高脂肪食で脂肪肝?

いまだに、脂肪肝の原因が脂質の摂り過ぎだと考えている人がいます。最近、こんな記事が出ていました。(記事はここ

この記事は、生物学者で某国立大学の栄誉教授の方の著書からのものです。オートファジーの専門家のようです。昔は名誉教授なんて言葉を使っていましたが、今は栄誉教授なんでしょうか?しかも、この著書はブルーバックスから出ています。ブルーバックスは様々な科学的なことを一般の人にもわかりやすく解説する本だと思っていましたが、今回の記事を見ると科学的な検証が不十分なことも多そうですね。

この記事のタイトルは、「脂肪肝に悩む人にも朗報…最新研究が生活習慣病を救う」です。そしてサブタイトルは「高脂肪食でオートファジーの機能が低下」。おっと高脂肪食と来ました。怪しい匂いがしますね。

この記事の2ページ目に「脂肪肝の原因は高脂肪食の食べ過ぎであることはわかっている」と書かれています。

一般の方は脂肪肝の原因は高脂肪食だと思っているのかもしれませんが、実際には間違いです。最初のページに脂肪肝の例えとしてフォアグラを挙げていますが、フォアグラはトウモロコシを中心とした穀物、つまり糖質を無理やり大量にエサとして食べさせているはずです。

以前の記事「果物を食べ過ぎると脂肪肝が悪化する」で書いたように、果物をたくさん食べると肝機能、脂肪肝の状態は悪化します。

以前の記事「糖質制限は非アルコール性脂肪肝を劇的に改善する」で書いたように、糖質制限で脂肪肝は劇的に改善します。糖質制限食は高タンパク、高脂肪食でもあります。「糖質制限とカロリー制限 脂肪肝をより改善するのはどっち?」でも書いたように、糖質制限ではたった2週間で肝臓の脂肪は半減します。

さらに「アメリカ心臓協会が出した非アルコール性脂肪肝疾患についての声明で糖質制限を推奨」でも書いたように、アメリカ心臓協会(AHA)は脂肪肝に関して、低炭水化物食はカロリーを低下させなくても顕著な効果があることや、果糖が脂肪肝に悪く、果糖の摂取は最小限にすることなどを発表しています。

ルビコンかロボコンか知りませんが、完全に前提が間違っている記事や本は読む価値が著しく低下してしまいます。

そして、この記事でも行われている最大の過ちは、人間とネズミさんを同じに扱っているということです。

まず私たちは、マウスに高脂肪食を4ヵ月間与え続けるという実験を行った。肝臓の細胞を顕微鏡で観察すると、2ヵ月後には巨大な脂肪滴がたくさん見られた。脂肪滴とは、脂質を蓄積するオルガネラである。4ヵ月後には、マウスの肝臓は肥大していた。肝臓の細胞に脂肪がたまると、肝臓が膨れ上がる。脂肪肝の状態である。高脂肪食を4ヵ月間与え続けたマウスは、すべて脂肪肝になった。

この方は人間とネズミさんの食性が全く違うことを知らないようです。だから高脂肪食で脂肪肝になるという間違いを起こしているのでしょう。

本当にこのような専門家の記事にはネズミの実験をあたかも人間でも起きているかのような内容が多いですね。多くの人は記事の中身はしっかりと読まないでしょうし、記事の元になっている論文などはほとんど読まないでしょうから、タイトルだけで間違った認識がされてしまいます。

オートファジーが重要なのはわかりますが、まずは人間の食事の違いによって代謝がどうなるかを考えないとならないでしょう。

脂肪肝は糖質過剰症候群です。

2 thoughts on “高脂肪食で脂肪肝?

  1. 清水先生、こんばんは。
    私も先日、この記事を読んで、またおかしな記事を発信しているなあ、と思っていました。もっとヒトのことをしっかりと考えてほしいものです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です