私も以前は喫煙をしていました。以前の記事「禁煙してもすぐにリスクは低下しない」で書いたように、「禁煙セラピー」という本を読んでタバコをやめました。
しかし、恥ずかしながら子供が生まれたときには、まだタバコを吸っていました。この本を読むまではなかなかやめられませんでした。もちろん、妊娠中や出産後はできる限り換気扇の下や屋外で吸っていました。
母親が妊娠中にタバコを吸うことはもちろん胎児に有害だということは理解できると思います。多くの注目は母親の喫煙に焦点が当てられています。そして、喫煙している世の中の男性は、父親の喫煙は問題はないと思っている人も多いかもしれません。実際はどうなのでしょうか?
今回の研究では、父親の喫煙と母親の受動喫煙とその子供の先天性心疾患のリスクとの関係を調べています。
母親自身が喫煙していると、その子供の先天性心疾患のリスクが25%増加しました。
母親が自分では喫煙していないけれど、受動喫煙に曝露されている場合はどうでしょう。その場合、なんと124%もリスク増加していました。
父親が喫煙している場合では、その子供の先天性心疾患のリスクは74%も増加していました。なんと母親自身が喫煙しているよりもリスクが高いのです。
さらに、喫煙の時期による分析では、母親の受動喫煙についての先天性心疾患のリスク増加は妊娠前で2.51倍、妊娠初期で1.57倍になっていました。そして、妊娠前の父親の喫煙についても1.77倍にもなっていたのです。
母親になろうと思う人は、妊娠前からタバコをやめる必要があるでしょう。そして、同時に父親になろうと思う人もタバコをやめる必要があります。恐らく、妊娠前であってもタバコは遺伝子を傷つけ、精子と卵子をニコチンまみれにしているのでしょう。さらに、女性の前で堂々とタバコを吸うことはやめなければなりません。受動喫煙の方がさらに危険なのですから。妊娠を考えている段階で、女性は煙の中に入るべきではありません。
今回の研究では男性の受動喫煙については調べられていませんが、恐らく女性と同じでリスク増加はあるでしょう。
最近は電子タバコが増加していますが、それについても避ける必要があると思います。
「Parental smoking and the risk of congenital heart defects in offspring: An updated meta-analysis of observational studies」
「親の喫煙と子孫の先天性心不全のリスク:観察研究の最新のメタ分析」(原文はここ)