2018年3月の検査データ

久しぶりに血液の検査をしました。先日、江部先生がご自身のデータを公開されていたので(江部先生のデータはこちら)、私もいつもは検査していない甲状腺の機能も検査しました。そしたら、意外や意外の結果です。

甲状腺機能
TSH:0.331(0.500~5.000)
F-T4:1.6(0.9~1.7)
F-T3:2.8(2.3~4.0)

検査機関での違いがあるので、この数値ですぐに異常とは言えませんが、TSHが軽度低下しています。T3やT4は正常なので、無理矢理病名を付けるとすると、潜在性甲状腺機能亢進症です。正常TSHの値の下限は検査機関でバラバラで、0.4や0.34などとしているところもあるようです。0.34ならほぼ正常なので、経過観察で問題ないでしょう。0.1以下でなければ良いと思います。また今度の検査で測定します。

通常、糖質制限をすると、摂取エネルギー不足でT3が低下する 「Low T3 syndrome(低T3症候群)」が話題になることがありますが、今回は亢進症?の疑いです。しかし、いたって体は調子良く、相変わらずケトランを行っていますので、このままで様子を見てみます。

空腹時血糖値:87mg/dl(110未満)
IRI:3.1μU/ml(2.2~12.4)
HbA1c:5.4% (6.2未満)

血糖値も空腹時インスリン値も抜群の結果です。インスリン分泌は少なく、血糖値が正常値であり、さらに空腹時血糖値としては100を超えていませんので、かなり良い数字です。


総ケトン体:411μM/L(131以下)
血中βヒドロキシ酪酸:380μM/L(85以下)
アセト酢酸:31μM/L(55以下)

ケトン体は検査上の正常値(基準値)を大きく上回っています。しかし、これは糖質制限では当然の結果です。理想は総ケトン体で500以上にしたいのですが、私は上がりにくい方だと思います。でも、がんではないので、このあたりで十分でしょう。がんの場合はもう一桁上を目指さないとなりません。


尿酸:6.0mg/dl(3.6~7.0)


中性脂肪:40mg/dl(50~149)
総コレステロール:298
HDL-C:94mg/dl(40~98)
LDL-C:182mg/dl(140未満)

私が医者でなければ、そして糖質制限の知識が無ければ、その場でスタチンを処方されてしまう数値です。これまでの様々な記事で書いてきたように、LDLはあまり意味がなく、糖質制限をしている場合は高くなることもあります。しかし、このLDLは質の良いLDLと考えられますので、私は問題ないと思っています。(「糖質制限とLDLコレステロール上昇2 仮説」など参照)

中性脂肪/HDL比:0.43 抜群に良い結果です。

レムナントコレステロール:22 mg/dL 15.6未満が最低の虚血性心疾患のリスクなので、それと比較するとリスクは1.1倍の数値です。

レムナントコレステロール/HDL比:0.23 これも0.2未満が最低リスクなので、それと比較すると1.3倍の数値です。ちょっと残念です。(「レムナントコレステロールは心臓に悪い! だったら、糖質制限でしょ!」参照)


クレアチニン:0.89mg/dl(0.65~1.09)
eGFR:72mL/min
BUN:20.3mg/dl(8.0~20.0)

BUNが若干高いですが、タンパク質をいっぱい食べていることによるものだと思います。病的意味はありません。

GOT:13U/L
GPT:11U/L
γGTP:16U/L
総蛋白:7.5g/dl
アルブミン:4.7g/dl
血色素量:14.3g/dl(13.6~18.3)
白血球数:3560(3500~9700)
赤血球数:468万/μL(438~577)

フェリチン:61.5ng/mL(21~282)

全て、問題ありません。肝機能良好です。貧血もありません。フェリチンは私はこの程度で十分だと考えています。細胞が傷害されたり死んだりして、フェリチン値が高くなると考えていますので十分すぎるほどの数値です。(「フェリチンの疑問がかなり解けた! フェリチンは細胞が死んだときに上昇する! 鉄はやっぱり危険!」など参照)


ナトリウム:142mEq/L(135~145)
カリウム:4.2mEq/L(3.5~5.0)
カルシウム:9.1mg/dL(8.6~10.2)
マグネシウム:2.4mg/dL(1.7~2.6)

全て正常です。理想的な電解質です。マグネシウムも2.19以上なので良好です。(「糖尿病とマグネシウム」など参照)

いつも書いていますが、実際には糖質制限をしている場合の血液検査の基準値、正常値は不明です。食事が変われば体も変わりますので、これまでの糖質過剰摂取をしている人から得られた基準値がそのまま当てはまるかどうかはわかりません。特に、コレステロール値に関しては、思ったよりもダイナミックな変動をします。LDLコレステロールを正常値にする方法はありますが、興味はありませんのでこのままにします。

 

 

7 thoughts on “2018年3月の検査データ

  1. 素晴らしい検査結果の公表ありがとうございます。

    さて先日の新聞記事
    <秋田県立大>新リポタンパク質発見 動脈硬化症の原因か
    http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201802/20180221_43010.html
    論文はこちら
    http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0192955

    LDL-Cが高いローカバーとしては大いに気になっています。特に先生の需要は増すからという仮説との関連など、素人には難しいので解説していただければ有難く存じます。よろしくお願いいたします。

    1. ルバーブさん、コメントありがとうございます。
      この論文はラットの研究ですので、まだまだ人間でどうかというのは不明です。
      人間の血液なんか、簡単に採取できるので、さっさと分析して同時に発表すればいいのに、
      どうしてラットだけなのでしょうか、わかりません。
      人間のコレステロールの輸送で非常に重要なコレステリルエステル転送タンパク(CETP)は、
      確かラットには無かったように思います。つまり、人間とラットの違いはかなりあるので、
      この論文だけでは何とも言えません。(全部しっかり読んだわけではありませんが)

      しかし、これまでわかっていることだけでは十分説明がつかないこともあると思うので、
      まだわかっていないリポタンパクが存在しても不思議ではないと思います。
      今後の発表を期待しましょう。

  2. 先生の検査結果を見て一言eGFR:72mL/minの値に引っかかりました。この値は慢性腎臓病予備軍の範囲に入るそうです。
     私もご多分にもれず、糖質制限を行っているとLDL-Choが230mg/dlと高くなって約1年が経ちました。一応医者に相談して、スタチン適用拒否で物は試しということでEPA製剤の投与を受けています。TGは、EPA製剤 投与前で70mg/dlなのでEPA製剤を投与してもこれ以上は下がらない状況でした。ひょんなことから慢性腎臓病早期発見プログラム(IKEAJ-KEEP)を受診したところ要治療の判定が下りました。
    Cre、BUN、シスタチンC、TG、HDL-Cho健常者域、尿中微量アルブミン陽性、LDL-Cho230mg/dl、T-Cho330mg/dlで異常域となりました。
    通常ならば、シスタチンCも異常値を出すはずですが、健常者域なので、私としてはCKD予備軍として認定されても別に医者の診療を受けようとは思いません。ただ脂質代謝異常が腎機能異常を発生する。もしくはその逆、腎機能の異常が脂質代謝異常を引き起こす機序を考えると前者の可能性が高いと思います。シスタチンCが健常者域なのは、分子量13.3kDaと小さいので近位尿細管で再吸収されてしまい、アルブミンは再吸収されないので尿中に漏れ出したのだと考えています。
    ではどうしてアルブミンは漏れ出したのか
     慢性腎臓病で脂質の代謝異常が発生するのは、まれな事では無く合併症として認知されておりますが、その作用機序は、まだ判明していないそうです。
    そこでお願いなのですが、先生はお医者様でいらっしゃり、また低糖質食を実践していられる第一人者として先生の腎機能を調べていただきたいのですが項目は、シスタチンC、尿中微量アルブミン、GFRです。
     血液は、腎糸球体で濾過され、近位尿細管で再吸収されます。血中リポタンパク質が多いと物理的に膜にぶつかり濾過時に膜を広げアルブミン等が漏れ出す可能性がないか知りたいのです。ご承知のように腎臓は、毎日何千Lの血液を濾過しております。また濾過に必要な因子として血圧、浸透圧、糸球体嚢圧がありますが圧力を掛けて濾過する際に、リポタンパクの大きさ20~200nmの粒子が、例えばT-Choとして300mg/dl 0.3%もの量が物理的にぶつかっていると、尿中に微量アルブミンが漏れ出してもおかしくはないと考えております。

    1. 〇福さん、コメントありがとうございます。
      ご指摘ありがとうございます。
      今回の記事にさせていただきます。

  3. 糖質制限における各検査項目の意味、というより解釈の仕方について大変勉強になります。

    「理想は総ケトン体で500以上」とのことですが、活動量や環境的要因・体質などの違いや日内変動が非常に大きいとは思いますが、清水先生としてはどの程度の血中ケトン体範囲が理想的とお考えですか?

    目指す、維持するための目安がとても知りたいのです。ご教示いただければ幸いです。

    1. ねけさん、コメントありがとうございます。
      お恥ずかしいお答えで申し訳ありませんが、総ケトン体で500以上は科学的な根拠はありません。
      いくつ以上なら安心でもないし、いくつ以下なら危険というデータはありませんが、
      何となくキリが良い数字であることと、「脳のケトン体の利用は標準装備」でも書いたように、
      500だと、脳のエネルギー需要の10%程度になるので、これも何となくキリのいい数字です。
      ケトン体の上がり方には個人差があるのですが、正常値が130以下であること考えると、
      糖質を摂取していても130くらいなら空腹時に上昇していても異常ではないということです。
      逆に考えると糖質制限をしているのだから、その3倍ぐらいは最低でもあったらいいかな?
      というような程度です。
      ケトジェニックダイエットを行っているわけではないですし、がんの患者でもないので、
      この程度で十分だと考えています。
      スーパー糖質制限食でケトン体が1000以上になるような方もいるとは思いますが、1000以下では
      問題が起こるとは思えず、個人差だと思います。
      私の理想は、食後でもいつでも、ケトン体値が正常値以上であることでしょうか?

  4. 早速のご返答ありがとうございます。

    糖尿病を始め疾患・疾病に関しての”効能”は広く喧伝されてきたようですが、ケトン体の利用効率や糖質制限・ケトジェニックダイエット(広義の)においての目安となるデータはまだまだ不足しているように思います。

    私も先生に感化されて人生で初めて走ってみたいと思い始めました。
    それもあってケトン体の効率的産生・利用を探りたかったりします。もちろん究極的にはその時々の自分の体に聞くしかないと思います。

    いつも大変興味深いネタをありがとうございます。

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