夜間低血糖にご注意を

先日の記事「機能性低血糖に気づきましょう」では、機能性低血糖について書きましたが、その機能性低血糖についてコメントをいただきました。

昨日の機能性低血糖ですが、

糖質制限を始める前、よく寝汗を掻くことがありました。夜中に着替えるほど大量の汗です。
そして、夕食後は毎晩のように急激な眠気でリビングで眠ってしまう事もしばしばありました。
このころは仕事も忙しく、疲れているのかと思っていましたが、他にも手首関節の痛みや手の浮腫みなども整形外科での治療効果が全くない症状も続いていました。

それからしばらくして、75gOGTT(2時間)を受けて、糖尿病と診断されたのですが、検査が終わり、帰宅してOGTT開始から4時間あたりで異様な眠気で起き上がるのも億劫な状態になりました。
この時のリブレの値が測定下限の40mg/dLで、食パン1枚を補食しました。

今、考えると夜中の大量の汗も夕食後の異様な眠気も食後の低血糖だったのだろうと思われます。現在は、糖質制限で全ての症状は解消しています。

夜間寝ているときに低血糖になるのを夜間低血糖(Nocturnal Hypoglycemia)と言います。

夜間低血糖は多くの場合気づかれないでしょう。現在はフリースタイルリブレなどを使えば、あとから夜間低血糖をとらえることができるようになりました。

低血糖は非常に危険です。しかし、寝ているのでわかりません。ただ、様々な症状を起こす場合もあるので、後から考えると低血糖になっていたのではないかと思う方も多いかもしれませんね。

当然糖尿病でインスリン治療をしている人で起きやすくなるでしょう。インスリンではなくても糖尿病薬のスルホニルウレア剤などでも起きやすくなるでしょう。また、いつもよりも激しい運動をした後、寝る前のアルコール摂取なども危険因子でしょう。そうではなくても糖質過剰摂取の夕食や夜食を摂れば、機能性低血糖が夜間に訪れることもあるでしょう。

症状としては次のようなものがあると言われています。

鮮明な夢や悪夢、中途覚醒、寝汗、朝の頭痛や倦怠感、ふるえ、動機、呼吸パターンの変化など。

コメントをいただいた方も異常な寝汗を経験していたそうです。私も糖質制限前は何度も寝汗をかいていました。恐らく低血糖になっていたのでしょう。今でも、以前の記事「フリースタイルリブレを使った人体実験その14 酒の飲みすぎ」で書いたように、お酒を飲みすぎるとやはり低血糖は起きやすいようです。朝の頭痛が二日酔いなのか、夜間低血糖なのかは区別がつきません。

症例報告では夢遊病のような症状があったと報告しています。

54歳の中国人男性は、1年以上の夜間異常行動の病歴がありました。彼の妻は入院前の約1年間彼の夜間の行動を目撃していました。入眠後1〜2時間で、叫び声、無意味な話し、暴力的な動き、物を投げたり拾ったり、ベッドから離れたり、カーテンの後ろに隠れたり、顔をしかめたり、愛犬を追い払ったりするなどの異常な行動が観察されました。これらの行動は通常2時間続きました。

他の報告は1型糖尿病の26歳の白人女性です。

少なくとも週に1回、吐き気を伴う頭痛で目が覚めました。さらに、週に1、2回、目覚めたとき、就寝時にきれいだった靴下が汚れていたため、夜中に家の外にいたことを認識しました。彼女は夜中に家を出た記憶がなく、夫はぐっすり眠っていて気づきませんでした。彼女は「夢遊病」の強い家族歴を持っていたようです。

どちらも糖尿病の薬などを調整した後は夢遊病のエピソードが消失しています。

夢遊病の中には少なからず夜間低血糖が含まれている可能性が高いでしょう。

夢遊病のような症状は別として、悪夢や寝汗や朝の頭痛などを自覚したら夜間に低血糖が起きているかもしれません。

機能性低血糖も夜間低血糖も注意が必要です。

糖質過剰症候群

「Abnormal nocturnal behavior due to hypoglycemia A case report」

「低血糖による異常な夜行性行動:症例報告」(原文はここ

「Nocturnal hypoglycaemia presenting as somnambulism」

「夢遊病として現れる夜行性低血糖症」(原文はここ

2 thoughts on “夜間低血糖にご注意を

  1. 記事にしていただき、恐縮です。

    >朝の頭痛が二日酔いなのか、夜間低血糖なのかは区別がつきません。

    私も起床時の頭痛が結構な頻度であります。
    就寝中はSpO2を連続測定できる酸素濃度計で測っていますが、70%以下になることが多いです。
    私の場合はこれが頭痛の原因かと思いますが、同じく、二日酔いと区別がつきません。
    睡眠時無呼吸は、未受診のため、自己判断になりますが、あまりいびきをかかないので、中枢性睡眠時無呼吸ではないかと思います。睡眠の深さに応じて酸素濃度が下がり、頻度が上がっています。
    そして、睡眠時の低酸素は翌日以降の耐糖能に影響するようです。グラフにするとゆるい逆相関を示します。低酸素も体にダメージが大きいようですから、コロナで延び延びになっていますが、一度、受診してみようと思います。

    1. 西村 典彦さん、コメントありがとうございます。

      確かに睡眠時無呼吸も朝の頭痛の原因となりそうですね。低血糖も低酸素もダメージがあるでしょう。

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