健康のためにランニングをしている人も多いでしょう。私もランナーですが、フルマラソンのような非常に長距離のレースは過酷であり、本当に健康に良いのか有害かははっきりしないところもあります。
今回の研究では10km、ハーフマラソン、フルマラソンのレース後の心臓のマーカーを調べています。これらのマーカーは通常急性心筋梗塞の診断などに使われます。
レースの平均時間はそれぞれ58分、116分、252分でした。レース後の平均の体重減少はそれぞれ、-1.0%、-1.7%、-2.5%でした。(図は原文より)
上の図は心筋トロポニンIというものと心筋トロポニンTというものです。どちらも心筋細胞が損傷すると血中濃度が上昇します。
基準値は心筋トロポニンIで0.0262ng/mL以下、心筋トロポニンTで0.014ng/mL以下です。急性心筋梗塞がある場合、心筋トロポニンIで0.0262ng/mL以上、心筋トロポニンTは0.100ng/mL以上になるそうです。
ある施設のトロポニンI濃度は急性心筋梗塞17.727ng/mL、安定狭心症0.062ng/mL、高感度トロポニンT濃度は急性心筋梗塞0.858ng/mL、安定狭心症0.029ng/mLだったそうです。
マラソンレースの後のマーカーは走る距離に応じて上昇しています。フルマラソンでは急性心筋梗塞レベルではありませんが、狭心症レベルを超えています。
上の図はNT-proBNP、クレアチンキナーゼ-MB(CK-MB)(心臓の筋肉の細胞の損傷によって血液中に遊出する酵素)です。NT-proBNPは心不全で上昇します。125~400ng/Lの場合には、軽度の心不全の可能性があり、400~900ng/Llの場合は、治療対象となる心不全である可能性があります。900ng/L以上の場合は、治療対象となる心不全である可能性が高いと思われます。
クレアチンキナーゼ(CK)は骨格筋由来のCK-MM型、脳や平滑筋由来のCK-BB型、心筋由来のCK-MB型があります。ほとんどはCK-MMであり、CK-MBは1~4%程度です。CK-MBは心臓の筋肉の細胞の損傷によって血液中に遊出する酵素です。
CK-MBの基準値は検査機関によって違いますが、男性:7.2ng/mL以下、女性:3.4ng/mL以下です。
これら2つのマーカーはフルマラソン後のみで上昇しています。NT-proBNPは軽度の心不全の可能性レベルです。CK-MBはCK全体の10%以上の場合では心臓の筋肉の損傷の可能性が高くなります。今回のCK-MMはフルマラソン後平均で273でした。CK-MBはフルマラソン後でも15程度なので、心筋損傷によって出てきたものかどうかはよくわかりません。
フルマラソン後のこれらのマーカーの評価は実際にはよくわかっていませんが、心臓にかなりの負担がかかっている可能性は否定できません。
以前の記事「トライアスロンでの死亡はまれではない!」「トライアスロンのような過剰な運動は男性の心臓を危機に陥れるかもしれない」などでも書いたように、激しすぎるスポーツは心臓に過度の負担を与える可能性があります。
マラソンでの心停止の発生率は、5万人のランナーのうち約1人に過ぎないと言われています。
しかし、マラソンの人気が高まるにつれ、明らかに不健康な体つきで走っているランナーをたくさん見かけます。以前の東京マラソンでは肥満のタレントである松村邦洋さんが心停止になっています。
最近、中国ではハーフマラソン大会でゼッケンの偽造が18人、替え玉3人、近道237人の合計258人が失格となっています。恐らく本当に走りたいわけでは無く、SNSに走っている姿をアップするのが目的なのではないでしょうか?(関連記事はここ)ただ、記事を読むと意外とマラソンのレースで不正をすることは普通のことのようです。本当でしょうか?いずれにしてもずるをする理由は私にはよく理解できません。
ズルは別として、フルマラソンやウルトラマラソンは過酷です。しっかり練習することと、ちゃんと走れる体になることは必須のことだと思います。お腹が出ている人が行う競技ではないと思います。
「Elevation of Cardiac Troponins After Endurance Running Competitions」
「長距離ランニングレース後の心臓トロポニンの上昇」(原文はここ)
距離が長いほうが心臓に負担となるのでしょうか?
先日70キロのトレイルランでケトランにチャレンジしました。
レース中に補給したものは
アスリチューン赤 糖質8gx3 で24g
スーパーメダリスト9000糖質4.1gx2 で8.2g
MTCゼリー糖質1gx6 で6g
トップスピード糖質5.6gx4 で22.4g
くるみ100g 糖質4.2g
マカダミアナッツ140g 糖質16.8g
猪汁?x3 糖質量不明ですがあまり入っていないと思います。
糖質合計81.6g 326.4キロカロリー
GPSウォッチは消費カロリー6000キロカロリーを超えていたので糖質で5%くらいでした。
練習不足もありタイムはだめでしたがエネルギー切れをそれほど感じることはありませんでした。脳を騙すにも別に糖質でなくても良いと思います。
ただタイムを縮めるにはレール後半は糖質があった方がいいのかもしれません。
糖質の活用できる場面も模索したいと思います。
前半から 着地筋が悲鳴をあげていましたがスーパーメダリストのBCAAをとると復活しました。タンパク質を取るのもダメージ回復や脳を騙すことにつながるのではえと感じました。
ちなみに前日に食べたものは
おでんの卵4個、ウインナー2個、ロールキャベツ、牛すじ2本 焼き鳥2本
くるみ100g アボカド5個 チーズオムレツ(これはジャガイモとペンネが入っていたので糖質20gくらいあったようです)
前々日は朝バターコーヒー 昼はベトナム料理で豚肉を中心に食べ放題、夜はサバを4切れ
昼、夜は糖質の少ない野菜も食べました。前日はカフェイン抜きのためコーヒーなしです。
前日、前々日の調整はこんな感じでした。
とむら あきはるさん、コメントありがとうございます。
心臓の負担は距離が関連しているようです。
非常に参考になる情報ありがとうございます。
確かに後半に糖質は必要になる場合もあると思います。その人のペース次第で、トレイルになると心拍数の増加もかなりかもしれないので、そうなると糖質を投入した方がいいと思います。
BCAAも参考になります。