新型コロナウイルスと抗体検査 その2

安倍首相もいろいろ迷走しているようですが、みなさんはどのように評価されているでしょうか?各国の新型コロナウイルスへの対策についての国民の評価では、日本は圧倒的に新型コロナ感染者が多いアメリカのトランプさんよりも大きく評価が低く、最低レベルのようですね。国民には外出自粛を強く呼びかけているのに、奥さんには外出自粛を言っていないようですから。納得です。

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以前の記事「新型コロナウイルスと抗体検査 その1」で書きましたが、まだまだ分からないことが多いこのウイルスの抗体検査を日本も導入しようと考えています。

読売新聞によると、「政府は月内にも、新型コロナウイルスの感染歴の有無を調べる抗体検査に着手する。数千人程度を抽出調査する方向だ。全国的な感染拡大に伴い、地域ごとの感染の広がりを正確に把握する狙いがある。…政府内では、入院患者に抗体検査をし、抗体反応があれば退院させる案も出ている。「PCR検査で2回の陰性確認」としている退院の条件を緩和するものだ。医療関係者を対象とした抗体検査も検討している。

ということだそうです。欧米でも抗体検査を導入して「免疫パスポート」のようなものを発行するプロジェクトもあるようですが、なんせ、まだまだ不明な部分の多いウイルスなので、日本はどのように扱うのか、注目したいですね。

アメリカのカルフォルニア州のサンタクララの3,330人のサンプルによる研究(プレプリント)では、4月3~4日の時点での抗体陽性率は1.5%でした。人口分布で調整すると2.81%でした。検査キットは80.3%の感度と99.5%の特異度だったようです。20%は偽陰性ということは20%の感染者では抗体が検出されないということでしょうか?様々な調整を加えた抗体陽性率は2.49%~4.16%と推測されました。不確実性を考えると最大で5.70%と考えられました。

ここで得られたデータをもとに分析すると、4月1日(この調査終了の3日前)までに、48,000人から81,000人がサンタクララで感染していたことを考えられます。しかし、実際には4月1日にサンタクララで報告された陽性の確定症例数は956人で、この研究で予測された感染数よりも50〜85倍少なかった計算になります。

カルフォルニア州のPCR検査は4月18日現在で、人口100万人あたり6,294件行われています。一方日本のPCR検査は人口100万人あたり796件で、カルフォルニアの約8分の1程度です。そのまま日本に当てはめるわけにはいきませんが、無理に当てはめると、日本の陽性者数は今の8倍くらいはいても不思議ではないことになるかもしれません。日本の現在の陽性者は約1万人ですので、それの8倍の50~85倍を計算すると、400万~680万人すでに感染しているかもしれません。(そんな単純計算ではありませんが)

日本の死者数は約200人とすると、致死率は200/4,000,000=0.005%!楽観的すぎるでしょうか?

日本政府の抗体検査の結果をどのように扱うかは別として、早く実施して日本の現在の状況の推測を知りたいですね。

 

「COVID-19 Antibody Seroprevalence in Santa Clara County, California」

「カリフォルニア州サンタクララ郡におけるCOVID-19血清抗体陽性率」(原文はここ

2 thoughts on “新型コロナウイルスと抗体検査 その2

  1. 下記のサイトによると日本でもいろんな検査キットが開発・検証されているようですが、どの検査キットを使うんでしょうかね?
    https://www.chemicaldaily.co.jp/%e6%96%b0%e5%9e%8b%e3%82%b3%e3%83%ad%e3%83%8a%e3%80%80%e9%87%8d%e8%a6%81%e6%80%a7%e5%a2%97%e3%81%99%e3%80%8c%e6%8a%97%e4%bd%93%e6%a4%9c%e6%9f%bb%e3%80%8d%e3%80%80%e5%b8%82%e8%b2%a9%e5%93%81%e3%81%ae/

    本当に早く実施して、結果をオープンにして欲しいですね。

    1. 愛読者さん、コメントありがとうございます。

      性能に関しては評価が難しいかもしれませんね。いずれにしても早い結果を期待します。

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