「その1」では、アセトアミノフェンと白血病との関連を書きました。それでは、同じ血液系のがんである悪性リンパ腫はどうでしょうか?
まずはホジキンリンパ腫についてです。ホジキンリンパ腫の症例565人と対照群679を対象にしています。過去5年間のアスピリン、非アスピリンNSAID、アセトアミノフェンの平均使用量を調べ、定期的使用(平均で週2錠以上)と非定期的使用は(週2錠未満)で比較しました。(図は原文より)
上の図の右側がアセトアミノフェンで左がアスピリンです。白血病と同様にアスピリンはリスク低下がありそうです。しかし、アセトアミノフェンの定期的使用は非定期的使用と比較して、1.72倍ホジキンリンパ腫の可能性が高くなりました。このことは男女とも同様でした。
そして、15歳から54歳の若い世代の方が有意にリンパ腫の可能性が高くなりました。
では、次に非ホジキンリンパ腫について見てみましょう。非ホジキンリンパ腫の発症患者625人と、年齢と性別をマッチさせた非腫瘍性疾患の対照群2512人を対象に、定期的なアスピリンまたはアセトアミノフェンの使用と非ホジキンリンパ腫のリスクについて調べました。 定期的な使用とは、自己申告で週に1回以上、6ヵ月連続で使用したことと定義されました。(図は原文より)
やはり、アスピリンはリスク増加とは関連しませんでした。上の図のようにアセトアミノフェンの定期的な使用は男性では関連なく、女性では1.71倍も非ホジキンリンパ腫の可能性が高くなりました。1週間に1~6錠の方が有意に高く、10年以下の使用の方が有意に高くなっていました。
リンパ腫のタイプ別では、女性のアセトアミノフェンの定期使用でびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫の可能性が2.51倍、小リンパ球性リンパ腫が2.41倍でした。
白血病に続き、リンパ腫もリスクが高まるようです。これは放っておけないですね。もっと掘ってみましょう。それは次回以降に。
「Aspirin and the risk of Hodgkin’s lymphoma in a population-based case-control study」
「人口ベースの症例対照研究におけるアスピリンとホジキンリンパ腫のリスク」(原文はここ)
「Regular use of aspirin or acetaminophen and risk of non-Hodgkin lymphoma」
「アスピリンまたはアセトアミノフェンの定期的な使用と非ホジキンリンパ腫のリスク」(原文はここ)
場所も時期も記憶曖昧ですが、
何らかの理由で医療提供できない
期間、地域の死亡率激減した、
記録を読んだ事があります。
さすがに救急医療や産科医療は
不可欠だとは思いますが。
鈴木武彦さん、コメントありがとうございます。
医療のメインは急性期です。
慢性期の医療が拡大して、人間はおかしくなったのかもしれません。