医療従事者のインフルエンザワクチン接種は患者に利益をもたらすか?

インフルエンザが相変わらず流行しているようですね。

マスコミもワクチン接種を呼び掛けています。

以前の記事「インフルエンザ死亡とインフルエンザワクチン」「インフルエンザワクチン接種は重症化を予防していない」「インフルエンザワクチンは高齢者の死亡率を低下させない」などで書いたように、インフルエンザのワクチンの有効性はほとんどありません。

それどころか、有害性があります。「インフルエンザワクチンによる心血管疾患リスクの増加」で書いたように、ワクチンは炎症を起こし、血小板を活性化させ、心拍数を増加させます。妊婦さんは薬やアルコール、カフェインなどはかなり気を付けるように言われるのに、ワクチンだけはなぜか推奨されますが、「妊婦さんは要注意!インフルエンザワクチンで流産のリスクが急上昇するかもしれない!」で書いたようにリスクがあります。これはコロナになっても変わっていませんね。

さらに、「インフルエンザワクチンを毎年接種することの暗黒面」「前年にインフルエンザワクチンを接種していた人の方が多く新型インフルエンザを発症していた」で書いたように、毎年ワクチン接種をした方が発症しやすいなんてことにもなっているのです。

もっと悪いことに、「インフルエンザワクチンはインフルエンザウイルスの排出量を増加させる」で書いたように、2年連続ワクチン接種すると、ウイルス排出量がなんと6.3倍にまで増加してしまうなんて報告もあるのです。

インフルエンザワクチンの有効性」「インフルエンザワクチンの効果は如何ほど?」で書いたように、ワクチンも有効性を示すNNV(1人のインフルエンザ発症予防のためのワクチン接種人数)は30とか70とかいう数字です。

職業がら、ワクチン接種が必要なんていう人もいますが、本当はそんな職業はないと思います。でも、恐らく医療や介護の現場で働く人は、半強制的な接種かもしれません。新型コロナのワクチンでも「思いやりワクチン」みたいなキャッチフレーズで、自分自身の感染防御ではなく、人に感染させないために必要だという空気が作られました。その空気は実際にはコロナワクチンほど強くはない施設もあったでしょうが、インフルエンザのワクチンにも存在していました。

医療従事者にインフルエンザワクチンを強制接種する必要が本当にあるのでしょうか?ワクチン接種を受けていない医療従事者が患者をインフルエンザの大きな危険にさらしているという印象はかなり誇張されていると思います。

今回の研究では、患者1人の死亡を回避するために、何人の医療従事者のワクチン接種が必要なのかのNNVを計算しています。

院内感染インフルエンザの推定値を発表している 2 つのネットワーク(1 つはアメリカ、もう 1 つはカナダ)を利用しました。 2,900 万人(アメリカ人口の約 10%)の監視対象人口をカバーしています。この研究では、検査室で確認されたインフルエンザ感染者6,171人が特定され、そのうち172人(2.8%)が院内感染、27人(16%)が死亡しました。関連する医療従事者の数をアメリカの550万人の病院職員の10%( 550,000 人)と推定し、アメリカの病院に関する他の文書に記載されているように、ワクチン接種率が70%であると仮定しました。

また、カナダのネットワークは、2010~2011年のシーズンは院内感染インフルエンザ症例数が最も多かったので、そのシーズンに焦点を当てて分析を行いました。カナダの関わる病院職員を約113,000人と推定しました。カナダの病院について他の文書にあるように、医療従事者のインフルエンザワクチン接種率は40%であると仮定しました。 2010~2011年のシーズン中に、医療関連のインフルエンザ症例257人が特定され、そのうち32%(82人)が病院内で感染しました。 7人の院内感染によるインフルエンザ死亡が確認されたことになります。(図は原文より)

上の図のように2010~2011年のアメリカでの死亡27人とカナダでの死亡7人のうち、医療従事者に起因するリスクとワクチンの有効性をそれぞれ60%と仮定すると、ワクチン未接種の医療従事者に起因する死亡はそれぞれ8.4人と3.5人であり、医療従事者のワクチン接種によって予防できるのはそれぞれ5.0人と2.1人と推定されました。

これらのデータに基づくと、1人の患者の死亡を防ぐためにワクチン接種が必要な医療従事者の数(NNV)は、アメリカとカナダで同様で、それぞれ32,819人と32,688人でした。 VE が低い、または HCW に起因するリスクが低いほど、NNV は高くなります。 2010~2011シーズンのカナダとアメリカでのいくつかの研究で報告されているように、医療従事者のワクチンの有効性 が60%ではなく40%以下であると仮定した場合には、NNVはそれぞれ少なくとも61,111と54,193に増加します。院内感染によるインフルエンザ死亡の80%が医療従事者によるものであると考えても、病院内のNNVはワクチン有効性が60%の場合24,516人(カナダ)から24,614人(アメリカ)、ワクチン有効性40%の場合40,645人から45,833人の範囲となります。

検出不足の可能性の調整係数(5.2倍)で調整したとしてもNNV は、ワクチン有効性が60%の場合は6286~6311、40%の場合は10,241~11,752の範囲でした。

つまり、患者1人の死亡を回避するのには、少なくとも6000人、多ければ50000~60000人程度の医療従事者のワクチン接種が必要となります。こんなNNVで医療従事者にインフルエンザワクチンを強制接種する意味があるのでしょうか?

コクランでも、長期療養施設に入所する60歳以上の人々を介護する医療従事者へのインフルエンザワクチン接種の利点は確認されていません。(ここ参照)

もちろん、同様のことは新型コロナでも言えるでしょう。誰かのためにワクチン接種?思いやり?万が一ワクチンが必要だとしても、それは自分のためで良いのです。自分のためだとして、効果のほとんどないインフルエンザワクチンを接種しますか?危険な新型コロナワクチンを接種しますか?もうすぐインフルエンザワクチンもmRNAワクチンに変わるでしょう。新型コロナワクチンもレプリコンワクチンが登場するでしょう。

所詮風邪のウイルスにワクチンは必要ありません。

「Influenza Vaccination of Healthcare Workers: Critical Analysis of the Evidence for Patient Benefit Underpinning Policies of Enforcement」

「医療従事者のインフルエンザワクチン接種:施行政策を支える患者利益に関する証拠の批判的分析」(原文はここ

3 thoughts on “医療従事者のインフルエンザワクチン接種は患者に利益をもたらすか?

  1. ワクチンも産業なのでしょうか。

    ワクチン接種したからと言って、
    感染や重症化予防になる、
    とは限らないことは
    実体験済みです。

  2. 息子が受験生の頃、ある私立大学の受験資格にインフルエンザワクチンの接種と言うのがあり、仕方なく接種しました。いつもは接種しないのですが、ついでに私も接種しました。
    息子は受験が終わった1週間後に、私は翌年の流行期にインフルエンザを発症してしまいました。何十年もインフルエンザに罹った事がなく、ワクチン接種と無関係とは思えません。
    新型コロナワクチンも家族全員一度も接種していませんが、誰も発症していません。
    風邪如きにワクチンが必要なのか甚だ疑問です。

    1. 西村典彦さん、コメントありがとうございます。

      任意のワクチンを受験の条件にするなんておかしいですね。
      医療はインフルエンザやコロナを特別視することで、儲かる仕組みを作りました。
      ただの風邪も恐怖や不安で煽れば、みんな医療を求めます。
      ワクチンも解熱剤も自分自身の免疫の邪魔でしょうね。

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