心房細動はがんと関連している?

最も一般的な不整脈の心房細動ですが、心房細動が発症したら、少し注意をした方が良いかもしれません。

今回の研究では心房細動とがんのリスクについて調べています。

対象はベースラインで心房細動およびがんのない26,222人の男性と28,879人の女性です。男性(年齢中央値56歳)と女性(年齢中央値56歳)は、それぞれ中央値16.7年と19.6年にわたって追跡調査されました。(図は原文より、表は原文より改変)

上の図は心房細動の新規発症診断後の日数別のがんリスクです。上から全てのがん、大腸がん、肺がん、(男性の前立腺がんおよび女性の乳がん、その他のがんです。前立腺がんと乳がんを除いて、心房細動の新規発症は、全てでがんのリスクが高くなりました。全てのがんで男性1.41倍、女性1.15倍でしたが、そしてそれは新規発症から90日以内が最もリスクが高くなり、男性で2.89倍、女性で3.72倍でした。90日以内が最もリスクが高くなるのは、大腸がんや肺がんでも同様で、大腸がんは男性3.35倍、女性5.91倍、肺がんは男性7.70倍、女性7.98倍でした。

男性(HR、95% CI)女性(HR、95% CI)
転移性がん
0~90日3.54 (2.30–5.45)6.23 (3.43–11.29)
0~365日2.19 (1.65–2.90)2.48 (1.40–4.39)
0–追跡調査終了1.65 (1.37–1.99)1.68 (1.21–2.32)
領域がん
0~90日0.90 (0.22–3.60)3.58 (1.60–7.98)
0~365日1.05 (0.55–2.03)1.45 (0.75–2.80)
0–追跡調査終了1.50 (1.15–1.97)1.03 (0.81–1.31)
限局がん
0~90日2.03 (0.97–4.28)2.18 (0.90–5.25)
0~365日1.06 (0.63–1.80)1.30 (0.72–2.35)
0–追跡調査終了1.41 (1.15–1.73)1.16 (0.93–1.44)

上の表は心房細動発症後の経過と追跡期間中のがんの進行リスクを示しています。心房細動を発症した場合は、心房細動がない人よりも転移性のがんであるリスクが高く、1.65倍~1.68倍でした。これもやはり90日以内の転移性がんのリスクが高く、男性で3.54倍、女性で6.23倍でした。

もちろん、これらの結果は心房細動が起きたからがんになりやすくなるわけではありません。心房細動が発症するときにすでにがんが存在していると考える方が妥当でしょう。がんによる炎症や何らかの代謝の変化などが起こり、それが徐々に心臓に影響し、心房細動が発症してしまうのかもしれません。

さらに、根本的な原因が同じである可能性が高いでしょう。肥満はがんと大きく関連していますが、肥満は心房細動のリスクも高くなります。糖尿病も同様で、がんと心房細動どちらとも関連があります。つまり、がんも心房細動も糖質過剰症候群の一つなのです。(「糖質過剰摂取と心房細動」「心房細動と糖尿病およびインスリン抵抗性との関連」など参照)

さらにさらに、コレステロールの低下はがんのリスク増加に関連していますが、コレステロールが低いとこれまた心房細動のリスクが高くなります。(「コレステロールと心房細動の関係」参照)

ほとんどの病気は根本原因が同じで、その原因は糖質過剰摂取だと思われます。今の医療の中では、関連はあるけど別の病気なので、根本原因は無視されて、別々に治療されてしまいます。

何らかの症状、疾患があれば、まずは食事を見直すべきです。

最近、心房細動を発症した方、がんが潜んでいるかもしれませんので要注意です。

「Atrial Fibrillation and Risk of Cancer: A Danish Population‐Based Cohort Study」

「心房細動とがんのリスク:デンマークの人口ベースのコホート研究」(原文はここ

2 thoughts on “心房細動はがんと関連している?

  1. Apple Watchに心電図機能が
    追加され、惹かれています。

    血糖値も測れるように
    早くなって欲しいですが。

    1. 鈴木武彦さん、コメントありがとうございます。

      血糖値が測れるようになるにはまだまだかかるのではないでしょうか?
      もしかしたら業界の圧力でなかなか進まないのかも?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です