレイキン等
にはついていけません。
確かに首を痛めそうですねー。
鈴木武彦さん、コメントありがとうございます。
いくら商業的なオリンピックとはいえ、ブレイキンはどうしても、オリンピック種目に選ばれた意味がわかりません。