カロナール(アセトアミノフェン)だって様々なリスクはある

インフルエンザが大流行しているようですが、熱を下げたがる人が結構いるようですね。免疫が頑張ってくれているのに、なんでわざわざそれを邪魔しようとするのでしょうか?

そして、なぜかカロナール(アセトアミノフェン)な完全に安全であるかのように思っている人がいます。特に子供にはカロナールで解熱をしたがる親もいるでしょうし、平気で説明もなくカロナールを処方する医師もいるでしょう。

以前の記事「タミフル、インフルエンザの薬による異常行動」で書いたように、アセトアミノフェンもタミフルと同様、体温が高い、男性、11歳以下で薬の使用によるせん妄(異常行動)のリスクが高くなっています。さらに、これまでに意識障害や異常行動の既往がある場合には非常に薬使用が危険だと考えられます。以前にインフルエンザになったときに一度でも異常行動や意識障害があった場合には二度とインフルエンザに薬を使用しない方が良いでしょう。

それ以外にもアセトアミノフェンのリスクはあります。

一つの症例報告では、適切な治療用量で2回だけアセトアミノフェンを使用しただけで急性腎不全から慢性腎不全になってしまった3歳の日本人の女の子を症例があります。(ここ参照)インフルエンザではなくノロウイルスに感染した症例でしたが、危険因子として体液量減少に言及しています。インフルエンザでも脱水気味になることはあるので、十分にリスクがあるでしょう。

また、23歳と26歳の日本人女性の症例報告でも治療用量でも急性腎不全を発症しています。(ここ参照)

さらに、48歳の日本人男性もアセトアミノフェン誘発アレルギー性急性尿細管間質性腎炎を治療量で発症しています。(ここ参照)

小さな子供への使用では自閉症との関連が指摘されています。(「子供にとって本当にアセトアミノフェンは安全なのか? アセトアミノフェンと自閉症の関連」参照)

もちろん妊娠中のアセトアミノフェンも危険です。生まれてくる子の自閉症や注意欠陥/多動性障害(ADHD)のリスクを上げると言われています。またLGBTが多くなったのもアセトアミノフェンによるものかもしれません。(「妊娠中のアセトアミノフェンの使用とLGBT」「妊娠中のアセトアミノフェンの使用はやっぱりリスクを伴うかもしれない」「妊娠中のアセトアミノフェン使用で生まれてくる男の子が女性化?」など参照)少なくとも14の研究では、妊娠中のアセトアミノフェンへの曝露は胎児の神経発達に対して安全ではないことが示されています。

アセトアミノフェンは胎盤や血液脳関門を通過し、脳に作用します。指示通りに治療用量で使用した場合、アセトアミノフェンは乳児や子供にとって安全で忍容性が高いと200 件以上の様々な論文で主張されていますが、実際には神経発達に対する安全性を実証する研究がないにもかかわらず、この薬は安全であると広く考えられてしまっています。(ここ参照)

またアセトアミノフェンは喘息の発症リスクとも関連が指摘されています。ある研究では、出生前および乳児のアセトアミノフェン曝露で喘息の発症リスクが、それぞれ1.13倍と1.29倍になるとされています。(ここ参照)喘息だけでなくアトピーとの関連を指摘する研究もあります。生まれて15か月以前のアセトアミノフェン曝露は、6 歳時のアトピーの可能性を3.61倍にしていました。(ここ参照)

「比較的」安全とはいえ、完全に安全な薬など存在しません。特に脳に働く薬を安易に子供に使うのは危険でしょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です