「人間は外見じゃない、中身だ!」
と言われていますが、もちろん中身というのは「心」のことでしょう。しかし、体の中身の健康に関してはやはり外見に表れてくるようです。若く見えるということは中身も若いのです。
今回の研究では顔立ちと加齢に関連する疾患の関連を調べています。今回の研究では、顔の見た目から推測される知覚年齢(perceived age;PA)と実際の年齢との差を調べ、様々な加齢に関連する疾患の罹患率との関連を分析しました。PAを評価するために、51.5〜87.8歳(年齢の中央値は65.8歳)の2679人の男女の高解像度の顔写真が使用されました。そして、実際の年齢を知らない状態で、27人の評価者によってPAを採点されました。「若く見える」、「年齢に相応に見える」、「老けて見える」の3つに分類しました。
若く見えるグループは、実年齢より平均で5.3歳若く、男性が61%、喫煙頻度が低く、BMIが高くなっていました(と言っても若く見えるグループの平均BMIが28.1で、老けて見えるグループの平均は26.9ですが)。老けて見えるグループは平均で5.6歳年老いて見えました。
結果 | OR (95% CI) |
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腎障害 | 1.00 (0.87–1.15) |
心房細動 | 1.12 (0.92–1.37) |
虚血性冠動脈疾患 | 0.94 (0.80–1.10) |
慢性閉塞性肺疾患 | 0.85 ( 0.77–0.95) |
変形性関節症 | 0.97 (0.88–1.07) |
骨粗しょう症 | 0.76 ( 0.62–0.93) |
加齢黄斑変性 | 0.97 (0.90–1.05) |
白内障 | 0.84 ( 0.73–0.97) |
緑内障による視野欠損 | 0.92 (0.67–1.26) |
有意差が出たのは、慢性閉塞性肺疾患、骨粗しょう症、白内障でした。ΔPA が高いとそれらの疾患に罹患する可能性が低下しています。ΔPA は、加齢性難聴のリスク低下および認知機能が高いこととも関連していました。
PAと顔のしわは、皮膚の細胞老化の増加や血液細胞のテロメアの長さの短縮と関連しています。さらに加齢性の疾患のほとんどは糖質過剰症候群でもあります。糖質過剰摂取により終末糖化産物(AGEs)が蓄積します。当然皮膚にもAGEsが増加するので、しわや皮膚のシミおよびくすみ、弾力性の低下などの原因にもなるでしょう。
さらに、PAがより若いと評価された人では、アテローム性動脈硬化の指標である頸動脈内膜中膜厚(IMT) が有意に低いという報告もあります。(ここ参照)
また、20,000人の男性の研究では、顔のしわ、髪の白髪、およびハゲが心筋梗塞と相関していました。(ここ参照)25~93 歳の女性 463人を対象としたでは、PA が高いほど骨密度が低いことが明らかになりました。(ここ参照)
そして、PAが高いと死亡率も高いという研究もあります。(ここ参照)
糖質制限をして運動をして、見た目も中身も若さを維持しましょう。
「Younger facial looks are associate with a lower likelihood of several age-related morbidities in the middle-aged to elderly」
「若々しい顔立ちは、中年から高齢者におけるいくつかの加齢関連疾患の可能性が低いことに関連している」(原文はここ)
心技体、あの井上尚弥選手も、落合博満さんも、
体が強ければ、心も技もついてくる、と言ってます。
逆に、体調悪い時には中々頑張れません。