膜性腎症でもインスリン抵抗性が重度のタンパク尿および腎機能の低下と関連している

透析患者の原因疾患は、第1位は糖尿病性腎症(39.5%)、第2位は慢性糸球体腎炎(24.0% )、第3位は腎硬化症(13.4% )です。慢性糸球体腎炎としては、最も多いのが、IgA腎症で、その次は膜性腎症でしょう。その膜性腎症の約80%は原発性で、原因不明または自己免疫が関係していると考えられています。

さて、この原発性膜性腎症も糖質過剰摂取と関連しているのでしょうか?

今回の研究では、原発性膜性腎症患者536人(平均年齢51歳)を対象としています。重度蛋白尿群(24時間尿蛋白 > 3.5 g/日)と非重度蛋白尿群(24時間尿蛋白 ≤ 3.5 g/日)に分けられ、さらに、腎機能低下群(eGFR < 90 mL/min/1.73 m2)と非腎機能低下群(eGFR ≥ 90 mL/min/1.73 m2 )にも分けられ、解析が行われました。

非重度蛋白尿と比較して、重度蛋白尿のある患者では、インスリン抵抗性を表すTyGインデックスが有意に増加していて、9.15対8.88 でした。非腎機能低下と比較して、腎機能低下のある患者でもTyGインデックスが有意に増加していて、9.18対9.01 でした。

またTyGインデックスによって、4つのグループに分けられました。Q1(TyGインデックス< 8.58)、Q2(8.58 ≤ TyGインデックス < 8.99)、Q3(8.99 ≤ TyGインデックス< 9.48)、Q4(TyGインデックス ≥ 9.48)です。

TyGインデックスが最低群Q1と比較して、最高群Q4は、総コレステロール、中性脂肪、空腹時血糖、HbA1c、24時間尿タンパク質、血中クレアチニン、赤血球沈降速度、CRP、白血球、ヘモグロビンのレベルが高く、HDLコレステロールとeGFRのレベルが低くなっていました。(図は原文より)

上の図は、原発性膜性腎症患者におけるTyGインデックスと重度蛋白尿(A)または腎機能低下(B)との関連です。どちらも、TyGインデックスが9付近を超えると、それぞれの可能性が高くなっています。

TyGインデックスが高いほど、膜性腎症における重度蛋白尿の可能性が2.08倍増加しました。TyGインデックスが最も低い群と比較して、最も高い群では重度の蛋白尿の可能性が2.58倍増加しました。

同様にTyGインデックスが高いほど、腎機能低下の可能性が1.57倍増加しました。TyGインデックスが最も低い群と比較して、最も高い群では腎機能低下の可能性は3.48倍増加しました。

インスリン抵抗性による、高インスリン血症および慢性炎症や酸化ストレスの増加が腎機能低下に大きく影響していると考えられます。そして、インスリン抵抗性が高くなるのは、糖質過剰摂取によるのです。

膜性腎症にも自己免疫が関係しているのですから、自己免疫疾患も私は糖質過剰症候群と考えているので、原発性膜性腎症の原因も糖質過剰摂取だとも考えられます。

いずれにしても、腎疾患で、食事を改善せずに、塩分ばかり減らしても、どんどん進行してしまうでしょう。

まずは、腎機能の維持、改善のために糖質制限をしましょう。

「Higher triglyceride-glucose index is associated with severe proteinuria and decreased renal function in patients with primary membranous nephropathy」

「TyGインデックスが高いほど、原発性膜性腎症患者では重度の蛋白尿および腎機能低下と関連している」(原文はここ

3 thoughts on “膜性腎症でもインスリン抵抗性が重度のタンパク尿および腎機能の低下と関連している

  1. 自称糖尿病専門医の方がSNSやnoteで「糖質制限でタンパク質を多く食べるとアルブミン尿が出ます、腎臓が悪くなります」って断定して書いていらっしゃるのを多く見ます。面倒なのでミュートするだけですが何とも残念です。

    1. よっしーさん、コメントありがとうございます。

      根拠を示してほしいですね。私の患者さんは糖質制限でアルブミン尿が爆下がりしました。

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