糖尿病は心臓突然死のリスクが高くなります。では、どの程度のリスク増加になるのでしょうか?
今回の研究では、1型糖尿病および2型糖尿病患者における心臓突然死の発生率を推定し、心臓突然死に起因する平均余命の短縮を計算しています。2010年のデンマーク国民全体を対象としています。2010年の1年間で、デンマークでは合計54,028人が死亡し、合計で7,627人(14.1%)が突然死に分類され、そのうち6,862人(12.7%)の死亡が心臓突然死に分類されました。
6,862件の心臓突然死症例のうち、97件が1型糖尿病、1,149件が2型糖尿病と診断されました。(図は原文より、表は原文より改変)
上の図は、黒が非糖尿病、赤が1型糖尿病、グレーが2型糖尿病です。横軸が年齢層、縦軸が10万人年当たりの心臓突然死の発生率です。糖尿病ではない人と比較して糖尿病患者は心臓突然死の発生率が高いことがわかります。そして、それは若年層により顕著です。全体では、1型糖尿病患者では非糖尿病と比較して、心臓突然死の発症率が3.7倍、2型糖尿病患者では6.5倍高くなりました。
上の図の上が1型糖尿病の心臓突然死の発生率比、下が2型糖尿病の発生率比です。1型では30~40歳で22.7倍にもなります。2型では40~50歳で6倍です。
下の図は、年齢と糖尿病の種類に応じた予想余命を示しています。30歳の1型糖尿病患者の平均余命は一般人口より14.2年短く、そのうち3.4年は心臓突然死によるものでした。30歳の2型糖尿病患者の平均余命は一般人口より7.9年短く、そのうち2.7年は心臓突然死によるものでした。平均余命の減少は加齢とともに減少しています。
| モデルC | |||
|---|---|---|---|
| 年齢層 | 糖尿病の状態 | ハザード比 | 95%信頼区間 |
| 全年齢 | 糖尿病なし | ||
| 1型糖尿病 | 2.44 | [1.99;2.99] | |
| 2型糖尿病 | 1.74 | [1.62;1.86] | |
| 0~50 | 糖尿病なし | ||
| 1型糖尿病 | 6.16 | [3.50;1.85] | |
| 2型糖尿病 | 4.18 | [2.68;6.50] | |
| 50~75歳 | 糖尿病なし | ||
| 1型糖尿病 | 2.98 | [2.27;3.91] | |
| 2型糖尿病 | 2.27 | [2.03;2.53] | |
| 75歳以上 | 糖尿病なし | ||
| 1型糖尿病 | 1.33 | [.90;1.95] | |
| 2型糖尿病 | 1.35 | [1.23;1.48] | |
上の表は、様々な調整をした、糖尿病による心臓突然死のリスクを示しています。全年齢で1型糖尿病で2.44倍、2型糖尿病で1.74倍でした。0~50歳で最もリスク増加は大きく、1型糖尿病で6.16倍、2型糖尿病では4.18倍でした。
糖尿病も心血管疾患もどちらも糖質過剰症候群であり、糖尿病があれば、心疾患が多くなり、心臓突然死のリスク増加が起こるのも当然でしょう。
糖尿病は虚血性心疾患だけでなく、心不全、心房細動、さらには心臓自律神経障害が起こりやすくなります。それらは心臓突然死のリスクと関連があるでしょう。また、糖尿病の治療による低血糖も、心臓突然死を増加させる可能性があります。今回の研究では、1型糖尿病患者の37%、2型糖尿病患者の7.2%が低血糖による入院歴を有していました。
以前の記事「高血圧と糖尿病は突然の心停止のリスクの増加と関連している」でも書いたように、耐糖能障害および高インスリン血症は心電図のQT間隔を延長します。QT間隔の延長は致死性不整脈、突然死と関連しています。
いずれにしても、現在の糖尿病治療では根本原因への対応がされていません。根本の糖質過剰摂取を維持することが推奨されてしまっているので、リスクは高いままでしょう。まずは糖質制限をして、心臓への負担を減らすべきです。
「Diabetes and sudden cardiac death: a Danish nationwide study」
「糖尿病と突然の心臓死:デンマーク全国調査」(原文はここ)



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