非アルコール性脂肪肝は子供にも広がっています。
今回の研究では糖質制限ではありませんがフリーの糖である、食品や飲料に添加されたり、フルーツジュースに天然に含まれる糖をかなり削減した場合どのようになるかを調べています。
11~16歳の男子20人ずつのグループで、片方はフリーの糖の少ない食事(1日のエネルギー摂取量の3%未満)を8週間摂取しました。もう一方は通常食です。(図は原文より)
上の図はベースラインと8週間後において、左の数字が低糖の食事の栄養素のパーセンテージです。右が通常食のパーセンテージです。一番上が炭水化物ですが、5.9%減です。糖類はフリーの糖が7.8%削減でほぼ1%程度です。逆に脂質摂取とタンパク質摂取の割合は増加しており、トータルのエネルギー量もベースラインよりも増加しています。古典栄養学で考えたら脂肪肝が促進されると考えてしまいそうです。
MRIで測定した脂肪肝は低糖食で25%から17%、平均して6.23%の低下を示しました。一歩の通常食では脂肪肝は21%から20%と変化していませんでした。血糖値とコレステロールも低下しました。
上の図でAはMRIでの脂肪、BはALT(GPT)、CはAST(GOT)、Dはγ-GTです。左の黒いグラフが低糖食、右のオレンジのグラフが通常食です。ベースラインから8週後にどのように数値が変化したかを示しています。低糖グループの方がほとんどの人でグラフが下に向かっています。つまり数値が低下したことを示しています。
以前の記事「フルーツジュースを小さな子供にたくさん与えることは、もはや虐待であるかもしれない」で書いたように、フルーツジュースはジャンクフードであり、健康的な飲み物ではありません。食べ物やフルーツジュースなどの飲み物の糖類を思い切って削減するだけで、これだけの違いが現れるのです。特にフルーツジュースは猛毒果糖がたっぷりです。
「子供の肥満は親次第」で書いたように、食育は親の仕事です。余計な糖質は摂取しないようにしましょう。
「Effect of a Low Free Sugar Diet vs Usual Diet on Nonalcoholic Fatty Liver Disease in Adolescent Boys: A Randomized Clinical Trial」
「青年男子における非アルコール性脂肪肝疾患に対する低遊離糖食対通常食の影響:無作為化臨床試験」(原文はここ)