眠るときは明かりを消して

私は小さなころ、真っ暗の部屋で眠るのが怖かったです。昔の照明には、小さな豆電球の常夜灯が付いていたので、その明かりはずっと点けて寝ていました。それでも少し怖かったです。現在は真っ暗にして眠っています。

明るくないと眠れない人もいるのかどうかはわかりませんが、明るい部屋で睡眠をとることは、体にとっては良いことではないと思われます。

それは明かりによって交感神経系が刺激されてしまうからだと思われます。

今回の研究では、中程度の光(100ルクス)または薄暗い光(3ルクス未満)の環境で睡眠をとってもらいました。次の朝にOGTT(経口ブドウ糖負荷試験)を行います。対象は20~30代の健康な成人です。1日目の夜(Day1)はどちらのグループも薄暗い光の中で眠ります。2日目の夜は中程度の光グループと薄暗い光グループに分かれます。(図は原文より)

上の図はインスリン抵抗性のHOMA-IRを示しています。図のの赤い方は2日目に中程度の光の中で眠ったグループ、黒い方は2日目は薄暗い光で眠ったグループです。中程度の光の方がインスリン抵抗性が増加しています。

 

上の図は朝のOGTTです。中程度の光のグループは1日目よりも2日目でインスリンが増加しています。

 

 

上の図はOGTTの最初の30分間のインスリンの曲線下面積です。中程度の光の方が増加しています。

 

上の図はインスリン感受性を表す松田インデックスです。これも中程度の光の方が低下しています。

 

上の図はAとBが心拍数、CとDが心拍の変動のLF/HF(LF(低周波)とHF(高周波)のパワーの比率)です。LF/HFは交感神経機能の指標として用いられ、リラックスしていると相対的にHF成分が大きくなり、LF/HFの値は小さくなります。ストレスに晒されるとHFに対してLF成分が大きくなり、LF/HFの値が大きくなります。非常に安静な状態では2.0より小さく、日常の安静時では2~3、副交感神経が抑制または交感神経が活性化している状態では4.0以上の値になるようです。(ここ参照)

そうすると中程度の光のグループでは心拍数もLF/HFも増加していました。つまり、睡眠中の光は交感神経を刺激してしまうようです。

寝室の明かりはもちろん、テレビやスマホなどの明かりも眠る前に浴び続けるのはもしかしたら睡眠の質を悪くしたり、交感神経を刺激し、インスリン抵抗性を高めてしまうかもしれませんね。

「Light exposure during sleep impairs cardiometabolic function」

「睡眠中の光曝露は心臓代謝機能を損なう」(原文はここ

3 thoughts on “眠るときは明かりを消して

  1. 「寝室の明かりはもちろん、テレビやスマホなどの明かりも眠る前に浴び続けるのは
    もしかしたら睡眠の質を悪くしたり」←私も聞いたことがありましたが、
    「交感神経を刺激し、インスリン抵抗性を高めてしまうかも」←怖いですね。

  2. 私は子供の頃から真っ暗じゃないと寝られないですね。
    真っ暗な部屋で、布団に入って眠る直前までスマホ見てますが、スマホ置いたら5秒くらいで意識なくしてます。
    昨夜の地震の時ちょうど布団に入ったところで「あ、揺れてるな~…」って思ってたんですが、いつの間にか意識失っていました。逃げ遅れて死ぬタイプですね 笑
    インスリン抵抗性が上がるのは困ります…
    でもスマホやめられない… 笑

    1. ミホさん、コメントありがとうございます。

      一晩中光を浴びている状態に比べれば、寝る前のスマホは大したことないかもしれませんね。
      そういう私も寝る前までスマホを見ています。

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