以前「中性脂肪を下げる薬オレザルセンの効果」で書いたように、中性脂肪の除去を阻害するアポリポタンパク質C-III(ApoCⅢ)をターゲットにして、中性脂肪値を大きく低下させる薬です。
中性脂肪値は空腹時だけでなく、食後のTGスパイクも問題です。
今回の研究では、オレザルセンによる食後中性脂肪値への影響を調べています。空腹時中性脂肪が354mg/dL以上の患者28人が、4週間ごとに80 mgのオレザルセンを2回投与(19名)またはプラセボ(9名)を受けました。平均年齢は58.6歳、ベースライン時の空腹時中性脂肪の中央値は523mg/dLでした。平均BMI30.9、腹囲111.3cmでした。食事は、脂質75.9g、炭⽔化物25.5g、タンパク質13.4gのものが与えられます。(図は原文より)
上の図は、空腹時中性脂肪の平均変化率と⾷後曲線です。 Aは 7 週間の追跡期間中にオレザルセンを投与された参加者(紫)とプラセボを投与された参加者 (⾚)の空腹時中性脂肪の平均変化率です。プラセボでも減少していますが、オレザルセンではなんと71%も減少です。
Bはベースライン(紫)および全参加者の経⼝脂肪負荷後、7 週間のオレザルセン治療後(⾚)とプラセボ後(⻘)です。プラセボよりもかなり低めに抑えられています。
Cはベースラインの空腹時中性脂肪が⾮常に⾼い参加者だけです。ここでも経⼝脂肪負荷後、中性脂肪の上昇はオレザルセンにより抑えられています。
Dはベースラインの空腹時中性脂肪が中等度から重度である参加者のものです。同様ですね。
上の図は、経⼝脂肪負荷でベースライン時(赤)およびオレザルセン治療後(黄)の中性脂肪値が10 mmol/L(885.7mg/dL)以上の割合です。負荷後4時間まではオレザルセンで中性脂肪885.7mg/dL以上となる人は皆無でした。その後わずかな人が885.7mg/dL以上となりました。47%から5%に減少したのです。ものすごい効果ですね。
高中性脂肪血症誘発性急性膵炎はもしかしたら防げるかもしれません。しかし、この薬、心血管系への恩恵はあるのでしょうか?それについては次回以降で。
「Plasma reduction of apolipoprotein C-III with olezarsen leads to significant reductions in postprandial triglyceride levels: Results from a randomized trial」
「オレザルセンによる血漿中のアポリポタンパク質C-IIIの減少は、食後トリグリセリド値の有意な低下につながる:無作為化試験の結果」(原文はここ)


糖質制限無しで、中性脂肪値改善したい人は飛び付きそうな薬ですね。