私は以前、よく「いびき」をかいていました。呼吸が短時間止まってることもあったようです。睡眠時無呼吸症候群、頻繁ないびきに対して「CPAP(シーパップ):持続陽圧呼吸療法」が行われています。しかし、これも対症療法であり、CPAPをしていてもその原因が改善するわけではありません。そうすると、ずっとCPAPのお世話にならなければなりませんし、その背後では原因となるものがどんどん悪化し、次の疾患が現れてきます。
今回の研究では、いびきをかき心血管疾患のない30歳~64歳の3,948人が対象です。1,224人 (31.4%) が前糖尿病で、355人 (9.1%) が 2 型糖尿病でした。いびきの強度や頻度と空腹時血糖、HbA1cとの関連を分析しました。(表は原文より改変)
いびきの特徴 | 前糖尿病 | 2型糖尿病 | |
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オッズ比 (95% CI) | オッズ比 (95% CI) | ||
モデル 3 | モデル 3 | ||
強度 | |||
いびきをかかない | 1.00 | 1.00 | |
呼吸より少し大きい | 1.32 (1.08-1.61) | 1.44 (1.03-1.82) | |
話すほどの大きさ | 1.47 (1.21-1.97) | 1.71 (1.21-2.38) | |
話すよりうるさい | 1.52 (1.11-2.00) | 1.80 (1.15-1.96) | |
うるさい | 1.81 (1.07-2.33) | 1.84 (1.14-2.95) | |
頻度 | |||
まったくまたはほとんどない | 1.00 | 1.00 | |
月1~2回 | 1.33 (1.00-1.79) | 1.46 (1.04-1.99) | |
週に1~2回 | 1.47 (1.05-1.87) | 1.50 (1.05-2.13) | |
週に3~4回 | 1.57 (1.07-1.95) | 1.60 (1.13-2.31) | |
ほとんど毎日 | 1.79 (1.33-2.24) | 2.05 (1.48-2.83) | |
他人の睡眠妨害 | |||
いびきをかかない | 1.00 | 1.00 | |
睡眠妨害ではない | 1.29 (1.01-1.60) | 1.38 (1.01-1.88) | |
睡眠妨害 | 1.16 (0.87-1.59) | 1.59 (1.10-2.25) | |
呼吸の乱れ(睡眠時無呼吸) | |||
まったくまたはほとんどない | 1.00 (参照) | 1.00 (参照) | |
月1~2回 | 0.78 (0.45-1.50) | 1.66 (0.91-2.92) | |
週に1~2回 | 1.53 (0.88-2.19) | 1.83 (1.05-3.07) | |
週に3~4回 | 1.87 (0.69-2.43) | 1.90 (1.07-3.65) | |
ほとんど毎日 | 1.28 (0.64-2.09) | 2.20 (1.06-4.30) |
いびきの個々の特徴と前糖尿病および2型糖尿病との関連を示しています。いびきの強度、頻度、呼吸の乱れはどれも強くなるほど2型糖尿病および前糖尿病の可能性が高くなりました。さらに、いびきの強度や頻度が高い場合の糖尿病の可能性が高くなることは、BMIが25以上でも25未満でも関連が認められました。
肥満の上気道は軟部組織の発達や過度の脂肪のため常に狭くなっています。しかし、恐らくはそれだけではなく、肥満とは無関係にインスリン抵抗性が睡眠時無呼吸症候群と関連しているという研究がいくつも存在します。(ここ参照)
糖質過剰摂取により頻回の高血糖、高インスリン血症が起こり、上気道の軟部組織や筋肉などの慢性的な炎症、浮腫、気道の筋肉の神経障害による筋肉の弛緩などにより、いびきや睡眠時無呼吸が起こるのではないかと思われます。
いびきや睡眠時無呼吸症候群に対して耳鼻科や内科の医師の中でどれほどの人が食事内容を確認するでしょうか?インスリン抵抗性について言及する医師はどれくらいいるでしょうか?もちろん肥満があればそれについては減量を推奨するでしょう。それさえしない医師もいるかもしれません。
CPAPでは根本原因は改善しません。根本原因は糖質過剰摂取です。いびきや睡眠時無呼吸症候群にはまず糖質制限です。
「Association of Snoring with Prediabetes and Type 2 Diabetes Mellitus: The Cardiovascular and Metabolic Diseases Etiology Research Center Cohort」
「いびきと前糖尿病および 2 型糖尿病との関連: 心血管および代謝疾患の病因研究センターコホート」(原文はここ」
対症療法、確かにそれ無しでは
いられなくなり、
しかも原因疾患は悪化するばかり。
怖いですね。
鈴木武彦さん、コメントありがとうございます。
本来は対症療法は原因を改善するまでのつなぎでしかないはずです。
しかし、現在は対症療法が本来の治療と化しています。
だから患者はずっと患者のままでいてくれるのです。
糖質制限で25キロ痩せました。太っているときは睡眠時無呼吸がひどくて、朝起きても徹夜明けみたいな感じでした。今は睡眠時無呼吸症候群は消えましたが、いびきはなおらんです。
名無しさん、コメントありがとうございます。
確かにいびきは完全には消えないかもしれないですね。
私は鼻が悪いので、よく寝ている間に鼻が詰まり、口呼吸になります。
そして、時折いびきをかくようです。