フルーツジュースを健康的な飲み物と勘違いしている人がいまだにいると思われます。しかし、100%フルーツジュースは糖質たっぷりです。特に猛毒「果糖」もいっぱい入っています。
今回の研究は砂糖のいっぱい入った甘味料入り飲料、100%フルーツジュースを飲んだことによる死亡率を分析しています。(図は原文より)
上の図は左は心臓の冠動脈疾患での死亡率です。右が全原因死亡率です。黒丸がフルーツジュースと甘味料入り飲料合わせたもの、オレンジ色がフルーツジュースのみ、青丸が甘味料入り飲料のみです。横軸は総エネルギー摂取量に対するこれらの飲み物のエネルギーの割合です。
そうすると、これらの飲み物の割合が増加するに従い、死亡率が増加していることがわかります。特に冠動脈疾患での死亡率はフルーツジュースの方が高くなっているように見えます。
上の図は様々な調整をした後のリスク比です。先ほどのグラフと同様に摂取量の増加に伴いリスクが増加しています。
上の図はこれらの飲み物の摂取量が12オンス、日本で言えば350ml程度増加する毎にどれくらい死亡率が増加するかを示しています。左側が冠動脈疾患死亡率、右が全原因死亡率です。12オンス増えるごとに、両方の飲料の組み合わせでは1.15倍であったり、1.11倍であったりです。しかし、フルーツジューズのみで見ると冠動脈疾患死亡率は1.28倍、全原因死亡率は1.24倍です。
性別で見ると男性の方がリスクが高く見えます。教育差もあるようですから、他の要因も多く絡んでくると思われるので、完全に鵜呑みにはできない数字です。
また、いつものようにこの研究は自己申告制のアンケートでデータを取っています。ですから、参加者が本当のことを言っているかどうかはわかりません。
しかし、生物学的、生理学的事実から考えれば、糖質をたっぷり含んだ飲み物が死亡率を上げると考えても何ら不思議ではありません。
フルーツジュースはジャンクフードです。(「フルーツジュースは所詮、ジャンクフード!認知症になりたくないなら飲むな!」「フルーツジュースを小さな子供にたくさん与えることは、もはや虐待であるかもしれない」など参照)
糖質の入った飲み物摂る必要はありません。
「Association of Sugary Beverage Consumption With Mortality Risk in US Adults: A Secondary Analysis of Data From the REGARDS Study」
「米国成人における甘味料入り飲料消費と死亡リスクとの関連:REGARDS研究からのデータの二次分析」(原文はここ)
清水先生、コメントを失礼いたします。
本来ならば「糖質過剰〜」のコーナーでコメントした方がいいかもですが、
16番目の染色体異常から発症するレックリングハウゼン症候群(NF1)は、糖質制限で改善していくのでしようか?
患者本人のQOLの低下があり、何か手立てがないかと思っています。
ジェームズ中野さん、コメントありがとうございます。
正直、染色体異常そのものを糖質制限で改善することはできません。生まれつきのものですから。
しかし、改善するかどうかは別としても、糖質制限をしない理由はないと思います。
QOLの改善は染色体異常+糖質過剰の部分に関しては、改善が見込めると思います。
やってみる価値は十分にあると思います。
やはり加工された果物は良くないんですね。
未加工の果物でも、高糖質な果物は控えた方が良いのかもしれません。
ところで、昨日書いたコメントが承認されなかったのは何故でしょうか?
閲覧者の方が困っていらして、これといった対処が分からない状況であれば、改善できるかもしれない情報を選択肢に入れられないのはその方の不利益になると思うのですが。
また、元の記事にあった情報も、記事が古いからか、ケトン体に触れられていなかったり、昔と今の果物の違いが考慮されていないなどおかしな点もありました。
ただ、何万年と生活が変わっていないであろう現役の狩猟採集民は自然な人類の姿といえるわけですし、正しい食事の参考になると思うのです。
彼らは癌や糖尿病などの現代病とは無縁な健康体ということですから。
一方で、もう一つの自然的存在である母乳育児における糖質量を考えると、元の記事のコメントの方の状態と併せて考えると、何が正解なのか悩ましいわけです。
そこで先生の現時点での考えを聞いてみたいと思ったのですが、何か不都合があったのでしょうか?
えびさん
私は私の時間の中で、私の判断でやりたいことをやっております。
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