LDLコレステロールが上昇すると多くの医師はスタチンを強力に勧めてきますが、スタチンに糖尿病のリスクを増加させる副作用があることを説明する医師はほとんどいないでしょう。
以前の記事「スタチンの使用は、はっきりとした糖尿病発症のリスク増加がある!」「スタチンは糖尿病を進行させる」「スタチンは糖尿病を誘発する可能性がある」などで書いてきたように、いくつもの研究でスタチン誘発性糖尿病は指摘されています。
今回の研究では、スタチン使用の適応がある人7,064人(平均年齢は40代後半、平均BMIは30以上)を対象にスタチン使用の有無による新規の糖尿病発症のリスクを分析しました。(図は原文より)
上の図のように、スタチンを使用している人が新規に糖尿病を発症するリスクは2.2倍であり、2年以上スタチンを使用し続けた場合の糖尿病リスクは3.33倍でした。
外来でもスタチンと糖尿病の組み合わせ、多いですね。心血管疾患も糖尿病も糖質過剰症候群なので当たり前ですが、スタチンが先で糖尿病が後から発症することも多いかもしれませんね。
心血管疾患にとってLDLコレステロールとの関連は少なく、インスリン抵抗性の増加の方が非常にリスクが高いことを考えると、スタチンが本当に必要なのかどうかをしっかり考える必要があります。
糖質制限が最も重要だと思います。
「Statin users have an elevated risk of dysglycemia and new-onset-diabetes」
「スタチン使用者は血糖異常および糖尿病の新規発症のリスクが高い」(原文はここ)
糖尿病ほどQOLを下げる病気もないと思います。
スタチン(を始めとした、対症療法的服薬)は怖いですね。