逆流性食道炎と大量の糖質摂取

逆流性食道炎は胸焼けを症状とすることもあり、大量の食事や脂肪分の摂りすぎが原因と考える人がいます。しかし、逆流性食道炎は糖質過剰摂取により起きていると私は考えています。糖質制限をすると100%ではないかもしれませんが、ほとんどの人は改善します。(「PPI(プロトンポンプ阻害薬)の暗黒面 その3 胃酸が逆流する本当の原因(仮説)」など参照)

12人と非常に少ない研究ではありますが、逆流性食道炎と糖質の関連を上手く(?)捉えた研究があります。糖質大量摂取で、かなり無理のある設定ですので怪しいかもしれませんが。

胃食道逆流症(GERD)を呈する人12人を対象としました。PPIなどの胃酸分泌に影響のある薬を使った人は除外されています。今回の研究では、胸やけは、胃や下部の胸部から生じる灼熱感として定義され、患者が前屈したり腹部に圧力をかけた後に悪化しました。前の月に少なくとも週2回、胸やけを認めました。

食道炎は内視鏡検査によるロサンゼルス分類で評価し、非びらん性胃食道逆流症(NERD)は内視鏡的に食道粘膜に異常を認めないにもかかわらず逆流症状が出現するものと定義されました。

内視鏡と24時間の食道のpHを測定しました。pHは酸性の胃液が逆流すると低下します。そして、昼食と夕食に500mlの液体を摂取しました。液体摂取後2時間は横になったり眠ったりすることを禁じられました。液体の食事は以下の通りです。

低炭水化物食:タンパク質10.4g、脂質10.4g、炭水化物84.8g、474.4kcal

高炭水化物食:タンパク質10.4g、脂質10.4g、炭水化物178.8g、850.4kcal

GERDの評価はJohnson-DeMeesterスコアによって行われました。このスコアはpH4未満の時間の全体のパーセンテージ、直立姿勢でのpH4未満の時間のパーセンテージ、仰臥位におけるpH4未満の時間のパーセンテージ、全ての逆流エピソード数、5分より長い逆流エピソード数、最も長い逆流エピソード数の6つの項目で評価します。これらのスコアを計算し、14.7を超えるスコアがGERDの指標です。

結果は次の様でした。(図は原文より)

上の図でそれぞれのグラフの左のバーが低炭水化物食、右のバーが高炭水化物食です。AはJohnson-DeMeesterスコア、Bはトータルの逆流時間、Cはトータルの逆流時間のパーセンテージ、Dは逆流した回数、Eは5分を超える長い逆流の回数、Fは最も長い逆流時間です。全てのグラフで明らかに高炭水化物食の方が逆流のスコアも時間も回数も多いことがわかります。

上の図はNERDとGERDグレードA、GERDグレードB(AよりBの方が進行した状態)におけるそれぞれの液体の食事をした後120分間の胃酸逆流症状を示した時間を表しています。どのグループでも明らかに高炭水化物食の方が症状が多く、さらにGERDグレードBでより多くの症状を認めました。

GERDを有する肥満の人で、炭水化物が非常に低い食事は、食道への胃酸の逆流を有意に減少させ、症状を改善することを報告している研究もあります。(その研究はここ

ただ、今回の研究では低炭水化物群の炭水化物量が80gを超えています。糖質制限から見るとかなり過剰な量です。高炭水化物群食の方はさらに無理のある炭水化物量です。だから、もちろんこれでは糖質制限をすれば逆流性食道炎が改善する証拠とは言えません。しかし、少なくとも糖質量(炭水化物量)が増えることは逆流を増やす可能性は非常に高くなると示唆されます。どうせなら、糖質をほとんど含まないコントロール群も行って欲しかったですね。

PPI(プロトンポンプ阻害薬)に頼っていると、薬をやめられなくなる可能性があります。(「PPI(プロトンポンプ阻害薬)の暗黒面 その1 薬を止められなくする仕組み」参照)

そして以前の記事「PPI(プロトンポンプ阻害薬)の暗黒面 その2 PPIは多くの病気を引き起こす可能性がある」に書いたように、様々な有害な作用を認める可能性すらあります。

逆流性食道炎になったらまずは糖質制限をしましょう。

「The effect of dietary carbohydrate on gastroesophageal reflux disease」

「食事の炭水化物が胃食道逆流症に及ぼす影響」(原文はここ

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コメント

  1. ランファン より:

    私はおそらくランニングや筋トレでGERDになった34歳男、ランニング歴18年です。
    15歳ころから、逆流性食道炎に苦しみ日によってジョグすら出来ないことがありました。28歳時に逆流性食道炎の不安から胃カメラをするとパレット上皮Bと診断されパリエット、ネキシウムを処方され対症療法で競技を続けていました。逆流性食道炎の原因に糖質過多があることを、書籍やブログから得て試しに主食抜き[米、パン、麺類)実践すると、不思議と症状が全く無くなり、ランニングに集中出来るようなりました。パレット上皮も毎年の胃カメラで改善が認められ、4年後には正常に戻りました。
    私と同じように苦しんでいる方がおりましたら、騙されたと思ってぜひ試していただきたいです。

    • Dr.Shimizu より:

      ランファンさん、コメントありがとうございます。

      15歳からの逆流性食道炎が糖質制限(主食抜き)で完治、良かったですね。
      バレット上皮も改善ですが、4年もかかるんですね。糖質過多の恐ろしさです。

      「騙されたと思って」やるべきですね。

      今度記事にさせていただきます。