世にも恐ろしい赤ちゃんの鉄ましまし人体実験 その2

以前の記事「世にも恐ろしい赤ちゃんの鉄ましまし人体実験 その1」では、赤ちゃんに鉄の補給をしたところ成長が悪くなるという人体実験について書きました。どこの国でもこのような赤ちゃんに対する人体実験は行われているようです。今回はアメリカ人の研究ですが、場所はチリで行われた人体実験です。しかも今回は6~12か月のときに鉄を補給させられた赤ちゃんが10年後どうなるかを研究しています。残酷です。

ヨーロッパの乳児用調製粉ミルクは通常アメリカよりも鉄の含有量が少ないです。アメリカでは12~13mg/Lで、ヨーロッパでは4~7mg/Lだそうです。

今回の研究ではアメリカでは一般的な量の鉄強化ミルクと少ない量の鉄のミルクを飲ませた赤ちゃんを比較しています。6〜12ヶ月の間、離乳も始まっているので、鉄強化(12.7 mg / L)または低量の鉄(2.3 mg / L)のミルクを600ml前後飲んでいたようです。(図は原文より)

上の図は10年後の発達に関連する様々な指標です。AはIQ、Bは空間記憶、Cは算数の成績、Dは視覚運動統合、Eは視覚、Fは運動協調性です。低量の鉄群と比較して鉄強化群では全体として、空間記憶と視覚運動統合で有意に低いスコアでした。他のIQ、算数、視覚、運動協調性については鉄強化群の方が低い傾向でした。そして、上の図のように、6か月の時点でのヘモグロビン値が大きく関連しているようでした。横軸がヘモグロビン値です。日本の単位の違うので、数値は日本の10倍になっています。■が鉄強化群、グレーの〇が低量の鉄群です。

そうすると、最もヘモグロビン値が低い子では、鉄強化がスコアを改善し、有益な効果を示しています。しかし、鉄強化群は右肩下がり、低量の鉄群では右肩上がりのスコアを示し、6か月のときに十分なヘモグロビンを持った子では鉄強化が有害な作用を示し、全てのスコアがかなり低くなっています。

アメリカの赤ちゃんの6か月でのヘモグロビン値はチリよりも高いと考えられています。しかし、アメリカの赤ちゃんの飲んでいるミルクは鉄強化ミルクです。非常に恐ろしい状況かもしれません。本来であればもっと神経の発達が良いはずの赤ちゃんが鉄により、神経発達を悪くさせられている可能性があるのですから。

日本の粉ミルクは100g当たり鉄が6mgしか入っていません。お湯に溶いたら、かなり少ないでしょう。ヘモグロビンが低い赤ちゃんには全く足りない量ですが、十分なヘモグロビンの赤ちゃんにとっては安全な量ですね。

それにしても、非常に繊細な違いです。赤ちゃんが成長する段階では様々な栄養が大量に必要になるのでしょうが、多すぎても少なすぎても問題になる可能性があります。

今回の人体実験は良かれと思って行ったのでしょう。しかし、結果は意外だったかもしれません。ヘモグロビンが十分な赤ちゃんで鉄を強化された子供が一番かわいそうです。リスクアンドベネフィットのバランスは非常に難しいです。

「Excess iron intake as a factor in growth, infections, and development of infants and young children」

「乳児および幼児の成長、感染、および発達の要因としての鉄の過剰摂取」(原文はここ

「Iron-fortified vs low-iron infant formula: developmental outcome at 10 years」

「鉄強化と低鉄の乳児用調製粉乳:10年後の発達転帰」(原文はここ

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