ロカボの専門家が出した飽和脂肪酸は心血管疾患や死亡率とは関連していない論文

ロカボで有名な山田悟先生、この先生が唱えるロカボは中途半端で賛成はできませんし、ロカボの論文もまたショボい結果です。

今回、山田先生が良い論文を出してきました。まだプレプリントなので注意が必要です。

今回の研究では、心血管疾患を予防するための飽和脂肪酸の減少に関するランダム化比較試験、13,532人の参加者を対象とした9件を分析しています。2件は一次予防研究、7件は二次予防研究です。

飽和脂肪酸の摂取制限を行った介入群と対照群を比べてみると、心血管疾患による死亡率の相対リスクは0.94、全死亡率では1.01、心筋梗塞では0.85、冠動脈イベントでも0.85と、いずれにおいても有意差は認められませんでした。心血管疾患および死亡率の予防のために飽和脂肪酸の摂取量を減少することを推奨する根拠はないことになります。

いまだに多くの専門家たちは脂質を悪者扱いで、特に飽和脂肪酸を減らすことを勧めています。

以前の記事「食事の飽和脂肪酸摂取は血中の飽和脂肪酸を増やすのか? その3」で書いたように、食事の飽和脂肪酸摂取量の増加が血中の飽和脂肪酸の増加を起こすわけではありません。食事による炭水化物摂取と関連していると考えられます。

医療や栄養学では、糖質過剰摂取の悪影響を全て脂質、特に飽和脂肪酸のせいにしています。以前の記事「食事による脂質および飽和脂肪酸の摂取量が多いほど心血管疾患のリスク因子が低下する」で書いたように、HDLコレステロールは明らかに飽和脂肪酸の摂取量が多いほど高く、LDLコレステロールは脂肪酸の摂取量によって大きな違いはありません。中性脂肪は飽和脂肪酸摂取量が多いほど低下し、インスリン抵抗性を示す中性脂肪/HDL比も飽和脂肪酸摂取量が多いほど低下しています。

心血管疾患は糖質過剰症候群です。脂質過剰摂取が問題ではありません。騙されないようにしましょう。

「Saturated Fat Restriction for Cardiovascular Disease Prevention: Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials」

「心血管疾患予防のための飽和脂肪制限:ランダム化比較試験の系統的レビューとメタ分析」(原文はここ

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