リンチ症候群と糖質過剰摂取

リンチ症候群というのをご存じでしょうか?大腸がんや子宮体がんになりやすい遺伝的な症候群です。リンチ症候群は、大腸がんの若年発症、異時性あるいは同時性の大腸多発がんおよび多臓器がんの発症が特徴です。平均発症年齢は40代です。

リンチ症候群の遺伝子変異を持つ人では、約80%が生涯の間に大腸がんを発症すると報告されています。女性では、20~60%が生涯に子宮体がんを発症すると言われています。

そのほかにも、胃がん、卵巣がん、腎盂・尿管・膀胱がん、十二指腸がんなども一般集団より発症しやすい傾向にあり、一生の間に数~10%程度の確率で発症します。

もちろん、遺伝子変異を持っていても生涯がんを発症しない場合もあります。

いくら遺伝的な疾患とはいえ、そこには糖質過剰摂取が関わっていると考えています。

ある研究では(ここ参照)、リンチ症候群の遺伝子変異を持つ2023人を対象に、2型糖尿病、高総コレステロールおよび高中性脂肪との関連を調べました。

全体で802人が大腸がんと診断され、年齢の中央値は42歳でした。2型糖尿病があると大腸がんリスクは 1.92倍になりました。高コレステロールでは1.76倍でした。糖質過剰摂取では通常コレステロールが低下するので、コレステロールが高くなるほどインスリン抵抗性が増加してるのかもしれません。高中性脂肪との関連は有意ではありませんでした。

もう一つ、糖質過剰症候群の代表、肥満との関連を見てみましょう。(ここ参照)

肥満男性は非肥満男性と比較して、大腸がんリスクが2.09倍でした。女性では、肥満によるリスク増加は有意ではありませんでした。MLH1変異を有する人では、肥満による大腸がんリスクが1.49倍になりました。

もう一つの肥満との関連の研究を見てみましょう。(ここ参照)リンチ症候群患者486人を対象としています。ベースライン時に大腸がんの既往歴のない患者が 243人、既往歴のある患者243人に分けて解析を実施しました。

大腸がんの既往歴のないグループでは、現在BMIが25以上の過体重および肥満がある男性では、正常体重群と比較して、大腸腺腫の発生が8.72倍にもなりました。女性ではその関連はありません。

男性ではBMIが5増加すると、大腸腺腫リスクは1.84倍になりました。体重は5㎏あたり1.17倍のリスク増加です。

大腸がん既往歴のある女性では、2年間で2kgを超える体重増加は、大腸腺腫リスクは4.09倍でした。

遺伝的因子、家族歴などがあっても、自分でできることはあります。運命に翻弄されるだけでなく、まずは毎日の食事を改善することが必要なのかもしれません。

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