糖質入りドリンクの大量摂取は若者の骨折も増加させるかもしれない

まだ暑い日が続いていますが、小児や青年の水分補給で糖質入りドリンクを飲んでいませんか?汗をかいたからと、マスコミやいわゆる専門家の言うとおりにスポーツドリンクを飲んでいませんか?

以前の記事「糖質入りドリンクの大量摂取は若者の骨密度を低下させるかもしれない その1」「その2」では、糖質入りドリンクが若者にとって骨の健康に対して有害で、若者でも骨密度が低下する可能性があることを書きました。もし、骨密度が低下するのであれば、骨折も増加する可能性が高いでしょう。

今回の研究では、若者の骨折と糖質ドリンクの関連について分析しています。毎回書いていますが、これらの研究のデータは食事アンケートなので、質の低いデータです。

糖質入りドリンクの摂取が小児の骨折に及ぼす影響に関する5件の研究を見てみましょう。(表は原文より改変)

年齢範囲主な結果
8~12歳男子 OR 2.0 (1.0, 4.3)

女子 OR 4.6 (2.3, 9.1)

9~16歳コーラ飲料

∙手 OR 1.41 (0.71, 2.82)

∙手首と前腕OR 1.39(1.01、1.91)

∙上腕OR 0.65(0.36、1.17)

炭酸飲料

∙手OR 1.11 (0.71, 1.74)

∙手首と前腕 OR 1.14 (0.89, 1.46)

∙上腕OR 1.00(0.63、1.58)

7~14歳∙炭酸飲料(コーラ以外):OR 1.1(0.7、1.8)

∙コーラ飲料: OR 1.7 (1.2, 2.6)

∙非炭酸飲料(主にフルーツジュース): OR 1.6 (1.1, 2.3)

14~16歳∙炭酸飲料: OR 3.14 (1.45, 6.78)

∙コーラ: OR 2.01 (1.17, 3.43)

 4~16歳∙糖質入りドリンク摂取量(L/日)

∙非骨折群: 0.13 ± 0.17

∙骨折群: 0.25 ± 0.44

∙骨折1件: 0.16 ± 0.19

∙再発骨折: 0.33 ± 0.57

表の1つ目のように、糖質入りドリンクは子供の骨折の可能性を2~4.6倍にします。特に女子の方が影響が強いようです。2つ目ではコーラで一部の骨折の可能性が高くなっています。

3つ目の研究ではコーラで1.7倍、非炭酸飲料で1.6倍です。非炭酸飲料の中身は主にフルーツジュースということを考えると、やはり糖質は骨には有害である可能性が高いでしょう。

4つ目では炭酸飲料が3.14倍、コーラが2.01倍です。

5つ目の研究では、骨折した子供の糖質入りドリンクの摂取量と骨折していない子供の摂取量を比較しています。骨折した子供の糖質入りドリンク摂取量が骨折していない子供のおよそ2倍、再発性骨折の子供の摂取量はおよそ3倍です。

糖質入りドリンクが必要な場面は皆無です。そんな飲み物を頻繁に、大量に飲んでいると、今回などで書いたように骨の健康を害するだけでなく、もちろん虫歯も増えるでしょうし、肥満にもなるでしょうし、さらに様々な病気のリスクも増加させます。

水分は水やお茶で十分です。

「Sugar-sweetened beverage consumption and bone health: a systematic review and meta-analysis」

「砂糖入り飲料の摂取と骨の健康:システマティックレビューとメタアナリシス」(原文はここ

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