男性型脱毛症(AGA)および前立腺肥大の薬フィナステリドの副作用 その3 認知機能障害

その1」「その2」に続き、その3では認知機能についての副作用です。

まずは、アメリカの国民健康栄養調査(NHANES)とアメリカ食品医薬品局有害事象報告システム(FAERS)のデータを使った分析の研究です。フィナステリド曝露と認知機能指標との関連性を調べています。

その結果、フィナステリドの使用では記憶障害の可能性が6.15倍にもなりました。

報告オッズ比(ROR)は次のようです。(表は原文より改変)

PT ROR
学習障害 48.73
認知障害 30.85
思考ブロック 28.86
幻想 18.51
読字障害 13.52
注意力の障害 11.88
感覚喪失 10.45
吃音症 10.28
精神障害 9.48
チック 9.05
注意欠陥多動性障害 7.06
健忘症 6.01
異常な思考 5.28
精神緩慢 4.84
蟻走感(ぎそうかん) 4.73
記憶障害 4.71
神経系障害 4.13
感覚障害 4.05
書字障害 3.63

上の表のように、フィナステリドはいくつもの神経認知障害に関連していると思われます。恐ろしいですね。

もう一つ見てみましょう。世界保健機関(WHO)のグローバルデータベースであるVigiBaseを⽤いて、フィナステリドと認知機能障害の関連性を調査しました。(図は原文より)

フィナステリド使用に関連して報告された54,766件の有害事象のうち、1,624件(2.97%)が認知機能障害に関連していました。フィナステリド使用に関連する認知機能障害について有意な報告オッズ比(ROR)は5.43倍でした。

認知障害は28.47倍、注意障害は5.62倍、記憶障害は1.88倍、健忘は2.60倍、注意⽋陥多動性障害は10.87倍、精神障害は2.33倍でした。

上の図のように、非常に問題なのは、症例の多く(65.83%)は重篤と判断され、回復しないのは58.37%にものぼりました。45歳未満の患者で7.30倍、脱毛症患者で5.52倍であり、それ以外の患者よりも認知機能障害の報告数が多かったことが示されました。若い人の方が犠牲になりやすいのです。

その2でも書いたように、フィナステリドの副作用は、この薬をやめてもずっと続いてしまう可能性があります。

フィナステリドは、特に若年性脱毛症患者には慎重に処方されるべきです。しかし、医師にそれを期待しても仕方がありません。自分でこの薬を避けるべきでしょう。

「Association between finasteride with subjective memory deficits: a study from the NHANES and FAERS databases」

「フィナステリドと主観的記憶障害との関連性:NHANESおよびFAERSデータベースからの研究」(原文はここ

「Cognitive dysfunction following finasteride use: a disproportionality analysis of the global pharmacovigilance database」

「フィナステリド使用後の認知機能障害:世界的な医薬品安全性データベースの不均衡分析」(原文はここ

6 thoughts on “男性型脱毛症(AGA)および前立腺肥大の薬フィナステリドの副作用 その3 認知機能障害

  1. 「加齢による筋力低下や肥満対策へ「糖新生」の研究成果 東北大」
    今日のNHKネットニュース地方版です、
    今更、の感想
    今後どういう結論に至るのか、
    必ずしも糖質制限推奨ではないのかも、

  2. コメント失礼します。
    抜け毛が気になり、病院に行き2週間ほどフィナステリドを服用したことがあります。
    (髪自体はまだ全然ありました)
    この記事を読んでぞっとしました。
    記憶力が悪くなっている気もしているので恐ろしいです。あと性欲の低下とかも
    これからは薬を飲まないのはもちろんですが、糖質制限を続けつつ時間の経過でよくなってくるでしょうか?

    1. ooさん、コメントありがとうございます。

      副作用の改善については断言ができないです。
      性機能障害は年単位で続く場合があります。認知機能はどれほど続くのかわかりません。
      まだ恐らくすべてがわかっているわけではありません。
      危険性の説明がありましたか?

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