心臓の冠動脈のステント不全とインスリン抵抗性

心臓の冠動脈狭窄に対して、ステントという血管を広げる装置が血管の中に入れられます。しかし、そのステントを留置しても、標的病変再血行再建(TLR)といって、経皮的冠動脈形成術(PCI)施行後に、治療した血管部位(標的病変)の再狭窄や閉塞により、再度血行再建(カテーテル治療やバイパス手術)が必要となることが少なくありません。

ステントで良く使われている、エベロリムス溶出ステント(EES)留置後の標的病変再血行再建との関連はどうなっているでしょうか?

今回の研究では、EES留置を受けた、2,022人の患者から3,014の病変に関するデータを対象に、動脈硬化性脂質異常症との関連を調べています。動脈硬化性脂質異常症の定義は、非空腹時中性脂肪≧175mg/dLかつHDLコレステロール<40mg/dLの組み合わせです。つまり、インスリン抵抗性との関連を調べていると言っても良いです。追跡期間の中央値は2,101日でした。最長8年間の追跡期間中、心臓死または非心臓死および心筋梗塞の累積発生率は非動脈硬化性脂質異常症群と動脈硬化性脂質異常症群で同様でしたが、TLRの発生率は動脈硬化性脂質異常症群の方が非有意に高くなり12.9%対4.4%でした。(図は原文より)

上の図は、青が定義した脂質異常症のある人、赤が脂質異常症の無い人で、臨床的に必要と判断された標的病変再血行再建の累積発生率を示しています。脂質異常症のある人の方が多いですね。リスクは2.31倍です。

上の図は中性脂肪およびHDLコレステロールレベルに応じた、(A)全集団、(B)小径ステント使用層における、臨床的に必要と判断されたTLRの累積発生率です。非空腹時中性脂肪≧175mg/dLかつHDLコレステロール<40mg/dLの発生率が高く、特に小径ステント使用で顕著です。

上の図は非脂質異常症群と脂質異常症群における臨床的に必要と判断されたTLRの累積発生率で、(A)小型ステント非使用群と(B)小型ステント使用群です。小型ステント非使用群では差がありませんが、小型ステント使用群では明らかにTLRの発生リスクが高く、4.43倍です。

高中性脂肪、低HDLコレステロールはインスリン抵抗性の証拠です。ステント不全も糖質過剰症候群ですね。食事を改善しなければ、ステントさえ詰まってしまうのです。現在の医療システムは、できる限りインスリン値、インスリン抵抗性に目を向けないようにできています。できる限り根本原因に近づけず、対症療法で表向き改善したように見せかけたいのでしょう。

医療を受ければ健康になれるわけではなく、医療を受け続けることが必要にされるだけです。

健康には食事と運動です。

「Deteriorative Effect of a Combination of Hypertriglyceridemia and Low High-Density Lipoprotein Cholesterolemia on Target Lesion Revascularization after Everolimus-Eluting Stent Implantation」

「高トリグリセリド血症と低高密度リポタンパク質コレステロール血症の併発が、エベロリムス溶出ステント留置後の標的病変再血管形成に及ぼす悪影響」(原文はここ

2 thoughts on “心臓の冠動脈のステント不全とインスリン抵抗性

  1. 「医療を受ければ健康になれるわけではなく、医療を受け続けることが必要にされるだけです。」
    定期的に病院で治療受けていれば安心、
    という「医療真理教」信者多そうです。

    1. 鈴木武彦さん、コメントありがとうございます。

      医療従事者でも医療を受けていれば安心、と思っている人が大勢います。

鈴木武彦 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です