インドネシアでは米を食べない方向に進んでいる

非常に興味深い記事を見つけました。インドネシアは大量の米を食べています。しかし、糖尿病の増加により、米を食べない方向に舵を切ったようです。

東南アジアの国々では、2億6,000万人のうち最大2,000万人が罹患する病気である糖尿病に取り組むことに苦労しており、脳卒中や心臓病の背後にある最も致死的な殺人者の1つとして考えられています。

しかし、インドネシアで非常に人気のある料理であるナシゴレン(焼き飯)はどこでも売られていて、以前のインドネシアの独裁者であるスハルト元大統領は、穀物を食事に必須のものに変え、インドネシアの料理の生地に織り込まれているため、米を食べる習慣をやめるのは簡単ではありません。

「米なしでの最初の1週間、私は幽霊に取りつかれているように感じました」と、34歳の元建設会社の従業員は言いました。

「しかし、今はもう二度と戻らない」と彼女は付け加えました。

世界中で約4億2,500万人が罹患している糖尿病の合併症は、心臓発作、脳卒中、失明、さらには四肢切断に至る可能性があります。

世界の被害者のほとんどは、インドネシアのような低所得および中所得国に住んでいます。

米には繊維と重要なビタミンが詰まっています。しかし、専門家によると、洗練された白米に過度に依存している不均衡な食事は、血糖値を上昇させるため、糖尿病とインスリン抵抗性の世界的な有病率の増加に関連しています。

公式の数はわかりませんが、ますます多くのインドネシア人が非公式の「米なし」運動を取り入れています。

一部はソーシャルメディアに牽引されており、ジョグジャカルタを含む地方自治体は、昨年、少なくとも週に1日は住民に米を食べさせないよう説得するキャンペーンを展開しました。

インドネシアのコメ政治の遺産は、仕事をより困難にします。

米(および米を使った製品)は、独裁者スハルトの食料自給自足に対する野心的な政策の基礎でした。

このプログラムは70年代に始まり、数十年後には、トウモロコシ、サツマイモ、その他の主食から引き離し、米好きにさせました。

地方自治体がメッセージを推進する中で、スハルト政権は米の消費をより高い社会的地位へのチケットだと売り込んでいました。

「人々は、米は健康的であり、社会的地位が高く、他の主食よりも味が良いという幻想を与えられた」とインドネシアの歴史学者は述べました。

「この米の神話には権威主義的な側面がありました。人々に米を食べさせるように銃を向けたという意味ではなく、多くのインドネシア人の心に神話を深く植え付けました。そして、今は米が私たちの社会に与えた影響がわかったのです。」

この政策は米を、広大な群島の多くがめったに消費しなかった食物から、インドネシア人が今や世界平均の53㎏のほぼ3倍の割合で食べている主食に変えました。

2008年に亡くなったスハルトによって開始された戦略は、需要が供給を上回り、現在、ギャップを埋めるために米の輸入に依存しています。

「戦いは、私たちの胃の中だけでなく、米なしでは満腹にならないという神話の中で生きてきたことにより心の中でも起きています。」と、47歳のジャカルタ在住の人は言いました。

「私の家族は糖尿病の病歴があるため、米や炭水化物を含むものを食べるのをやめました」と彼は付け加えました。

現在、インドネシアは、市民に米の消費を減らすよう説得することにより、数十年前の政策を覆そうとしていますが、当局は、米を世界の平均レベルに下げるには数十年かかる可能性があることを認めました。

「私たちは、多くの主食が入手できるため、米が唯一の炭水化物源であるという考え方を変えるよう人々に奨励しています」と、農業省の食品回復機関長は述べました。

健康上の利点があるにもかかわらず、低米または無米の食事を何百万人ものインドネシア人に売ることは、非常に困難な仕事です。

「米なしのライフスタイルを何度か試しましたが、失敗しました」とバリ在住の人は言いました。

「私の舌はあまりにもインドネシア人の舌になり過ぎているのです-私は米から離れることができませんでした。」

「Indonesians quitting ‘rice addiction’ over diabetes fears」

「インドネシア人が糖尿病の恐怖により「米中毒」をやめる」(記事はここ

(図はここを参照)

上の図では2011年でインドネシアの米の消費量は世界で第5位です。現在は3位のようです。世界の平均的の米消費量の3倍もの米を食べているようです。もちろん、米消費の少ない国では他の穀物を食べているのでしょうけど。日本は意外にも(?)50位です。日本では米以外にうどんやそばなどの麺類、パンなどの消費も相当多いでしょう。

米中毒、炭水化物中毒、糖質中毒はどの国でも同じのようです。日本でもインドネシアと同じように日本人の舌は日本人になり過ぎていて、なかなか離れられない人もいるでしょう。

日本の2016年のデータでは、1世帯(単身世帯を除く)あたり米消費量の全国平均は73.05kg。消費量が最も多いのは静岡県で93.43kg、2位は北海道で87.72kg、3位以下は山形県(85.75kg)、新潟県(85.30kg)、佐賀県(84.05kg)の順だそうです。

一方、最も消費量が少ないのは東京都で59.32kg。これに茨城県(60.20kg)、岡山県(61.17kg)、宮崎県(61.23kg)、宮城県(61.70kg)と続いています。(ここを参照)

平成30年のデータで、1人当たり1年間に何倍のご飯を食べているかのデータですが、米は炊く前のグラム数で65gを1杯としています。(炊いてご飯になると約2.3倍になります。)全国平均で270.6杯だそうです。1位は福井県で381.8杯、2位は静岡県361.8杯、3位が北海道345.5杯だそうです。一方最下位は石川県で198.4杯だそうです。(ここを参照)

もちろんこれらのデータは単純に一人当たりですので、一人でたくさん食べる人もいますし、我々のように糖質制限をして食べない人もいるでしょう。

インドネシアではお米だけでなく、インスタントラーメンの消費も多いようです。韓国がダントツ(年間70食以上)のようですが、インドネシアは2位または3位で一人当たり年間50食以上を食べているようです。これも食べる人は毎日のように食べる人もいれば、私のように全く食べない人もいるでしょう。私は一番最後にいつ食べたかの記憶すらありません。日清をはじめ日本の企業が非常に多くのインスタントラーメンを世界に供給して、世界中の人を苦しめています。たいした栄養もなく、糖質と添加物の塊です。

ちなみに日本の1世帯あたりインスタントラーメン消費量の全国平均は年間6,123gで、カップヌードル(75g)に換算すると82個分だそうです。(韓国よりも多い?データの取り方の違いでしょうけど。)(ここを参照)

都道府県別消費量1位は青森県で9,227g。2位以下は鳥取県、新潟県、富山県、山形県の順です。一方、消費量が最も少ないのは沖縄県で4,656g。これに東京都、滋賀県、長野県、兵庫県と続いています。

インドネシアが避けるべきものはもちろんお米だけではありません。インスタントラーメンも同じです。記事の中で「米や炭水化物を含むもの食べるのをやめた」とあるので、ちゃんと糖質制限が広がりそうな雰囲気もあります。

いずれにしても、インドネシアの国や地方自治体が、国の国民食とまで考えられている米を削減、またはやめるように舵を切ったことは非常に重要です。日本も見習って厚労省がちゃんとガイドラインに示すべきです。

しかし、以前の記事「日本人の食事摂取基準(2020版)(案)を読んでがっかり その2 炭水化物(糖質)」で書いたように、厚労省にその気はないようです。さらに「農林水産省の砂糖の需要拡大情報サイト「ありが糖運動」」で書いたように、国主導で砂糖の需要拡大を行っている状況です。

以前の記事「「天下糖一プロジェクト」 堂々と大ウソ!時代に逆行過ぎる!」で書いたように、当然企業は利益だけを追求しています。我々の健康など考えていません。

世界では砂糖税を導入する動きが活発です。アジアでもすでにインド、タイ、マレーシアで導入されています。インドネシアとシンガポールも導入を本格的に検討しているようです。(この記事参照)しかも、シンガポールはもっと強化した規制を検討中です。砂糖税の導入だけでなく、2019年10月には糖分の高いパッケージ甘味飲料の広告を全面的に禁止する方針を発表し、さらにその先にはソフトドリンクやエナジードリンクなどの糖分の多い飲料の販売禁止まで考えています。すでにシンガポールでは学校や政府の施設で250ml当たり3杯以上の砂糖を含むソフトドリンクの販売を禁止しているようです。(この記事参照)

私も拙著「「糖質過剰」症候群 あらゆる病に共通する原因」の中で、砂糖税の早急な導入を提案させていただいています。また子供たちへの販売も規制すべきだと提言しています。

日本はどこまで逆行して、どこまで国民を苦しめるのでしょうか?

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コメント

  1. らこ より:

    米消費量上位9位まで全て東南アジアですか!
    糖質中毒恐るべし

    • Dr.Shimizu より:

      らこさん、コメントありがとうございます。

      9位まで東南アジアなのは、単に食習慣の違いです。他の国は米でなく、小麦粉やジャガイモなどから
      大量の糖質を摂取しているだけの話です。

  2. ミホ より:

    シミズ先生、こんにちは。

    国民の健康を真に考えるならば、これが国として誠実な対応だと思います。

    このポスターは「日本人はそんなに米を食べてないんだ」とでも思わせたいのでしょうか?
    そして米の消費を増やしたいのか?と勘ぐってしまいますね…。

    • Dr.Shimizu より:

      ミホさん、コメントありがとうございます。

      日本は米だけでなく、小麦粉製品も大量ですし、砂糖入りの飲み物やお菓子の消費も多いと思いますので、
      米だけ減らしてもダメだと思います。やはり、糖質というくくりでものを考えた方が妥当でしょう。