経口ブドウ糖負荷試験の30分値

糖尿病の診断で行う経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)で、2時間後血糖値が200mg/dl以上の場合、糖尿病型であるとしています。

しかし、その前の時間帯、30分値、1時間値も非常に重要です。

1時間値に関しては、以前の記事「経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)の1時間値」に書きましたが、30分値はどうでしょうか?

ベースラインで糖尿病のない5,861人の人のOGTTを行い、血糖値変動のパターンによってその後のリスクを評価しました。
OGTTで4つの異なる血糖値パターンが特定されました。(図は原文より)

上の図のaは4つのパターンです。あいにく血糖値がどの値以上だとクラスがどうなるかが書かれているところが見つかりませんでした。緑の線がクラス1で32%を占めました。このパターンは30分値も低く2時間値もベースラインに戻っている人です。薄い青い線はクラス2で 43%を占めました。30分値で150くらいまで血糖値が上がり、2時間値もベースラインまでは戻っていないものです。濃い青い線はクラス3で13%でした。これは30分値は180を超える血糖値の上昇を示し、2時間値はベースラインに戻っているものです。そして赤い線はクラス4で12%となりました。30分値も180以上で、2時間値もあまり下がらず160くらいあります。

図のbは糖尿病、cは心血管疾患、dは全原因による死亡の累積発生率です。当然とは思いますが、赤い線が最も糖尿病、心血管疾患の発生率、死亡率が高くなっています。しかし、クラス3の30分値は非常に血糖値が上昇するけれど、2時間値はもとに戻るパターンの人も、リスクが高いことがわかります。

上の図はクラス分類でのリスクを示しています。クラス1と比較して、糖尿病の発生はクラス3でも4倍、クラス4では8.6倍です。全原因死亡はクラス3で1.6倍、クラス4で1.8倍です。

つまり、30分値が高くても十分に耐糖能が異常をきたしている可能性が高く、様々なリスクが高くなるのです。30分値、1時間値が高いことがわかれば、2時間値が低くても安心できません。簡単に言えば糖質を摂取してどのタイミングでも血糖値が140~160以上に上がるようであれば、耐糖能が低下していると考えられます。

30分値や1時間値が高ければすぐにでも糖質制限をすることが重要でしょう。

「Glucose patterns during an oral glucose tolerance test and associations with future diabetes, cardiovascular disease and all-cause mortality rate」

「経口ブドウ糖負荷試験中の血糖値パターンおよび将来の糖尿病、心血管疾患、およびすべての原因による死亡率との関連」(原文はここ

コメント

  1. 鈴木 武彦 より:

    上記30分値が高くても、健診などではHbA1cは正常範囲内になる場合もあるのでしょうね。

    やはり糖質制限しながら自分の血糖値も日々把握しておくことが大事ですね。

    • Dr.Shimizu より:

      鈴木 武彦さん、コメントありがとうございます。

      もっと手軽に食後血糖値を測定できると良いですね。

  2. じょん より:

    清水先生、こんばんは。

    以前の1時間値の時にコメントをした内容ですが、2017年1月に実施したOGTTは次のような結果でした。
    Pre 血糖100 mg/dL インスリン4.1μU/mL
    30 min 血糖104 インスリン14.4
    60 min 血糖107 インスリン11.3
    90 min 血糖103 インスリン17.7
    120 min. 血糖. 92 インスリン14.7

    血糖値はそれほど高くはなっていませんが、30分よりも60分で少し上昇しています。パターンとしては?です。

    • Dr.Shimizu より:

      じょんさん、コメントありがとうございます。

      血糖値があまりにも変化が少ないですね。いわゆる無反応性ですかね?疲れやすくないでしょうか?

  3. じょん より:

    清水先生、こんばんは。

    特に疲れやすいことはないです。

    糖質制限をする前は、血糖も140 mg/dLくらいまで上昇していました。糖質制限を始めてからは120 mg/dL程度です。2016年は30 minで101 mg/dL、60 minで121 mg/dLでした。その後は速やかに低下していました。そして、2017年の結果は先日コメントした通りです。
    OGTT検査の数日前からはお米を普通に食べるようにしていたと記憶しています。
    その後、 OGTTはしていません。

  4. 伊藤 より:

    >簡単に言えば糖質を摂取してどのタイミングでも血糖値が140~160以上に上がるようであれば、耐糖能が低下していると考えられます。

    35歳以上の日本人が空きっ腹の状態で糖質を接種して140未満に収まることなんてあるんですか?
    私などは干し芋50g食べただけで140超えます。

    • Dr.Shimizu より:

      伊藤さん、コメントありがとうございます。

      35歳以上というのが良くわかりませんが、干し芋50gで140を超えるのであれば耐糖能が少し低下してるかもしれません。