ED（勃起不全）と糖尿病

ED（勃起不全）は糖質過剰症候群です。立たなくなってきたら、もうすでにかなり進行していると考えた方が良いでしょう。

今回の研究では、EDと糖尿病の関連を分析しています。対象は18歳から40歳（平均年齢28.3歳）の231,523人の男性で、EDの人3131人とEDでない人を比較しています。

EDは糖質過剰症候群がかなり進行していると考えられるので、高血圧、肥満、低テストステロン、高脂血症などが多いだけでなく、うつや不安などの割合も多く、医療を利用する率がかなり高くなっていました。

対象となる集団全体の2年間の前糖尿病および糖尿病の累積発生率は3.2％で、EDでは8.1％となっていました。EDではEDでない人と比較して、前糖尿病/2型糖尿病のリスクが2.57倍高く、様々な調整をしても1.34倍リスクが高くなっていました。（図は原文より）

上の図は前糖尿病/糖尿病を発症したED患者255人における、ED と前糖尿病/糖尿病 診断の間のタイムラグを示しています。約3分の1の36.5％はEDと診断された同日に診断され、45.7％はEDから1か月以内にと診断されました。大多数、73.5％がEDから1年以内に前糖尿病/糖尿病と診断されました。

以前の記事「勃起不全（ED）と冠動脈疾患との関連」で書いたように、当然EDは心血管疾患と関連していますし、「立（勃）たなくなったら糖質制限？」で書いたように、インスリン抵抗性も大きく関係しています。バイアグラを飲んで誤魔化していると、次の糖質過剰症候群の症状、疾患がやってくるでしょう。（「勃起不全（ED）はバイアグラで治療する？」）

「Erectile dysfunction associated with undiagnosed prediabetes and type 2 diabetes in young adult males: A retrospective cohort study」

「若年成人男性における未診断の前糖尿病および2型糖尿病に関連する勃起不全：後ろ向きコホート研究」（原文はここ）