以前の記事「高齢者糖尿病の血糖コントロール目標ってこれで良いのだろうか?」でも書いたように、日本糖尿病学会の高齢者の血糖コントロールの目標値は超緩く、HbA1c7未満であり、低血糖を招く薬を使用している場合は、8未満でしかも下限値を7~7.5に設定しています。逆に考えれば、高齢者は血糖値をあまり下げるな、ということでしょう。しかし、認知症のリスクが上がる高齢者で、このようなHbA1cの目標値は良いとはとても思えません。
今回の研究では、金沢大学や九州大学などが、HbA1cとアルツハイマー病発症の関連を分析しています。(図はこのプレスリリースより)
HbA1cが糖尿病である6.5以上と、前糖尿病(糖尿病予備軍)の範囲である5.7~6.4と、正常範囲の5.7未満に分けてアルツハイマー病になる可能性を比較しました。その結果、上の図のように、糖尿病で72%増、前糖尿病でも30%増でした。
日本糖尿病学会の目標値を守っていたら、さらに日本は認知症大国になってしまいます。
日本糖尿病学会が7%未満を目標値に設定するのは、言葉は悪いかもしれませんが、彼らのスキルではそこまでが限界なのでしょう。薬では治せないのです。または、あえて「治さない治療」(昨日の記事「治さない治療」参照)を行っているのです。糖質過剰摂取のままですから、当然ですよね。糖質制限をすれば7を切るなんて簡単ですから。
アルツハイマー病は3型糖尿病とも言われ、糖質過剰症候群です。糖質制限をすれば、かなり予防できるはずです。しかし、アルツハイマー病が発症するまでには20年程度の年月がかかります。遅くとも40歳を過ぎたら、糖質制限をして予防すべきでしょう。
「Diabetes Mellitus, Elevated Hemoglobin A1c, and Glycated Albumin Are Associated with the Presence of All-Cause Dementia and Alzheimer’s Disease: The JPSC-AD Study」
「糖尿病、ヘモグロビンA1cの上昇、および糖化アルブミンは、すべての原因による認知症およびアルツハイマー病の存在と関連している:JPSC-AD研究」(原文はここ)
糖尿病やそれに伴う疾患への予防や対処法に関しては、知識アップデートがされていない
医療者や栄養士では、まさにスキルの限界があるのでしょうね。
要介護高齢者の老人ホームでは頻繁に尿路感染が発生し、その都度、病院受診の繰り返しが常です。当然、施設は収入が減り医療は利益となります。カロリーベースの栄養管理で糖質もしっかり摂取しなければなりません。日本でも糖質制限食が認められれば、認知症も含め、健康維持が出来るのではと考えます。
なみまちさん、コメントありがとうございます。
尿糖垂れ流し食を毎日3回も食べていれば、免疫の落ちた高齢者であれば尿路感染症にもなるでしょう。
食事が尿路感染症の原因とは考えていないのでしょうね。